介護の中に垣間見える「民俗学」 高齢者の生い立ちは歴史の宝庫かも
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認知症を患った要介護要支援の高齢者、即ち介護施設の顧客たる利用者さん達は、ついさっきの事は記憶出来ていない(食事を摂ったのに[ご飯まだ食べてない]と言ったり…)事も多いモノの…過去の記憶、殊に10代20代の頃のそれは鮮明に覚えていたりするものだ。
そして今の80代90代の世代ともなると、あの激動の時代を生き抜いてきた人々。当時の生々しい話を色々聞くことが出来た。
前に勤めていた施設に入居していた当時90代の女性。残念なことに今は故人となったが、この方若い頃は中国東北部(旧満州)でやはり亡きご主人と共に手広く商売をしていて、当時は裕福な暮らしをしていた由。[モンテンルパの夜は更けて]の歌が大好きで、この曲を流すと
[この歌で当時日本人の捕虜が大勢解放されたのよ]
と教えてくれた。
[大陸の中国人はいい人ばかりだった]
等とも話してくれた。
終戦後はしかし全財産を失い着の身着のままでやっとこさ復員してきたがそれでも再び裸一貫から商売を立ち上げたとのこと。明治生まれのVitalityは半端じゃないと感じたものだった。
また、その前に勤めていた施設で接した高齢男性の利用者さんからは従軍経験の話を聞かせて貰った。南方戦線に出向いたが、幸い大きな戦闘に巻き込まれることなく現地の人とも仲良く平和に過ごせたと語ってくれた。別の利用者さん(高齢男性)は元南満州鉄道の技術者でやはり貴重な話をしてくれた。旧国鉄の機関区勤務だったという利用者さんに
[ではクロスヘッドの調整とかもされていたのですね]
と話を振ると
[おぉ、クロスヘッドを知ってるのかね]
と喜んでくれたこともあった。
*クロスヘッド…SLのピストンと主連棒を繋ぐ要の部品。
写真の赤丸の中にあるのがクロスヘッド
その拡大版
高齢者介護と言うときつい汚い危険重責低賃金など負のイメージが世間様には強いようだが、高齢者即ち人生の先達は知恵袋でもある。日々接することで色々教えられることも多いし、時には微笑ましい事、ほのぼのする事もあったりするものだ。
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