https://m.youtube.com/watch?v=9XUe0gGWZZs
「ICO」「ワンダと巨像」の開発チームが手がけたアクションアドベンチャー「人喰いの大鷲トリコ」をプレイしました、ご近所のお友達から借りて。
細かい説明は省きますが、プレイ画面を見ればゲーム全体に流れる空気感が過去作と同じであることはお分かりかと思います。
ざっくり言うとICOは古城を探索するゲームであり、ワンダは古城と戦うゲームである…ということを以前日記で書いたことがあります。
その流れで言うと、今回はハッキリと探索する方です。
ICO2と言ってもいいんじゃないか?ってくらい概要は同じな気がします。
ただ、ICOは女の子の手を握りながら探索を進めるゲームでしたが、今作は巨像のように巨大な大鷲に乗ったりしがみついたりしながら探索を進めるゲームです。
(大鷲といっても一般に想像される大鷲像とは相当かけ離れてますが)
本来はPS3でリリースされるはずだったのが開発が遅れている間にハードが移り変わってしまい、さらに時間がかかって結局7年も費やしたそうな。
その割に…と言っていいのか分かりませんが、プレイ時間は15時間程度と、結構コンパクトな仕上がりになっています。
さて、感想を書くにあたりレビューサイトとかも色々漁ってみたのですが、総じて書かれていることは3つにまとめられます。
1.世界観が素晴らしい!
2.トリコが超可愛い!
3.カメラワークがクソ、その他諸々クソ
大体この3つです。
私もほぼこれに尽きます。
不満点はもっと細分化出来ますが。
上2つの評価はもう揺るぎようがないと思います。
世界観についてはこのゲーム…というかシリーズ通しての世界観に惚れ込める人しか多分手を出さないんじゃないかと思うので。
トリコの可愛さはやれば分かりますし、説明が難しいので省きます。
1つ言うなら、露骨に“可愛さ”を押し付けてくる感じではないのが好感持てました。
結局はこのゲームのダメなところをどれだけ我慢出来るかによって、この作品の評価は大きく変わってくるのだと思います。
私はというと、正直かなり苦痛でした。
「早く終わらせたい」という思いでプレイしていた気がします。
では何が苦痛だったかを掘り下げていきます。
・クソなカメラワーク
屋内でのアクションが多く、ただでさえ狭い空間に巨獣が同居していればカメラの居場所がなくなるのは至極当然な話。
壁際で状況確認をしようとカメラを動かしても、壁やトリコの巨体に塞がれて何も見えない…ということがホント多かったです。
この問題点は対処しなかった、というより本当にどうしようもなかったんだろうな、というのは伺い知れるのですが、謎解きに集中したいのに出来ないというのはこの手のゲームにおいて致命的だと思います。
・敵との追いかけっこがストレスフル
ICOでは影のような魔物に女の子を連れさられてしまうとゲームオーバーになり、それを防ぐためにプレイヤーは影を追い払う役目を担っていたのですが、今作は立場が逆で、敵である「鎧」を最終的に倒せるのはNPCのトリコだけです。
プレイヤーは基本逃げ回ることしか出来ません(体当たりで怯ませる、とかは出来るけど)。
そして大抵の場合、トリコと分断された状態で鎧が立ち塞がってくるので、いかにトリコと合流するかということになるのですが、この鎧、足が早いので逃げ道を探したり対策を練ったりする余裕をなかなか持たせてくれません。
結果、一旦捕まりレバガチャで振りほどいてちょっとだけ前進、また捕まってレバガチャ…という作業の繰り返しになります。
これが心底面倒臭い。
鎧が画面に映ると一気に萎えてしまいます。
その分、トリコが来てくれた時は
「トリコ先輩!こいつらやっちまって下さいよ!」
と、完璧な子分プレイが楽しめます。
あまり楽しくないかも知れません。
・やらされてる感満載の一本道
狭い空間を抜けた先に広がる景色は本当に圧巻で、フィールドの広大さをまざまざと感じさせてくれます。
しかし、道筋は完全に決められており、巨大な翼と強大な跳躍力を持った大鷲が傍にいるにも関わらず、この世界を自由に移動することが出来ません。
もちろんゲーム性からしてそれは当たり前なことなのですが、非常にもったいない気もします。
もっと飛び回る楽しみに注力してくれても良かったんじゃないかと。
せめて終盤だけでも。
