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2018年07月10日18:13

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支那の報復関税で食料品が値上げw

中華料理も値上げ、早すぎた米国超える習宣言のツケ
編集委員 中沢克二
2018/7/10 5:50

 米大統領のトランプが怒ると中国9億の農民の食卓まで貧しくなる――。

 これは風が吹くと桶屋がもうかる式の与太話ではない。今や中国の広大な農村部に戸籍を持つ9億もの人々でさえ日々、食べる安い中国料理の必須食材を米国に頼っている。

 油で揚げた鶏肉を使う油淋鶏や辣子鶏、豚肉とキャベツを炒めた回鍋肉……。代表的料理の調理と食材にふんだんに使う食用油の相当部分は米国、ブラジル産など輸入大豆から作る。鶏肉、豚肉も同じ構造だ。養鶏、養豚の餌は輸入大豆から油を絞った安価な大豆かすが主流である。

■揚げ鶏など中国庶民食の値上げ必至

 味の決め手、豆板醤もソラマメだけではなく大豆なくしては作れない。先のメニューなら中国内での100%自給はキャベツぐらいだ。中国国家主席の習近平(シー・ジンピン)がトランプに対抗して米国産大豆に25%もの報復関税を発動した結果、中国内の食い物のコストが跳ね上がる。値上げで窮するのは中国の農民や一般庶民だ。

 もちろん大豆などを中国に売りにくくなった米国の農業地帯でも不満が高まり、トランプが票を失う可能性もある。これがまさにグローバル化経済時代の相互依存である。短期的な損得勘定で見れば、米中貿易戦争は最後には食い止められるはずだった。

 では、なぜ勃発してしまったのか。その大きな要因として、習近平がトランプに不用意に見せつけてしまった「鋭い爪」があげられる。

 「(2049年の)新中国建国百年を見据えてきた現代化建設を基本的に達成する目標を15年間ほど前倒しした」

 習近平の演説づくりにも関わるブレーンである中央党校副校長、何毅亭は昨年11月24日、東京・永田町の国会内で多くの国会議員らを前にあっさりと言い放った。日本でだけではなかった。世界各地で共産党幹部らが似た説明をしていた。

 この「15年間の前倒し」は、その1カ月前に北京で開いた5年ぶりの共産党大会で習近平が3時間半にわたって演説した中身の本質的な解説である。習は現代化建設を基本的に達成する期限について初めて2035年と明言した。

 これまで掲げてきたのは、建国百年が過ぎる2050年ごろに中国が過去の世界一の国として復興する大目標。それに向けて練られた超長期計画は、欧米の中国研究者から注目を集めていた。いわゆる「中国脅威論」の根拠にもなった。

 習は超長期計画をさらに15年間ほど前倒し、2035年に達成すると宣言した。つまり、自らの目の黒いうちに「米国を超えた世界一の中国」を実現するというのだ。まさに自分の超長期政権、絶対的な権力の確立という内政の論理から出てきた計画変更である。

 35年に習は82歳という高齢になっている。だが、この3月には中国憲法改正で「2期10年」としてきた国家主席の任期制限を撤廃した。体力さえ持てば鬼籍に入るまでトップにとどまることさえできる。

■爪を見せてしまった「15年間の前倒し」

 この時点で中国指導部は「15年間の前倒し」という急ぎすぎが招いたことの重大性に全く気付いていなかった。その後の米中貿易戦争の導火線に火を着ける重大発言になるとは思いもよらなかったのだ。問題は中国が長く隠してきた鋭い爪を内向きの事情からひけらかしてしまったことにある。

 「15年間の前倒し」は、トランプ政権が撤回まで要求している中国のハイテク産業育成計画「中国製造2025」の事実上の前倒し達成を意味している。米国がトップを走ってきた分野での知的財産権の流出を恐れるトランプ政権にケンカを売っているようなものなのだ。

 3年前に首相の李克強(リー・クォーチャン)を中心に「中国製造2025」をまとめた時点では「15年間の前倒し」は不明確だった。その後、「35年に経済的に米国に追い付き追い越す」という野望が加わる。49年には経済ばかりではなく軍事を含めた全てで米国を凌駕(りょうが)するという。

 中国側にも理屈はある。計画経済の名残がある中国の社会主義体制下では長期目標を国内で宣伝する必要がある。中国はなお五カ年計画をつくっており、その延長線上で「中国製造2025」も出来上がった。

