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2022年02月14日10:18

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EUが直面するエネルギー危機の解決策に原発を選んだ推移

ESG Weekly: 欧州が直面するエネルギー危機、脱原発巡る分断浮き彫り
Rachel Morison、Jonathan Tirone、Francois de Beaupuy
2022年2月10日 9:14 JST

電力卸売価格はコロナ初期の4倍に、ウクライナ情勢次第で一段高も
ドイツは年内に全原発を停止予定、フランスなど推進派との溝大きく

全ての原子炉を廃止する。2011年の福島第1原子力発電所の事故を受け、ドイツのメルケル首相(当時)が大胆な決断を下すと、反原発を訴える活動家らは歓喜に沸いた。

  誰も予測し得なかったのは欧州がその後、過去最悪のエネルギー危機に見舞われることだった。廃炉宣言から10年を経て、ドイツではすでにほぼ全ての原発が停止している。残りも22年末までに停止される予定だが、これは最悪のタイミングだ。

  電力の卸売価格は現在、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)初期に比べて4倍以上に急騰している。各国政府は電気料金の高騰に直面する市民や産業界を支える緊急措置の実施を迫られたが、ウクライナ情勢が一段と緊迫化すれば状況はさらに悪化する恐れがある。

  現在のエネルギー危機は、欧州における供給の脆弱(ぜいじゃく)性を露呈しただけでなく、原発を巡り文化的・政治的な分断が固定化され、域内で一致した将来像を描けていない現実も浮き彫りにした。

  ウッド・マッケンジー・グループのリサーチディレクター、ピーター・オズボルドストーン氏は「新設はもちろん、既存原子炉の稼働継続についてでさえ、欧州内で意見が一致することはないだろう」と話す。

  原子力発電の割合が欧州で最も高いフランスは、コロナ禍も一因で一時減退した原発の再生に動いている。英国はクリーンかつ安定した電源を求めて老朽化した原子炉を建て替える計画。オランダは増設を、ポーランドは新規参入をそれぞれ検討しており、フィンランドでは40年ぶりに新設した原発での発電が今月始まる予定だ。

  一方、ベルギーとスペインは時間軸こそ異なるものの、ドイツに続き脱原発の方針を掲げる。オーストリアでは1978年の国民投票で原発建設が否決された。

  原発推進派が主張するのは、カーボンニュートラル達成には原発が不可欠だということだ。原発はいったん建ててしまえば、天候に左右される風力や太陽光発電と異なり、電力を終始供給し二酸化炭素(CO2)排出もない。

  ただ、原子炉は建設に少なくとも10年はかかり、建設期間も予算もオーバーするリスクがある。2月末に発電が始まるフィンランドのオルキルオト原子力発電所3号機は稼働が12年遅れ、予算も数十億ユーロ超過した。さらに原発には、廃炉後の無害化に10万年かかるとされる放射性廃棄物の問題がある。

  ブルームバーグNEFの原子力調査責任者クリス・ガドムスキ氏は「気候変動への対応が国際的に求められ、カーボンニュートラル目標を掲げる国が増えているにもかかわらず、世界の原子力産業は出遅れたままだ」と指摘する。

  米ピルズベリー・ウィンスロップ・ショー・ピットマン法律事務所のパートナー、ビンス・ザビールスキ氏は「結局のところ政治だ」と指摘。「電気が止まり始めれば、人々は今と全く異なる見方をするようになるだろう」と述べた。

  欧州では今冬、計画停電が行われるリスクがある。供給懸念でガス・電気料金は過去最高の水準に高騰し、インフレも高進した。ロシアによるウクライナ侵攻リスクを巡る緊張は高まっており、リスクが現実になれば、天然ガス供給が途絶える可能性がある。欧州ではこれら全てが、ガスの海外依存を減らすべきだとの議論につながっている。

  欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のブルトン委員(域内市場担当)によると、増大する電力需要を満たし温暖化ガス削減目標を達成するには、欧州は向こう30年間に原発に5000億ユーロ(約66兆円)を投じる必要がある。同委は1月、天然ガスと原子力のプロジェクトの一部を持続可能な投資と分類することを認める方針を示しており、ブルトン氏の発言はこれを受けたものだ。

  「原発は非常に長期の投資であり、投資家はそこから利益を得られるという何らかの保証が欲しい」。国際応用システム分析研究所のエリナ・ブリュッチン氏はこう述べ、EUのような自由経済の下で原子力を存続させるには、投資家保護のための政策による支援が必要だと話した。

  そのような政策支援を得るのは既に難しそうだ。原子力を持続可能な投資先と判断する欧州委の方針に一部専門家が反発しているほか、長く反原発の立場を取ってきたオーストリアは同委を提訴する構えを示した。

  ドイツは年内に、今も稼働している3基を廃炉にする。同国は過去2年、温室効果ガス削減目標を達成できず、このタイミングでの原発停止は最悪だと一部の環境保護団体などから非難されているが、反原発を掲げる緑の党と組む新たな連立政権の下でこの方針が覆ることはなかった。

  再生可能エネルギーがドイツの電力供給に占める割合は21年時点で42%と、福島原発事故の前年である10年当時の3倍近くに高まった。しかし20年の46%からは低下しており、30年の再エネ比率80%を目標とするショルツ政権にとっては毎年、原発3基の発電量に相当する3ギガワット前後の再エネ発電所の新設が必要となることを意味する。

  一方、フランスではマクロン大統領が新たな原発政策に乗り出そうとしている。国内電力の約3分の2を原子力で賄う同国は、欧州最大の電力輸出国でもある。輸出先には反原発を掲げるドイツとオーストリアも含まれる。

  世界最大の原発運営会社であるフランス電力(EDF)は大規模原子炉6基の新設を認めるよう仏政府に求めてきた。費用は約500億ユーロと推計され、35年から発電が始まる見通しだ。

  ガス価格の高騰を受けてクリーンな電力自給の必要性が指摘される英国では、24年までに8基の原子炉のうち5基が老朽化で廃炉となる。26年にヒンクリーポイントC原発が完成予定で、英政府は総選挙が予定される24年までに別の原発建設についても最終判断する見通しだ。

  一つの解決策は、建設期間が短くコストも比較的安い小型モジュール炉(SMR)という選択肢だ。それでも安全性や安全保障上の規制は避けられないほか、時間の問題がある。「何に投資するにしても、今決めたことが実を結ぶのは30年代に入ってからになる」と、ウッド・マッケンジーのオズボルドストーン氏は指摘。「原発は今、欧州が直面しているエネルギー危機の解決策にはならない」と述べた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-02-10/R6WT2VT0AFB401
エネルギー政策は一旦間違うと修正までに長い時間を費やします。
今から原発を立ち上げても、欧州がエネルギー危機を脱するには10年以上必要な様です。
陸続きで電力を供給してくれる国を持たない日本は、早急にエネルギー政策を切り替えないと、EU以上の損害を被ります。

メンツを重んじる中共は、このまま再生可能エネルギー政策を爆進するみたいです。
長期停電が繰り返されれば、支持率が低下して落選の憂き目に合う先進国の政治家と違い、中共は独裁国家故に無謀なエネルギー政策を継続することが可能ですw

中国におけるエネルギー危機、風力発電発展の契機に
2021/12/7
https://esgjournaljapan.com/world-news/9596

中国の「再生可能エネルギー発電」急拡大の背景
電力消費量の約14%、発電設備容量の約26%に
2022/01/17 22:00
しかし再生可能エネルギーの比率がここまで大きくなると、発電量のバランスがひとたび崩れれば、地域レベルでの電力供給の不安定化や大規模停電を引き起こしかねない。「2020年末以降、(異常気象などが原因で)風力や太陽光による発電が1週間以上ストップするケースが各地で起きている。(抜粋)
https://toyokeizai.net/articles/-/502301
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