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2022年03月25日16:04

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ウクライナ戦争のロシア敗北は西側情報機関の高い能力

プーチンが敗れた情報戦、もう爪を隠そうとしなくなった「ファイブアイズ」
ロシアの暴走でファイブアイズの結束がより強固に
2022.3.22(火)
山田 敏弘

 ウクライナ軍の予想をはるかに上回る反撃を前に、キエフを攻めあぐんでいるロシア軍。だた、善戦するウクライナ軍を背後から支えているのは、西側諸国の卓抜した諜報能力であるのは間違いない。

手の内をさらされてしまったプーチン
 昨年11月末からアメリカ政府は、ロシアのウクライナ侵攻の可能性を繰り返し主張してきたが、これは情報機関からのインテリジェンスをもとに分析されたものだった。実際、2月24日にロシアは侵攻に踏み切った。

 もっとも、アメリカから「ロシアによる侵攻があるぞ、あるぞ」と大々的に宣伝され、ウクライナ国境付近に駐留させた部隊の規模まで全世界に公表されてしまったプーチン大統領としては、もはや引くに引けない状況に追い込まれていた。あの状態で「侵攻せず」という判断を下すことは、国内に「弱腰」の印象を与えてしまうため、自身の権力基盤に影響する。その意味で言えば、プーチンは侵攻せざるを得ない状況に追い込まれてしまったのだ。

 そこで改めて注目されるのが、アメリカをはじめとする西側諸国の情報機関の高い能力だ。

 アメリカには世界各国からさまざまな機密情報が集まっている。同盟国や価値観を共有している国々はアメリカのCIA(中央情報局)に情報を提供し、逆に、自国に利害のある情報をもらう、という形で協力関係があるからだ。

 今回アメリカがロシアを追い詰めていったインテリジェンスも、多くの国からの情報が分析された結果だ。ロシアを「仮想敵」として情報活動している国は多く、そういう意味でもロシアはかなり劣勢にあったと言える。

「ファイブアイズ」としての立場を鮮明にしはじめた加盟国
 こうしたインテリジェンス協力のなかで、アメリカが長年重要視してきたのが「ファイブアイズ」である。英語を母国語とするアングロサクソン系の国家であるアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドによるインテリジェンス同盟で、「UKUSA協定」のもとで機密情報を共有している。UKUSA協定加盟国は「エシュロン」と呼ばれる通信傍受システムで結ばれてきた。特にシギント(シグナル・インテリジェンス=電波や通信の傍受)における情報共有の信頼関係は揺るぎないものがある。

 元NSA(国家安全保障局)のエドワード・スノーデンによる機密情報の暴露まであまり一般的に知られていなかったこの枠組みは、かつては秘密裏に活動し、その実態が表に出ることはほとんどなかった。だが昨年あたりから明らかにモードが変わってきた。互いの情報共有もさることながら、価値観を共有しない国々を牽制する目的で、ファイブアイズを構成する国々が連携して声明等を発表するようになっている。

 ファイブアイズが連携し公に声明を出す大きな契機になったのは、2020年6月、香港での反政府的活動を取り締まりを目的とする中国政府による「香港国家安全維持法」の制定だ。さらに中国政府が香港立法会議員の資格剥奪を可能にするルールを導入すると、ファイブアイズの外相は共同で「中国の行動は、国連にも登録されている中英共同宣言に基づき果たすべき国際的義務の明らかな違反である」と中国を非難する声明を発表した。

 また昨年7月には、アメリカと英国が、米マイクロソフトの企業向けメールシステムに発生したサイバー攻撃について、中国の情報機関「国家安全省」傘下のハッカー集団が実行したものだったとして強く非難したこともある。米英両国の立場表明は、明らかにファイブアイズでの情報共有によるものであるのは明白だった。以前であれば、ファイブアイズの活動を背景にした立場表明などというものは考えられなかったことだが、もはやそのネットワークや活動を隠そうとはしなくなった。

