[FT]ノルウェーとスウェーデン、移民の予防接種に遅れ
2021年5月12日 14:44
オスロ東部にある青果店の外で買い物客に話を聞くと、北欧の政策当局が懸念する新型コロナウイルス感染症に関するパラドックス(矛盾)がよくわかる。ノルウェーとスウェーデンでは、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)で最も打撃を受けている人たちのワクチン接種が最も遅れているのだ。
50代のソマリア人女性は「ノルウェーはワクチンを禁止している。安全ではないのだろう。自分が予防接種を受けるかどうかは分からない」と語った。南アジア出身の別の女性も「オスロではまだ感染者数が多い。だがワクチンで亡くなる人もいる」と懐疑的だった。一方、母親と果物を買いに来た若いソマリア人男性はこう答えた。「私は予防接種を受けたい。おじが亡くなった」
高い移民の入院率
欧州の多くの国と同様、ノルウェーとスウェーデンでは移民コミュニティーがパンデミックの矢面に立たされている。ノルウェーで現在入院している人の半数は国外出身だ。パンデミックを通して、ソマリア出身者の入院率は生粋のノルウェー人の10倍にのぼり、パキスタン出身者に至っては20倍以上に達している。
だが、ノルウェー公衆衛生研究所(NIPH)の統計によると、75歳以上のノルウェー出身者はほぼ全員(95%)が1回目のワクチン接種を終えているのに対し、パキスタン出身者は3分の2、ソマリア出身者は3分の1しか接種を受けていない。
「心配している」。ノルウェーのソールバルグ首相は英フィナンシャル・タイムズ(FT)の取材でこう語った。スウェーデン公衆衛生局の疫学者、カリン・テグマーク・ウィセル氏は別のインタビューで、ワクチン接種率の低いグループは「クラスター(感染者集団)による感染拡大を引き起こし、一般集団よりも影響が長期化する恐れがある。非常に気がかりだ」と話した。
当局は、パンデミック下でこうした移民の被害が大きい理由も、彼らがワクチン接種に明らかに消極的である理由も正確には分かっていない。移民は大家族で狭い住居に暮らし、タクシー運転手や病院の清掃員など人と接触の多い仕事に就く傾向があるという説もあるが、政策当局は移民とノルウェー人との状況の違いがどこから来るのかは把握できていない。
血栓問題による使用中止が影響?
NIPHの研究者でソマリア出身のアブディ・ゲレ氏によると、英オックスフォード大とアストラゼネカ製や米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製のワクチンの使用が一時中止されたことで、ノルウェーの地域社会では多くの人の間でワクチンへの不信感が残ったという。専門家グループは10日、若者が接種後に血栓で死亡した例が数件報告されたことを受け、ノルウェーもデンマークと同様に両ワクチンの使用を完全に中止するよう提言した。
「アストラゼネカ製の禁止で若干の混乱が生じている。人々はアストラゼネカ製と米ファイザー製のどちらを接種するのか分からない。そうした知識や情報がなく、私に電話で『ワクチン接種をすすめますか?』と問い合わせてくる」とゲレ氏は明かす。
ゲレ氏のような人は、移民コミュニティーに手を差し伸べるノルウェーの取り組みにとって大切な存在だ。ソールバルグ首相は、当局が各民族グループ出身の医療従事者と緊密に協力していると強調した。また、ノルウェーがパンデミックの制御で成果を上げた背景には、当局に対する高い信頼があるが、一部の移民にはそれが当てはまらないかもしれないという見方も示した。
「他国の出身者の中には、異なる形態の政治制度に慣れ、権力者をあまり信頼せず、違った行動をとる人がいる可能性がある」と首相は述べた。
パキスタン系のアビド・ラジャ文化相は、インドとパキスタン、バングラデシュ出身者が新型コロナの重症化につながる遺伝子をもつ可能性が高いことが研究で示されたことを受け、一部の移民グループのワクチン接種を優先する案を打ち出した。だが科学者らは、これが民族間で首尾が異なっていることの有力な説明になるとはみていない。
欧州で最も感染率が高い国の一つ、スウェーデンも同じ状況に直面している。
公衆衛生局によると、アフリカと中東出身者の入院率は、2月半ばまでの時点でスウェーデン生まれの人の7倍にのぼった。
直近の統計によると、80歳以上のワクチン接種率はスウェーデン出身者の91%に対し、北アフリカ出身者は59%、サハラ以南のアフリカ出身者は44%だった。
コミュニティー内の啓発活動がカギ
スウェーデン地方自治体協議会のエマ・スプラク氏によれば、ワクチン接種を担当する地方自治体は、移民グループに対応するにあたっては、スウェーデン人に通常用いるのとは別の情報伝達手段を使い、優先的に対応するよう取り組んでいるという。
疫学者のウィセル氏は「移民は、特にパンデミックの初期に甚大な影響を受けたグループであることに注意すべきだ。(地方自治体が)組織だって社会の全てのグループに手を差し伸べなければならない」と付け加えた。
昨年春の第1波では、ソマリア人コミュニティー内での啓発活動が感染者拡大の抑制に役立った。ゲレ氏は、その時と同様に、情報提供を拡充することでワクチンの接種状況も改善すると期待する。ソマリア人は情報を口頭で、しかも当局からではなく信頼する人から受け取ることを好むという。宗教指導者らは、ラマダン(断食月)中にワクチンを接種することに問題はないと強調している。
ゲレ氏はまた、ノルウェーに住民登録したソマリア人高齢者の一部が生きている間に母国へ戻りたいと出国し、統計のゆがみにつながった可能性があるとみている。いずれにせよノルウェーは若年人口の割合が高いという。
ソマリア人にこの夏、旅行できる可能性を提供するという点で、ワクチンは「強力なインセンティブ(誘因)」になるとゲレ氏はいう。「これが、多くのワクチン接種をためらっている人々の背中を押す可能性が大いにある」
By Richard Milne
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM124DK0S1A510C2000000/
移住先の言葉が理解出来ず、デマに翻弄されて予防さえ満足に出来ない状況が、感染死亡者の数を増やしています。
日本は難民を基本的に入れず、移民も制限しています。
諸外国やパヨク系日本人は日本政府を非難しますが、残酷なのはどちらかと言えば、お手軽に移民難民を受け入れている欧米です。
不法移民を問答無用で追い返す為の入管法改正は、絶対必要です。
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