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2018年08月29日07:35

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「自己決定」というきれいな言葉に幻惑されている人が多いという調査でもありますよね

 当人の話を聞くにとどまる調査は、当てになりません。「背中が痛い」という人の患部は胃だったり肝臓だったりすることがあるのと似ていると思います。

>「自分で希望を決めた」を選んだ人ほど幸福感が強く、逆に「全く希望ではなかったが周囲の勧めで決めた」を選んだ人ほど不安感が強い傾向がみられた

 因果があるかのように見えるけれど、因果関係はない調査結果だと私は見ます。
 「周囲の勧め」に従うほうがラク、不平不満をぶつぶつ言い続けるほうがラクで好ましいことだと感じている人がいるという解釈です。よって自己決定させることによって幸福度を上げることはできない。むしろ不幸の度合いを上げます。
 自分で決めて失敗することの不安感・恐怖感は現状を上回るだろうからです。

◆

日本人の幸福度、上げる鍵は
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=5264108

 学歴や収入よりも、自分の進路を自分で決める「自己決定度」が日本人の幸福感に大きく影響しているとの調査結果を、神戸大と同志社大の研究チームが28日、発表した。日本は国連の「世界幸福度報告書」で幸福度ランキング54位に低迷。幸福度を上げる鍵は「周囲と違う個人の選択を尊重すること」と指摘している。

 西村和雄・神戸大特命教授(数理経済学)らは2月、インターネットを通じて全国の20〜69歳の男女約93万人に調査票を配信。約2万人から有効回答を得た。約100個の質問への回答をもとに(1)収入(2)学歴(3)自己決定度(4)健康(5)人間関係−−の五つの要因が幸福感にどう影響しているかを分析した。

 その結果、健康と人間関係に続いて自己決定度の影響が大きかった。高校、大学の進学先や初めての就職先を誰が決めたか尋ねた質問に「自分で希望を決めた」を選んだ人ほど幸福感が強く、逆に「全く希望ではなかったが周囲の勧めで決めた」を選んだ人ほど不安感が強い傾向がみられたという。

 収入も幸福感を左右していたが、その影響度は自己決定度の約7割にとどまり、世帯年収が1100万円を上回ると幸福感は頭打ちになった。また、学歴による明確な差はみられなかったという。【阿部周一】

◆

(超耳)
 「自己決定をしない人は、不幸なのではなく、自分は不幸だというポジションを選ぶ人だ」という解釈のほうが私にはすんなり納得できます。
 だって、次の選択があったとき、彼らは今度こそ自己決定するんですか? しないんでしょう?
 だとしたら「不幸だ」「不運だ」というポジションを好んで選択しているんですよね。
 「誰かのせいで自分は不幸だ。自分もたしかに悪い、自己決定してこなかったから。でも自己決定できないもっとらしい理由はあるんだ。誰か私を理解して!」
 これなら、自己決定しなかったことを不幸の元と理解しながらも、今後もずっと自己決定しないことに説明がつきます。
 記事タイトルが「日本人の幸福度」なんて書かれているんですけど。自己申告の「幸福」なんてそんなものですよ。きっとぜんぜん当てにならないんですよ。似た例に「あなたはお金が足りていますか?」という質問があります。そんなことを聞かれたらかなり多くの人が「足りていない」って答えますよね。買いたいモノっていうのはいつも予算より高いんですから。

 つねづね言っていることがあります。
 「自由は厳しく、束縛は優しい」「不満のタネを見つけて不満を言い続けることに人生の大部分を置いている人がいる。それが心地良いから」「被害者になることで他人を攻撃すると身勝手な行為を咎められにくい」「なんらかの事件・事故の被害者となった人の側に立つそぶりで他人を攻撃するとやはり咎められにくい」
 という事実があります。これらはたしかにそうだし、無意識のうちに取り入れている人が多いことだといつも感じます。
 ただ、言葉にするとあからさまに「だからってまんま従ったらダメじゃん」とわかります。たぶん誰でも。
 そのため言葉にすることは憎まれることかもしれませんね。「あなたの心の中はこうですよね。ダメですよね。醜いですよね」と突きつけることになるから。
 でも突きつけないと、変われない。

 私が思う「人類の幸福度」を上げる方法は一つです。
 学ぶこと。
 上記の、「ダメじゃん」な実態から自由になるためには、その前に必ず学びの段階を経なければなりません。
 辛くても学ぶ。悔しくても学ぶ。その先にだけは幸福がありますよね。
 収入なんかで幸福がやってくるわけがありません。1100万円で頭打ちになるのも当然のことですよ。たぶん収入があると次の点では有利です。余裕が生まれて学びのチャンスが拡大することと、僅かな要素である物質的な充足が満たされること、それから重要なこととして、他者との差異感覚(=優越感)が得られること。でもそれってやっぱり違いとしてはわずかなことですよね。他の、もっと幸福の度合いの高まることがあって、その見劣りする代替になるということばかりで。たとえば能力の点、容姿の点、なんらかのセンスの点で差異感覚が満たされていれば、収入やそこから手に入る物品で差異を演出する必要がそもそもありません。

 自己決定は、ダメな人にとっては一番厳しい「自由」の最たる部分です。
 失敗したときに言い訳できないことは、成功体験の乏しい人にとってはきついことです。注意したいのですが、自由を忌避することは甘えではありません。100回の勝負で95回敗れる体験を持つなら、勝負自体が嫌なことになるのは当然のこと。
 自由によって容易には幸福になれない。むしろ不幸になるとわかっているケースでは、自由を忌避するのは賢いことです。甘えではないのです。
 甘えがあるのは一点だけ、学ばないことだけと私は主張したい。勝負で勝てる見込みのない人が勝負しないことは知恵です。ただし、そのずっと前に、自己決定という勝負に勝てる自分を作る段階で、「めんどう」「ダルい」という甘えに身を委ねたことがまずかったんですよね。どうして自己決定にしくじる自分を育てちゃったのさ?

 いつならやり直せたのかなあ、と想像します。
 就労年齢を過ぎた大人が学ぶことは、なかなか厳しいですよね。
 大人は耐えなければいけないことが多すぎると感じます。耐えているだけでもすごく偉い。学ぶ余裕が乏しいのも理解できます。まあ、乏しくても学ぶほかないんですけれども。言い訳ができればやらなくていいというものじゃないんで。
 やっぱり子どものうちに学びはじめて継続するのがベストだと思います。未熟であることが許されるうちだからです。大人になってからも、若ければ若いほど、自分自身の心からも自分の未熟を責められる度合いが小さいものです。

 「自由」「自己決定」はきれいな言葉です。それ自体を言葉に出した時点で否定されない類の言葉です。
 幻惑されると、みじめな人はますますみじめになります。
 束縛されたり、他人に強制されたりするほうがラクという重要な一面を忘れては判断を誤ると思います。
 それどころか、不案内な分野では自己決定するのではなく、その道の人に委ねるというのは賢いことです。また生きていく上で不可避なことです。もし私が何千万円かで家を建てるとして、すべて自己決定なんかしたら住めない家つまりゴミクズを世の中に生み出す確信がありますよ。素人だもん作れないもん! 自己決定した結果、土砂崩れしやすい場所を選んで住んでしまうかもしれませんし。
 きれいな言葉である「自己決定」に幻惑されない調査結果を導き出してほしいなと願います。

>神戸大と同志社大の研究チームが28日、発表した。(中略)幸福度を上げる鍵は「周囲と違う個人の選択を尊重すること」と指摘している。

 なんでさ。

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