 今回のウクライナ侵攻でも、イギリスの呼びかけで、ファイブアイズの国々がオンラインで対応を協議しているし、加盟各国はロシアに対して強い非難を表明している。同時に、ファイブアイズ加盟国に対しては、サイバー攻撃や偽情報の拡散には特に注意が必要だとの見解を明らかにしている。ファイブアイズ加盟国の結束は明らかに強くなっている。国際機関で長年勤めた知人によれば、国際会議の場でファイブアイズが協議を行うという場面になると、他国の関係者は当然のように追い出されてしまうという。「徹底した結束と秘密主義だった」と、この人物は筆者に語っている。

 実はこれまで、ファイブアイズの足並みがそろわないこともあった。というのも、ニュージーランドだけは、中国にあまり厳しい態度はとりたがらない傾向があったからだ。ニュージーランドにとって中国は最大の貿易相手国なので「対中非難」の態度を鮮明にすることを躊躇してきた。

 ところが今回、ニュージーランドはロシアに対する経済制裁を決定した。ロシアは、中国ほどニュージーランド経済に大きな影響力を持たないという判断もあるだろうが、さすがに隣国に軍事侵攻していくロシア軍の姿を目の当たりにして、対ロシア制裁に加わらないという判断はできなかったのだろう。

 それだけにファイブアイズは今回のウクライナ侵攻に関しては極めて積極的に動いている。彼らが現在、力を注いでいるのは、ロシアをさまざまな国際的な枠組みから排除する作業だ。SWIFTからのロシア排除をはじめ、プーチン個人が務めていた国際柔道連盟名誉会長からの解任まで、さまざま「ロシア排除」が報じられている。

 インターポール(ICPO=国際刑事警察機構)にも「ロシア排除」を要請した。

 この要求には、インターポール側が、組織の中立性などを理由に拒否したが、ファイブアイズの国々からインターポールに対するプレッシャーが強まることは間違いない。ファイブアイズ側は今後もあらゆる国際機関・組織から「ロシア排除」を試みるだろう。

ロシア軍、ツイッターでも動向をさらされる
 さて、今回のウクライナ侵攻に際して、肝心の諜報活動において、ファイブアイズの中で中心的役割を果たしているはアメリカとイギリスだ。もともとイギリスはファイブアイズでも欧州・ロシア方面を中心的に担当していたので、イギリスが重要な役割を担うのは当然だと言える。そもそも、イギリスはロシアと古くからスパイ合戦を繰り広げてきており、長い歴史に基づく蓄積がある。加えて今回は、ロシアから亡命した元情報関係者などを多数確保していることから、そうしたところからの情報網も今回、かなり対ロシア戦で有効に働いていると言われている。

 そして実はCIAには、2008年のジョージア侵攻や2014年のクリミア侵攻の際、十分なスパイ能力を現場に持っていなかった苦い思い出がある。そんな反省からも、今回のウクライナでは、イギリスなどとも密に協力し、これまで以上に準備を怠らなかった。

 その諜報戦を仕切っている英MI6(秘密情報部)のリチャード・ムーア長官は、ロシアがウクライナに侵攻した翌日に、米英のインテリジェンスの活躍ぶりを称賛した。

「アメリカとイギリスの諜報機関が、ウクライナに対するプーチンの計画を見つけた。ウクライナ侵攻を正当化するために『偽旗作戦』をやろうとしていたことも明らかにした。ウクライナ指導者たちや高官らを暗殺しようとする計画も暴露した」

 英国防省もツイッターで頻繁に「インテリジェンス・アップデート」を公開。ロシアの動きを伝えていた。欧州の元情報関係者は、「衛星画像に加え、インターネットから電話、無線など通信の傍受も徹底して行なって、ロシアの動きを分析している」と言う。

