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2015年12月31日11:07

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日韓合意に対する産経x朝日の「検証」が始まったが…

藤岡 信勝
19時間前 ·

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(矢印(上)自宅庭からの夕焼け空)

日韓合意を糾弾するネットの批判がピークを越えたあたりで、30日付けの朝刊から産経新聞の「検証」が始まった。取材源は安倍首相や官邸周辺である。これは政治的大事件のあと行われる一つのパタンになっている。産経の記事で、安倍首相が「どんな目的と勝算を胸に年内決着を急いだのか」、初めて知らされることになる。

 もっとも、それはもっと早くから一部の評論家にはリークされていて、このFBにもアップされているから、全く耳新しいものではない。また、朝日新聞も同様の検証記事の連載を始めた。

 産経の検証記事によれば、安倍首相が年内妥結に方針転換した理由は2つあるという。一つは、安倍談話で宣言した、「次世代に謝罪の宿命を背負わせない」ためである。それで韓国を黙らせるための賭けに出た。
 もうひとつは、東アジアの戦略上、日本対中韓から日韓対中国の関係に引きずり込むことである。この交渉は水面下1年近く続けられており、中心人物は谷内正太郎・国家安全保障局長。この人事は韓国側からの指名で決まったそうだ。

 ここで少しコメントしておきたい。第一の目的は「次世代に謝罪の宿命を背負わせない」ことだというが、これは首相によれば、現世代は謝罪してよいということになるようだ。安倍談話の、「次世代に謝罪の宿命を背負わせない」という結構な目的は、現世代の謝罪を正当化する理由にされている。次世代に積み残しがあってはいけないから、「現世代」が生きているうちは、安倍談話に基づいて、日本はまだまだ謝罪しなければならないのかも知れない。変な理屈だ。

 しかも、重大なことは、事実無根のデッチ上げ話を事実であると認め、何の罪もない先祖や英霊をこれ以上ないほど侮辱することの代償に、韓国の大統領の「告げ口外交」をやめてもらうという、小さなお願いを実現したのが成果だというのである。改めて、外相声明の第1項を読んでいただきたい。

 【慰安婦問題は,当時の軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり,かかる観点から,日本政府は責任を痛感している。
 安倍内閣総理大臣は,日本国の内閣総理大臣として改めて,慰安婦として数多の苦痛を経験され,心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し,心からおわびと反省の気持ちを表明する。】

 声明文には「強制連行」も「強制」の字もないではないか、という愚かなことを言う人がいる。今まで河野談話の存在と、事実関係で反論しないという外務省の不作為により、日本は20万人の女性を性奴隷として利用した、という言説が世界中でまかりとおっていることを忘れている。あとは、もう一度、日本政府が疑問の余地なく「責任」を認めることだけが残っていて、世界中の反日的メディアは、口をあけてこのご馳走を待っていたのである。だから、日本政府が正式に謝罪し、10億円という大金まで国家予算から支出した、ということになると、もはや地球規模のデマがこれで事実として確定される。とんでもないことだ。このあたりの事情は、青山繁晴さんのアメリカからの30日付けのレポートをyoutubeでお聴きいただきたい。

 実は、アメリカの187人の日本学者が、安倍談話の出る前の今年の5月に声明を出し、首相に求めていたのは、慰安婦問題について疑問の余地なく日本の責任を明言することであった。アメリカの学者たちには、日本の学者たちが堂々と完膚無きまでに反論したのだが、当の安倍首相は、まさにこれらアメリカの学者たちの要求通りの行動をとったのである。
 安倍氏以外の首相がこのような行動をとったら、長年慰安婦問題に取り組んで来た産経新聞や安倍内閣を支持する評論家たちは口を極めて批判したはずだ。安倍政権であるが故に、最も肝心なことが曖昧にされている。河野談話の見直しという自民党の公約は完全に吹っ飛んでしまった。

 第二の目的は東アジアの戦略環境を変えるためだという。それがアメリカの要求だと言いたいのである。これで国民を説得できると思うのは浅はかである。

 アメリカは今、中国と戦争をはじめようとでもしているのだろうか。そんな形跡は微塵もない。ただ、アメリカが大きな傾向として、対中戦略を重視するようにシフトしていることは確かであろう。だからといって、それに同調するために、日本人が自分たちの先祖の名誉を踏みにじってよいということにはならない。次元の違う話だ。
 普段、そういうことを盛んに口にしている人が、東アジアの戦略問題という別次元の、雲をつかむような話を持ち出された瞬間にころっと従来の自説を変える姿は見苦しい。安全保障のために先祖と英霊の名誉を汚してよいという思想は、先祖の犠牲の上に今生きている自分たちの生存を全うしようとすることで、これこそ憲法9条のもとで長年培われた、自分たちさえ生き残ればよいという戦後的価値観そのものである。

 ところで、産経新聞の1面トップの割り付けに、面白い現象が見られた。「慰安婦合意」という共通タイトルのもと、二つの記事があり、メインは紙面の中央を占める「検証」記事なのだが、その右側、本当のトップの見出しの位置に、韓国政府が「記憶遺産不参加を否定」したという記事がおかれているのである。皮肉なことに、右側の速報記事が左の検証記事を否定する格好に紙面が構成されているのである。

 どういうことかというと、ユネスコの記憶遺産で今年の10月に、中国が申請した「慰安婦=性奴隷」が登録からはずされた(「南京」は登録された)。そこで、来年3月を締切として募集される次期の登録事業に、中国主導で韓国を含む6つの国・地域が共同で申請することが公言されている。
 これについて、日本政府は今度の日韓合意の取り決めに従って、韓国はこの動きに加わらないとの認識を表明していた。ところが、韓国外務省報道官は、29日の定例記者会見で、それは「事実無根」だと否定し、日本との間で合意した事実はない、と強調したのである。

 なんと日韓合意からわずか1日で、韓国は合意を破った。考えてもみよう。交渉でこのことが議論になっていなければ、日本の外務省の官僚には、根も葉もない嘘をデッチ上げるほどの度胸はない。韓国側の発言があったことは疑いない。ところが、韓国は「日韓合意を一夜にして反故にするような行動」(上記産経紙の表現)に出たのである。
 これについての「政府関係者」のコメントがふるっている。「国内向けの発言だろう」。今後、韓国政府が合意に反するどんな発言をしても「国内向けの発言」として許されるということだ。

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Mixi友の皆様

今年もお付き合いいただきありがとうございました。
来年が皆様方にとって良い年になる事をお祈りいたします。

来年も宜しくお願いいたします。拝

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