「イコモス」によって、世界文化遺産への「登録」が勧告されました。「登録」は4段階の評価の一番上位で、世界遺産委員会での登録採択が確定的になったと考えてよいようです。長年にわたり世界遺産登録に向けて運動をしてこられた地元関係者の喜びは大きいと思われます。
登録されれば、奈良県は他県にまたがるものも含めると4つの世界文化遺産を有する県となり、日本最多になるそうです。
飛鳥・藤原京は「廃都」であり、古墳や埋蔵物以外に有形の遺構は限られています。特に飛鳥時代の宮跡については、所在地すら史実と同定できていないものが多々あります。寺院も多くが廃絶して失われ、現存するものも当時の規模とは比べようもないこぢんまりとしたものになっています。藤原京にいたっては柱跡が復元されているほかは大部分が草原か砂利地です。
博物館などのガイダンス施設も充実しているとはいえず、比較的大きいのが万葉文化館の1階展示室でしょうか。(平城宮跡も登録後に朱雀大路周辺などにあれこれ施設ができたので、時間をかけて充実させていくのでしょうか。)
世界遺産になれば国内外から多くの観光客が訪れることが予想されますが、来訪者をがっかりさせない工夫が必要になりそうです。明日香村内は道が狭く、観光客のレンタサイクルが田畑の間の農道を往き来するような状況ですから、地元民の生活に悪い影響がないか気がかりではあります。
そしてもう一つの課題が宿泊の受け入れです。最近は橿原市に大きめのホテルができていますが、世界遺産を求めてやってくる来訪者に見合う施設が用意できるでしょうか。先に世界遺産登録された奈良市内や斑鳩についても特に団体客は京都観光のついでや大阪宿泊で日帰りといった行程が少なからずあり、地元での消費額が少ないという課題があるときいています。
自分の中では広義での「飛鳥エリア」は「日本の原風景」と思っていますので、世界遺産登録が単なる観光振興にとどまらず、良い意味での文化資産の価値向上につながって欲しいと願ってやみません。
■「飛鳥・藤原の宮都」世界文化遺産に登録へ 飛鳥時代の19遺跡から構成 キトラ古墳や高松塚古墳など 日本の世界文化遺産としては22件目
(TBS NEWS DIG - 06月06日 17:56)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=266&from=diary&id=8816686
TBS NEWS DIG
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2714517?display=1
写真:高松塚古墳 2019年撮影
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