ファイブアイズ以外の西側諸国も協力
 だがCIAやMI6といったファイブアイズ各国の諜報活動はこのようなシギントだけにとどまるまい。

 おそらく、ロシアの情報・軍関係組織など核心部の近いところに「スパイ」を潜り込ませていたと見たほうがいい。そうでなければ、アメリカの大統領があそこまで自信を持ってインテリジェンスを開示はできまい。

 そうしたスパイはCIAやMI6が直接コントロールする人間とは限らない。過去の事例を見ても、ファイブアイズ以外のNATO(北大西洋条約機構)加盟国が確保しているスパイが動いていたというのも十分に考えられる。

 サイバー部隊も動いた。アメリカのサイバー軍や、ハッカーを多く抱えるNSA(米国家安全保障局)の関係者が、2021年10月までにはウクライナに入っているのが確認されている。サイバー空間での監視も、ロシア側からのサイバー攻撃対策も徹底的に行なっていたはずだ。イギリスからも、これまでも頻繁にロシアでオペレーションを実施してきたMI6のサイバーチームや、GCHQ(英政府通信本部)のハッカーらも協力していただろう。

 このように、ファイブアイズに限らず、NATOや西側の多くの“プレーヤー”が、かなり前から侵攻に向けた準備を行なっていたと考えられる。

リスクを冒してもプーチン牽制のためにインテリジェンスを公表
 冒頭に書いたように、今回、バイデン政権は、昨年11月末頃から繰り返し、アメリカの情報機関からの分析として、プーチン大統領が侵攻の命令を下す可能性を強調し続けた。本来なら、そうした諜報活動で得た情報を公開するのは、現場で活動を続ける諜報員などの活動を妨げたり、命を危険に晒したりすることになるために、行われない。

 だが今回は、それを次々と意図的に公開していった。米英政府は、自分たちの諜報活動の一端が露呈する危険を冒してでも、ロシアを追い詰めたかったということだ。そして、プーチンがウクライナ侵攻の命令を下した暁には、ロシアに効果的に経済制裁を打てるようにと、米英の諜報機関はフランスやドイツにもある程度のインテリジェンスを提供していた。加えて欧州連合(EU)の一部関係者にも一定の情報を伝えていたという。

 ここまでのところ情報戦では米英の圧勝だ。ロシアはかなり追い詰められている。経済制裁もじわじわと効果を出し始め、それに伴いロシアのスパイの情報収集能力も低下し、オリガルヒはとっくに国外に逃げ、前線にいる兵士の士気は上がらず、国民の不満はどんどん高まりつつある。

 あとはいつプーチンが白旗を上げるのかだ。いま、ファイブアイズ各国を中心に、プーチンの頭の中を探ろうとするスパイ活動が繰り広げられていることだろう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69381
中共と異なり、ファイブアイズのNZもバイデンも、ロシアに尻尾を握られていなかったので、情報の収集や発信がスムーズに行きました。

日本をはじめ西側諸国のグローバリストの発言力が急速に衰退した事は副産物です♬

問題は中共の台湾侵攻です。
今秋実行予定だったみたいですが、強力な経済制裁を考慮しておらず、作戦の立て直しです。

但し、中共の侵略に対して、親中派のNZは情報共有に拒否反応を示すでしょうし、日本は尖閣に集中しており、石垣等他の島にはまだ防衛力が十分配備されていません^^;

日本は台湾や自国を守る為の自衛力がハードソフト共々不足しています。

これではできない「台湾武力侵攻」、プーチンの失敗で大誤算の習近平
体制内学者から「プーチンを見捨てよ」との提言も
2022.3.17(木)
福島 香織
中国にはこの秋、台湾を武力侵攻する計画があったが、ロシアの苦戦ぶりをみてその機会を失ったと考えているという。情報元は、ロシア連邦安全局(FSB)のアナリストが書いたとされる情報分析リポートだ。(抜粋)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69316

中国は沖縄占領狙う 前統合幕僚長が警鐘鳴らす
2022/3/6
https://yaeyama-nippo.co.jp/archives/17965

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