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2015年10月03日12:10

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武内義範先生のことども

わたしが武内義範先生(1913-2002)のお名前を知ったのは、大谷大学に入学してまだ短期大学部仏教科に在籍していた頃だったと思う。

武内義範先生は京都大学名誉教授で、恩師西谷啓治先生が京都大学文学部哲学科宗教学の教授だったときの助救助を務め、西谷先生が戦後公職追放になっていた時期、ひたすら宗教学を守り西谷先生の復帰を待たれたことでも有名な先生であった。

わたしが武内義範先生のお名前を知ったのは、武内先生の主著である『教行信証の哲学』(教養文庫 弘文堂1941年)で、ヘーゲルの精神現象学における弁証法の論理を駆使して、親鸞教学における�犹梓蠹焼��瓩鯏�学的に解明した不朽の名著の著者としてであった。

武内義範先生は、浄土真宗の寺院に生まれ、京都帝国大学文学部哲学科で田辺元にヘーゲルの精神現象学を学び、『教行信証の哲学』で学位を取られた。その他、親鸞のみならず広く仏教に関する論文なども発表し、その業績は1999年法蔵館から『武内義範著作集全5巻』としてまとめられている。

しかしわたしが学生時代に武内義範先生の『教行信証の哲学』を求めて歩き回ったが、なかなか手に入らず、文学部哲学科西洋哲学分野に編入したからその本を手に入れたことがある。

そして実際にある学会で武内義範先生にお会いして、先生に何に学ぼうと考えていますか」と聞かれ、「親鸞の教行信証に学びたいと思います」と答えると、「あれは親鸞だけではなく、竜樹・天親・曇鸞・道綽・善導・源信・源空に学ばねばなりませんよ。大変ですよ。まあ、西谷先生からもあなたはとても頑張り屋さんだと聞いているので、大丈夫だと思いますが」と微笑みながらそう言ってもらえたことを覚えている。

武内義範先生の『教行信証の哲学』は恩師であった田辺元にも多大な影響を与え、田辺元の『懺悔道としての哲学』にも大きな影響を与えたといわれるほどの、日本を代表する世界的な宗教哲学者のお一人であり、禅仏教と増関係で語られることが多い京都学派の哲学において浄土真宗をベースにした宗教哲学研究を行われたことは評価されるべきであろう。しかし何故か武内義範先生に対する評価はあまりにも低い。それがわたしにとっては残念に思えてならない。
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