カナダ、ケベック…
火曜の夜11時45分。聖マリー教会のローガン神父は、自室から聖堂に入る人影を目撃した。行ってみると、教会の雑用係をしているケラーが頭を垂れて祈っている。彼は戦後ドイツから渡ってきた移民で、ローガンが仕事を世話してやった男だ。悩みがあるなら聴いてあげるよと声をかけると、ケラーは真面目な顔をして告解を希望する。そこでローガンはケラーを告解室に連れて行き、懺悔を聴くことになった。
「実は…ビレットさんを殺してしまったのです」
そう語りだすケラーに、ローガンは言葉を失った。ビレットは、町一番の裕福な弁護士。ケラーは毎週水曜日にビレット家の庭師をやっているので、家に大金があるのを知っていた。そこでカネを盗もうと、法衣で変装して今しがたビレット家に忍び込んだら、ビレットに見つかり殴り殺してしまったと言うのだ。信者の告解を他言できないローガンは、ケラーに罪を赦すと告げるも、警察に自首するよう勧めるのだった。
翌日、水曜日の朝。ケラーの妻が「夫はいつもどおりビレットさん家に出勤しました」というのを聞いて、不思議に思ったローガンはビレット家に行ってみる。そこはすでに多数の警察官たちでごった返していた。ケラーが何食わぬ顔で今朝現場に出向き、第一発見者として警察に通報したのだ。驚くローガンの顔を見て、捜査責任者のラルー警部は不審を抱く。警部はまた、現場前でローガンと女が何か会話し、逃げるように去って行ったのも気になった。
ローガンが話していた女とは、グランフォール議員の妻ルースだった。ルースは、ローガンと恋仲にあることをネタに、ビレットから強請られていたのである。それをローガンに相談した矢先にビレットが死んだことで、ショックを受けていた。警部は、ビレット家を飛び出す法衣の男を見たという目撃者の証言から、犯人が神父だと推理。マリー教会の全神父のアリバイを聴取する。死亡推定時刻の夜11時頃、アリバイがないのはローガンだけであった。ローガンはルースと密会していたのだが、これを言うわけにはいかない。ましてやケラーの告解も…
こうして、殺人の容疑がかけられたローガン神父。固く口を閉ざしたまま、ついに逮捕起訴という状況に陥ってしまう。
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「私は告白する」厳格なカトリック信者でもあったヒッチコックの代表作。懺悔を聴いた神父は内容を口外できないというジレンマですね。笑ってしまうほどのメロドラマ要素が多いのが特徴です。モンゴメリー・クリフトののめり込み演技も特筆ものです。
今回のヒッチは、冒頭の通行人。このオープニング、〈一方通行〉の標識をカメラが辿って殺人現場に到着するという洒落たシークエンス。そのエレガントさを、監督自らぶち壊しているのが楽しいですな。
(通算989タイトル)
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