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2015年06月04日11:43

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豊下樽彦著『「尖閣問題」とは何か』を読んで―真の「戦後レジームからの脱却」を求めて

■中国の軍備増強「迫る危機」 自民、政策ビラ100万枚
(朝日新聞デジタル - 06月04日 07:29)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3449293

豊下樽彦著『「尖閣問題」とは何か』(岩波現代文庫)を読んで、愕然とした。

アメリカは、尖閣諸島が日本の固有の領土であるということを認めてくれていないと、豊下樽彦氏は書いておられる。アメリカは、尖閣諸島が日米安全保障の対象内だとは言っている。しかし尖閣諸島が日本の固有の領土であるとは認めていないのである。

尖閣諸島の領有権問題が外交問題化してのは、1970年代に尖閣諸島周辺海域に石油が埋蔵している可能性があるからだという報告があってからのことだ。それ以前は、日本にせよ、中国にせよ、台湾にせよ、尖閣諸島など、見向きもしなかった。しかし本当に尖閣諸島周辺に石油が眠っているのであろうか。そのことについて、実際にボーリング調査が行われたのであろうか。

「尖閣諸島は、魚釣島、久場島、大正島、北小島、南小島という大小五つの島と三つの岩礁から成る、総面積で約六平方キロメートルの島々である。」

その尖閣諸島を購入することを打ち挙げたのは、当時の東京都知事の石原慎太郎であることは記憶に新しい。石原慎太郎がアメリカのワシントンでの講演で、東京都が尖閣諸島を購入すると宣言したことから、この一連の騒ぎは始まった。そして当時の民主党政権の首相・野田佳彦が�狹豕�都が購入するより国が購入した方が管理的にいい�瓩箸いθ獣任如∪躋媾�島を国有化に踏み切った。これが、日中間の対立の原因となっている「尖閣問題」の概要である。

しかし石原慎太郎や野田佳彦が購入したのは、魚釣島、久場島、大正島、北小島、南小島のうち、久場島と大正島は購入対象から外されている。それは何故か。この二つの島々は米軍の射撃演習所としてその管理はアメリカ軍が握っている。つまり尖閣諸島は日本固有の領土だといいながら、日本人が自由に行き来できない理由がそこにある。

アメリカは、尖閣諸島の領有権問題に対して、「いずれの国にも与しない」と、まるで�狠耄�的な立場�瓩鬚箸辰討い襪�、久場島、大正島がアメリカ軍の管理下にあるということは、アメリカもまた尖閣諸島の�狹�事者�瓩箸いΔ海箸砲覆襦�しかしアメリカはこの尖閣諸島領有権問題に対して�狠耄�的な立場�瓩卜�ち続けているところに、アメリカの不誠実さがあると豊下樽彦氏は指摘している。わたしもそのように思えてならない。

日本を取り巻く領土問題は、何も尖閣証だけではない。北方領土、竹島がある。北方領土ではロシアと、竹島では韓国と対立を深めている。そこには�猯療撻淵轡腑淵螢坤爿瓩�あるという。そしてこれらの日本を取り巻く領土問題には、すべてアメリカが関与している。たとえば、北方領土問題について、日本国民は、�猖綿�四島一括返還論�瓩�高まっているが、1956年時点では、歯舞、色丹の二島返還を受諾してソ連との間で平和条約を締結しようとしていた。それに待ったをかけたのはアメリカであった。「ダレスの恫喝」という「仮に日本が二島返還で手を打ちソ連が国後・択捉を獲得するならば、アメリカは永久に沖縄に留まり、琉球政府の存続も認めないと迫ってきたという。しかしサンフランシスコ講和条約では、日本は「千島列島の放棄」を受諾し、その千島列島に国後・択捉の二島が含まれていることは、サンフランシスコ講和条約や旧安保条約締結を担った西村熊雄の「日本本土に隣接する小諸島」という英文調書をまとめていたが、1946年に作成された「千島列島、歯舞、色丹」とのサブ・タイトルの調書は長く発見されなかったが、1994年にオーストラリアの公文書館で発見されたという。

さらにいうならば、真に中国の軍拡が日本の脅威だとするならば、日本政府が取るべき態度は、「領土ナショナリズム」に固執せず、ロシアや韓国との間に存在する領土問題を解決し、例えば、竹島を韓国に譲渡する、北方領土は歯舞、色丹の二島返還で手を打つとかという柔軟な姿勢を見せていく時期ではないのかと、豊下樽彦氏は主張している。

そして豊下樽彦氏は、「尖閣問題」とは何かという課題は、つまるところ、戦後日本外交のあり方を根底から見直す必要性を提起している、と結論付けている。つまり�狷�米同盟の強化・深化�瓩海修�日本外交そのものであるという外交姿勢そのものを見直す時期に来ているというのである。

では、日本はどのような外交政策を取っていけばよいのか。豊下樽彦氏は、この『「尖閣問題」とは何か』のなかで、高坂正尭氏が書いた『海洋国家日本の構想』(中公クラシックス)が大きな示唆を与えると書いている。高坂正尭氏はいわゆる吉田茂が取った日本が外交と防衛をアメリカに依存するという�犁氾掴�線�瓩両淕4�限は過ぎつつあるとして、日本独自の防衛政策と外交政策が必要となったと指摘する。とくに「日本独自の外交政策の不在」こそが、克服していかねばならない課題と指摘しているという。高坂正尭氏は日本独自の防衛政策も�犧脳�限の自衛�瓩箸靴討い襪茲Δ澄9盧篝偽道瓩蓮�恩師・西谷啓治先生たちと同じく京都学派の四天王(高山岩男・高坂正顕・西谷啓治・鈴木成高)の一人である高坂正顕氏の息子さんである。これも何かの縁なのかと思いつつも、高坂正尭著『海洋国家日本の構想』(中公クラシックス)を一読してみたいと思った。わたしは、その高坂正尭著『海洋国家日本の構想』に真の「戦後レジームからの脱却」ということが書かれているように思えてならないのだ。

さて、豊下樽彦著『「尖閣問題」とは何か』は、現代の国際外交における様々な矛盾点を多く書かれていた。たとえば、イランとイスラエルの問題、日本の核武装問題、さらに沖縄問題である。沖縄に米軍基地を集中しておくことが日本国全体にとっての�猴淹瀘廊瓩砲覆襪箸いΔ海箸砲弔い討癲△茲��狠論�学的�瓩箸いΔ�、しかしそれは沖縄が日本国内で最も攻撃のターゲットにされているということでもある。つまり日本国にとって沖縄は、戦前も戦後も日本防衛の�犲里得亅瓩箸いΔい舛鼎倭瓦�変わっていないことを意味するという豊下樽彦氏の指摘は多いに納得よくものであった。この豊下樽彦著『「尖閣問題」とは何か』は、現代日本国民の必読の一冊だと強く感じたのである。

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