売れない作家、篠田良多は、今は興信所の探偵として糊口をしのいでいる。離婚した妻には未練タラタラで、妻が引き取った息子と月一で会うのが楽しみだ。清瀬の団地に住む老いた母にも心配をかけ、しっかり者の姉にも嫌味を言われ、いいところのない良多だが…
「海よりもまだ深く」。是枝さんの新作です。
何か大事件も奇跡も起きるわけじゃないのに、しっかりと主人公の変化する様を見せてくれる家族のドラマ。今回もセリフのやり取りに芝居くささが微塵も感じられず、実在感がハンパなかったです。かといってドキュメンタリー風ではなく、ストーリーに退屈さを覚えません。良多というキャラのダメなとこ良いとこ、すべてが中年野郎にとっては「あるある」で、胸がチクチク痛みましたね。説明セリフ、大仰な演技、嘘くささやオシャレ感、観客への媚び…などの邦画ダメポイントが皆無の良作と評価します。
…出来が良すぎるのが、むしろ欠点かなぁ。ツッコミどこが無い分、可愛げのない映画とも言えるかも。
それにしても、「アレ」という指示語の多用や「全国六千万のファンを敵に回す」のクダリなどなど、日本語ゆえの可笑しさがあり、日本人にしか楽しめないやり取りが多いんですよね。日本人に生まれて感謝、と改めて思ったりしましたよん。
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