それはさて置き、舞台となる巨大な城には様々なギミックが仕掛けられていて、これも当たり前な話になってしまうのですが、あまりにも「少年と大鷲が協力することありき」な作りであるため、悪い意味でゲーム性が際立ってしまってる気がします。
「ゲームとしての仕掛けのために設計された城」ってのが、もうそれだけで世界観に浸ることを阻んでしまっているのです。
新たな謎解きにぶつかるたびにそれを再確認させられるので、どんどん「やらされてる感」が募り、しかもストレスも溜まっていくばかりなのでテンションは下がりますよね。
・進んでる感が希薄
苦労して探索を進めても、この城の出口がどこなのか、そもそも出口があるのかということすら最初の時点では分かりません。
一応出口が明示されないこと自体に物語的な意味があるので仕方ないところだとは思います。
思うのですが…要所要所でトリコの大ジャンプによるフィールドの移行が挟まれる点については、果たしてそれがゴールに近付いているのかどうかを確かめようがなく、結果「何だかウロウロしている」ように感じてしまいました。
差し当たっての目指すべき場所と、その理由付けくらいは提示されてても良かったんじゃないかな、と。
・ストーリーの開示が遅いので牽引力に欠ける
言いたいことは前段と同じです。
終盤に差し掛かるまでほとんどストーリーが進まないどころか開示すらされないので(故に積極的に感じ取っていく楽しみがあるにしても)、次に行こうという意欲が生まれにくいです。
進んでる感もないのだから、尚更もう少し段階を踏んで開示してくれた方が良かったと思います。
・劣悪な操作性により頻発する墜落死
これはICO、ワンダの時から相変わらず…といったところです。
まっすぐ前にジャンプしたと思ったら斜めってた、そして奈落へ真っ逆さま、ということが数え切れないほどありました。
特に今作は目が眩むような超高高度での綱渡りアクションからのジャンプを求められることが多く、もちろんミスれば死に直結するという本来緊張感の高まるシーンのはずなのですが、あまりに墜落死が頻発するせいでこれまた作業感が高まっていくのを感じました。
すぐにやり直せるのは良いことのはずなのですが、やり直せるからと開き直ってしまい、次第にどうでもよくなってくるのは痛し痒しですね。
以上、私がこのゲームを苦痛に感じた理由でした。
「なんか疲れるし、もう攻略サイト見ちゃおうかな」
そう思った瞬間が何度もありました。
軽い気持ちで感想を書き始めたら文句が山ほど出るくらいに不満が募っています。
しかし、このゲームのことを「つまらないゲーム」だとは思いません。
苦労はしたけど「良い体験が出来た」と今は思います。
本当に徹頭徹尾ストレスが溜まるだけのカタルシスも生じないゲームならこうはならなかったと思いますが、例えるなら2時間の映画の中で1時間40分までは盛り上がらないけどラスト20分のクライマックスはアガる…そんな感じです。
物語が動き出し、「終わりの予感」を感じられるようになってからはグイグイ引き込まれました。
その間も墜落死は相変わらず起きているのに。
思えば「やらされてる感」を持ちながらプレイしていた間というのは、ゲームの向こう側にいる制作者の存在を感じたくもないのに感じていたのだと思います。
それが、この世界の在り方が開示されたことによって遂にゲームの中の世界に没入出来るようになり、そうなってしまえば大好きな要素だらけですから、ストレス要素が気にならなくなったのかなと。
この辺の感じ方は人それぞれだと思います。
探索自体が好きなら至福の時間がずーっと続いていたのでしょうが、私はそうではなかった、というだけの話です。
そして訪れるエンディング。
最後の最後まで言葉で語られるものは少ないし、全ての謎が明らかになるようなものでもなかったのですが、非常に心地よい余韻を残して終えることが出来ました。
終わり良ければ全て良し…とまでは言えないにしても、苦労した旅路を振り返った時にトリコのことを懐かしく・愛おしく思い起こされるようになったのだから、やっぱり私はこのゲームを間違いなく楽しんだのだと思います。
散々文句言っておいてなんですが。
というわけで、私の感想をまとめると…
オススメかと問われれば、オススメはしません。
面白かったかと問われれば、キツかったと答えます。
でも、
やって良かったとは思ってるから、やってみたら?
と、興味を持った方には伝えたい。
そんな感じです。
以上、『人喰いの大鷲トリコ』の感想でした。
ログインしてコメントを確認・投稿する