話題の「ラ・ラ・ランド」を観た。
ありきたりのボーイミーツガール映画であり、信じられないほどクラシカルなミュージカルであり、驚くほど21世紀感がないのに
なぜこんなにもグッとくるのでしょうか。
これ、もう作り手の「作戦勝ち」としか言いようがありません。2010年代の今だから成立した作品ですね。夢ばかりを描いて現実と乖離した昔のハリウッド映画をあえて現代に製作してシビアな現実と対決させる。それがこの映画の本質です。セブもミアもまさにクラシック映画の住人。言及して肯定する音楽や映画は、ほとんどが1940-1950年代のものです。対して、セブが意に反して職とする現代受けテクノ音楽や、iPhoneの着信、スマホのタッチ音はこの世界のノイズであり敵として描かれます。しかしエピローグで2人は初めて現実(現代)を受け入れるのです。この着地の素晴らしさ。2人は見事に人間的成長を遂げており、映画的カタルシスは満点と言えるでしょう。2人にとってのハッピーエンドは所詮夢かもしれない。でもそれは、尊く愛おしい。そんなことを教えてくれる作品です。確かに傑作!
…今の日本の若い観客がミュージカル嫌いでも、チャーリー・パーカーやジェームズ・ディーンを知らなくても、楽しめることは請け合い。願わくば、あの天文台が〈聖地巡礼〉の被害に遭わないことを(笑)
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