日本は「専守防衛」という摩訶不思議な国防体勢を採っております。
軍事の常識として「最大の防御とは攻撃なり」という事は、何もウェゲティウスやクラウゼヴィツの軍事論や戦争論をひも解かなくても一般常識として知られています。
例えば…野球を例にとると攻撃無しの守備だけで野球をするようなもので、ボクシングならばリング内に居る日本に対して、敵はリング外から何時でも攻撃出来る試合のようなもので、よほど膨大な軍事力の差を日本が持たない限り、必ず負けるルールなのです。
そこで、最近は「策源地攻撃も専守防衛の範囲とする」という考えが出て来ました。
つまりミサイル攻撃を撃ち落とすだけでは、きりがないので、敵のミサイル基地を叩くのも認めようとする考えです。これも憲法解釈の範囲内でなんとかやろうとする訳です。
憲法とは本来、その国家と国民を護る為に存在するものです。
従って各国では、その時々の事情や環境の変化に応じて、改訂を繰り返しています。
ところが占領軍が作成した日本の占領憲法は、改訂不能なほどの高いハードルがあり、それが日本では憲法を守ると国を護れないという、摩訶不思議な状態になっています。
国家と国民とを護るべき責任のある政治家が、何の責任も無い憲法学者の「違憲」という一部の認識に頼って、国民を護る事を放棄しようとしています。
あるいは、反日国や潜在仮想敵国の意向を汲んで、我が国の国防力が機能しないようにしようとしています。それで「軍靴の音が聞こえる」「徴兵制で息子を取られる」「戦争しようとしている」などとプロパガンダ・キャンペーンを繰り広げています。
戦争を呼び込もうとしているのは、むしろ彼らの方なのです。
日本を無抵抗のままにしておいて、敵の侵略意欲を増進させようとしているのですから。
日本は大陸と違って島国ですから、海の存在が防衛上の利点となっています。
しかし、奥行きの無い狭い国土ですから、一度敵の上陸侵攻を許してしまったら逃げ場が無く、国民には悲惨な結果が予想されます。
従って、敵の洋上での撃破が絶対に必要になります。
海軍力こそが最大の国防力の要になりますが、制海権を得るには制空権も確保せねばなりません。日本は攻撃力空母を保有していませんので、制空戦闘機は陸上の基地から運用する方法に限られます。地上の航空基地は動かせませんから、ミサイル攻撃などからの防空が大切になるのは当然です。
自衛隊が持つ戦力と云われるものは、イージス艦にせよ空母型のヘリコプター護衛艦にしろ、全て防御的な装備ばかりです。対艦ミサイルでさえ日本領土に侵攻して来る敵艦艇を迎え撃つ為の防御的な装備なのです。
それで、これまでは自衛隊の「盾」に対して、同盟国米軍の「鉾」という表現が成されてきましたが、米太平洋軍にしろ在日米軍にしろ、大統領命で応戦出来るのは2週間までとされ、それ以上の継戦には米国議会の承認が必要になります。
何等かの事情で、米国議会が米軍による継戦を認めなければ、日本がいかに危機に瀕していようとも、米軍は撤退せねばなりません。
ここが日米同盟の危うい所で、そのうち中国系の米大統領が誕生するだろうと予測されるなど、尚更危うい事になりかねません。やはり自国は自分で護る事の出来る準備は必要なのです。それと共に一国だけでない、複数の国との同盟関係が必要になります。
我が国には一つだけ優れた攻撃力を有しています。
それは…潜水艦です。しかも、潜水艦部隊は他国のものと比べても優越した能力を持っています。潜水艦自体の性能の良さと、冷戦時代からソ連潜水艦と駆け引き(実戦)を繰り返して来た海上自衛隊が持つノウハウと乗員の練度です。
常に実弾とミサイルを抱えて飛び立つ、航空自衛隊の長年のスクランブルにも同様の事が云えるかもしれません。平時とはいえ、何かの拍子に一発触発の危険とは常に隣合わせなのです。
《昭和42年からは水中での高速力を重視した涙滴型船型を採用した「うずしお」型、「ゆうしお」型、「はるしお」型が次々と建造された。更に平成5年からは部分単殻構造を採用した葉巻型船型となり現在に至っている。
その間鋼材、溶接技術等の進歩による潜航深度の増大、電池の性能向上、AIP機関の装備等による潜航持続時間の延伸、TASS及び側面アレイの装備、処理速度の向上等によるソーナー捜索・探知攻撃能力の向上、機器の低雑音化、制振合金、制振材の採用等による水中放射雑音の低減といった技術的進歩を経てきている。
わが国の潜水艦はその時々の作戦様相に応じて運用者の要求を考慮しつつ、様々な最新の技術アイテムを取り込み進化し続けてきており、その変遷の方向性を一言で言い表すならば、より強く、より長く、より静かにといえるのではないだろうか。(防衛省)》
原子力潜水艦を持つ相手に、電池で動く潜水艦で太刀打できるのか…
実は、通常動力型潜水艦へのAIP(非大気依存)機関の採用や、リチュウムイオン(Li-ion)電池の搭載等によって性能が飛躍的に高まりました。原潜の常に原子炉と水蒸気発生装置を動かし続けていなければならない騒音の問題とかが、近年各国海軍で通常型潜水艦を再注目する結果になっています。戦略原潜という核ミサイルを積んで長期間常に海中に身を隠す、報復核抑止力を担う潜水艦以外は、近・中距離での敵艦艇や対潜水艦を攻撃するには静粛性に勝るディーゼル・エリクトリック(+AIP)が有利とされています。無論、原潜の持つスピードや長期作戦継続能力は勝りますが、現在ではその差も縮まりつつあります。
(米)ヴァージニア級 攻撃型原潜 7925t 水中34ノット 最大深度457m
(英)アスチュート級 攻撃型原潜 7519t 水中29ノツト 最大深度300m
(露)ボレイ級 戦略型原潜 19711t 水中25ノット 最大深度450m
(中)商Shang級 攻撃型原潜 6096t 水中30ノット 最大深度230m
(日)そうりゅう型 攻撃通常型 4200t 水中20ノット 最大深度500-900m
いずれも各国の最新型潜水艦のデータだが、この中で唯一通常動力型の"そうりゅう"の場合、Li-ion電池に乗せ変えると1.5倍に能力アップされると云われており、水中30ノットに近づくと予想されます。
これまで採用されなかったのは価格の問題で、一隻当たり+100億といわれています。
今後建造される"そうりゅう型"28SSはディーゼル機関+Li-ion電池+(燃料電池)となって、場所を取り低出力のAIP機関は廃止される予定です。
潜水艦、特に海自の潜水艦のデータはなかなか出て来ないのですが…
そうりゅう型へのLi-ion電池搭載によって、連続潜航期間もこれまでの2週間から「格段に伸びる」(防衛関係者)とされています。これも米国筋からの情報ですが、現在でも海自潜水艦はバシー海峡までパトロールを実施しているとされています。我が国の周辺にはチョークポイントと称される海峡が多く存在し、こうした所が海自の攻撃型潜水艦にとって格好の狩り場となります。
次回は海上自衛隊潜水艦の攻撃力と次世代潜水艦についてです…
<つづく>
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