今、俺が、全裸にして監禁している、数時間前まで、セーラー服を着て渋谷の街を闊歩していた、女子高生に見える生き物。
俺の彼女の鹿島千鹿子によれば、こいつは、狼人間、ヴァンパイヤーの類の生き物、なのだそうだ。
渋谷系女子高生に見えたので、狼コギャル、と呼ぶことにしよう。
数時間前、俺が、彼女の鹿島千鹿子と一緒に渋谷の街を歩いていると、突然、彼女が風上に向かって鼻をヒクヒクさせ、顔を恐怖にひきつらせ、次の瞬間、風下へ向けて走り出した。
俺の彼女、鹿島千鹿子も、人間ではない。彼女は鹿の女、鹿乃女である。
百メートル走5秒0、走り幅跳び17メートル。 普段は隠している、恐るべき身体能力を発揮し、何百人かの目撃者を唖然とさせ、何十台かの車に急ブレーキを踏ませ、クラクションを鳴らさせながら、ひたすら逃げる。両脚を各8馬力、合計16馬力の機械義足に換えていた俺は、全力で彼女の後を追いかけ、なんとか鹿乃女を見失わずにすんだ。
渋谷駅近くから2�匐瓩�離れ、もう港区に入ったあたりで、ようやく立ち止まった鹿乃女。
ミニスカート姿の彼女の下半身は、黄色く汚れ、悪臭を放っていた。
「あんまり怖かったので、チビっちゃいました。ウンコまで漏らしちゃいました。」
泣きながら、鹿の女は言った。
「どうしたんだ?何かあったんだ!?」
そのまま抱きついて来ようとする彼女から、「お前のだったらオシッコまでは平気だが、ウンコは堪忍してくれ」
と言って距離をとりながら話を聞くと、風上から、鹿乃女の天敵、「狼コギャル」の匂いがしたのだと言う。
「奴らは、私たちを食い殺すんです!人間だって、食べちゃうんですよ!あの体臭をかぐのは十年ぶりです。その時に、私のお婆ちゃんが、奴らに殺されて食べられちゃったんです!」
「よし、とりあえず、家に帰って、詳しく話を聞こう。」
俺は言って、上空に待機していた14・4m級円盤に、俺と鹿の女の収容を命じた。
続く。
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