■負の清算、名演説も後押し 仲正昌樹さん(金沢大学教授)
ドイツは欧州連合(EU)、ユーロ圏にいることで、もっとも利益を得ている国です。ドイツの経済力から見てユーロが相対的に低いおかげで輸出産業が助かる。東欧に工場を置いて安い労働力を求めることもできます。
この利益は、ナチスを生んだ反省を掲げてこそです。反省をやめたと受け取られれば、経済的利益を失い、集団安全保障にも影が差す恐れがあります。反省を怠ると、現実的な国益も損ないます。
例えば、ナチスの反省として始まった難民保護政策。原則を変えたと取られないよう、メルケル首相は巧みにバランスを取りました。重大局面で中道的安定感を演出するのはドイツ保守の伝統です。
戦後のドイツは、ホロコースト(ユダヤ人虐殺)という負の遺産を清算するために、ニュルンベルク裁判で問われた新たな概念「人道に対する罪」を引き受けました。犠牲者への個人補償を行い、フランスやイスラエルらの警戒感を解いた。ナチスと根本的に異なるとアピールして区切りをつけたことが、今日の国際的地位を支えています。
その点、日本は、天皇制などが存続し、新憲法は大日本帝国憲法の改正手続きに従って制定された。戦前の国家との連続性が残り、責任の焦点を当てにくい。「人道に対する罪」が東京裁判の判決文では使われなかった。ドイツとは戦争責任をめぐる取り組み、そして周辺諸国との関係に決定的な違いが生まれました。
ドイツが反省と区切りをアピールするのに言葉の力も大きく働いています。節目で要人が名演説を残しています。
戦後40年の1985年、ワイツゼッカー大統領の「荒れ野の40年」は、過去の責任を直視する反省の重さを示したことで有名です。ただし彼は「欧州のキリスト教的精神をドイツも本来共有していて、ナチス時代は逸脱したが、戻ろうとしている」ことも示唆しました。ドイツが欧州の中心に位置することを想起させ、ナチスとの決別と欧州回帰を印象づけました。
国内向けにもよく練られていた。ドイツ国民もずっと反省すればいいと思っている人ばかりではありません。そういう人も欧州の平和と繁栄に寄与し、尊敬されているドイツの姿を前向きに語られると納得しやすい。内も外も包み込む気配りの演説でした。
日本のアピールはうまくありません。そもそも、戦争責任の追及のされ方や周辺諸国との関係が根本的に違うからうまい発信をする必要がなかったのかもしれない。それでも日韓基本条約を結んだ佐藤栄作首相や日中国交正常化を実現した田中角栄首相が、気配りの行き届いた名演説をしていたら、過去の清算をめぐる国内外の状況は、その後大きく変わっていたかも、と思います。(聞き手・村上研志)
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なかまさまさき 63年生まれ。専門は政治思想史。著書に「日本とドイツ 二つの戦後思想」「ハイデガー哲学入門」など。
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上記は、今朝の朝日新聞に掲載された、「(耕論)求められるドイツ ヤン・テッハウさん、仲正昌樹さん、フォルカー・ペルテスさん」での金沢大学教授である仲正昌樹さんの「負の清算、名演説も後押し」の全文である。
このなかで仲正昌樹さんは、ニュルンベルク裁判で問われた新たな概念「人道に対する罪」が東京左伴捏使われなかったこと、そして戦後日本の統治機構として�狹傾沈��瓩�残されたことによって、日本ではドイツに比べて戦前に対する反省の度合いが曖昧になっていることを指摘している。
だから�狎鏝絅譽検璽爐�らの脱却�瓩箸��狎鏝紊瞭�本は日本ではない�瓩箸��狎鐐芦鶺↓瓩覆匹箸いΔ海箸鮴�治家が同道は発言し、そのことが隣国である中国や韓国との外交的、政治的問題になっているように思えるのである。
ドイツは、戦前の�爛淵船后Ε疋ぅ牒瓩叛鏝紊離疋ぅ弔鰐棲里剖菠未鬚弔韻討い襦�それに対して日本は�狎鐐阿梁臚�本帝国�瓩鉢狎鏝紊瞭�本国�瓩箸龍菠未�極めて曖昧である。この曖昧さが現代日本ニット悪影響を及ぼしていると考えるのである。
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