 破綻した経済計画では1958年に毛沢東が打ち出した高度成長策「大躍進」が有名だ。当時、世界第2位の経済大国だったイギリスに「15年間(後に3年間に修正)で追いつく」と宣言。鉄鋼の大増産が計られたが、農村荒廃で2千万人超の餓死者を出し、最後は毛沢東が国家主席を辞した。

 その頃と今の中国は違う。中国経済は世界とつながっている。中国は既に図体のでかい巨象だ。その巨象が少しでも身体を動かすと周囲の動物は敏感に反応する。強いはずのライオン=米国も同じである。巨象=中国は余りに大きくなった身の丈に気付いていない。

 18年後、米国は総合経済力で世界一の座から滑り落ち中国が台頭する――。これを耳にしたトランプが看過できるはずはない。危機の米国を救うため「アメリカ・ファースト」を唱えて大統領に当選したのだから。

 しかも「15年間の前倒し」が世界に広まった時期も悪かった。昨年11月、北京での米中首脳会談で習がトランプに対米貿易黒字削減に向けて2500億ドルの巨額商談を約束した直後だった。案の定、それは口約束にすぎなかった。対米黒字はその後もどんどん増えていった。

 従来より前倒しで米国を追い越そうとするなら、身を削って対米黒字を減らせば目標は逆に遠のいてしまう。巨額黒字などから生まれる世界一潤沢な外貨準備こそ、中国主導の経済圏を形づくる新シルクロード経済圏構想(一帯一路)を支える資金の源になっている。

 収まらないトランプはこの春から攻勢に出る。昨年末は北朝鮮の核問題を巡って戦争の危機が迫っていた。中国の役割も大きいため我慢を強いられた。だが、シンガポールでの米朝首脳会談で情勢は微妙に変わった。戦争の危機が去った以上、トランプの選択肢は広がる。その一つが貿易での対中圧力だ。

 中国側にも突かれると痛い点は多い。中国は2001年末の世界貿易機関(WTO)加盟の決断で自由貿易体制から最大限の恩恵を受け続けている。にもかかわらず外資参入では分野ごとの厳しい出資比率規制のほか、技術移転の強制など様々なハードルを設けてきた。

■身構える中国指導部、報道も抑制

 最近、目立つのは巨額の政府系資金を調達できる中国企業が、技術力のある米欧企業を買収する動きだ。自動車、IT分野で顕著である。これこそが習近平の号令による超長期計画の前倒しを見据えた具体的な行動だ。買収や株式取得で手っ取り早く技術を取得できる。資本主義下の自由な米欧市場では資金さえあれば買収が可能だ。

 逆に米欧企業が中国企業を買収するのは困難である。中国当局の様々な規制に阻まれる。中国はWTO体制の恩恵を受けて世界第2の経済大国になったにもかかわらず、根本的な不公平が存在する。課題だった資本取引自由化にもなお後ろ向きだ。こうした姿勢は自由貿易体制とは相いれない。

 2035年に米国を経済で凌駕する――。爪を見せつける「習近平宣言」はいかにも早すぎた。しかもそれは中国の激しい権力闘争が絡む内政の論理から生まれた。長い前段の交渉が決裂し、貿易戦争が実際に勃発してしまったことで中国自身もそのツケの大きさに気付きつつある。

 中国料理の食材まで値上げになれば一般庶民の不満が高まり、その矛先が中国で事業を繰り広げる米企業などに向かいかねない。緊急事態に身構える中国指導部は、世論をあおらないよう国内の報道を今のところ抑えぎみにしている。対外的にも「爪を隠さぬ姿勢」をひとまず封印する可能性が高い。

 しかし、それは表向きにすぎない。5年に1度の共産党大会で決めた大目標を万一、撤回すれば習政権はもたない。「中国製造2025」を撤回できないのと同じである。中国の不可解な内政は今後、長く世界経済を左右し続ける。(敬称略)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32766680Z00C18A7000000/
米国の輸入品はハイテク関係の耐久消費財が主なので、日本などから調達可能です。
購入を先延ばしする事も出来ます

でも支那の場合は大豆等の農産品なので、ブラジルやカナダからすぐに調達することは不可能です。
食べるのを先延ばしなんて出来ませんw
しかも、支那が更に報復関税を掛ければもっと苦しくなるでしょう。

ツケは支那国民が払うわけで、景気が悪い時に踏んだり蹴ったりです。
長い爪を隠せば良いと日経は言うけれど、一度出した爪を米国が忘れてくれると考えるのはご都合主義じゃないでしょうかねw
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