中国の地方債務2900兆円に膨張 25年の債券発行最大、デフレを助長
為替・金利
2025年12月2日 5:00
中国の地方政府の債務膨張が止まらない。不動産不況で土地が売れないなか債務依存を強めており、今年の地方債発行額は過去最大となった。政府系企業「融資平台」が抱える債務を加えると債務残高は2900兆円にのぼる。低金利で危機を封じながら債務を増やして問題を先送りする手法は、デフレを長引かせるリスクを伴う。
「地方政府に5000億元(約11兆円)の枠を手配した」。10月中旬、中国財政省は追加の債務拡大を容認する通達を出した。地方が抱える負債や未払い金の圧縮、投資プロジェクトに充てるという。同省幹部の李大偉氏は「各地はまさに早期の債券発行、早期の消化、早期の効果発揮に注力しているところだ」という。
みずほリサーチ&テクノロジーズの月岡直樹・主任エコノミストは「財政省はこの時期、景気が勢いを欠くと翌年分の前倒し発行に取り組む」と指摘する。25年の地方債の発行額は11月末までに10兆元を超えた。24年通年(9兆7000億元)を上回り、年間発行額は過去最高を更新した。地方債の発行残高は54兆元に達した。
地方債の発行増には複数の要因が絡む。一つは不動産市況の落ち込みによる地方の収入減だ。25年1〜10月の地方政府による土地売却は2兆5000億元弱にとどまる。もっとも多かった21年は通年で8兆7000億元を超えていた。
中泰証券の由子沛アナリストは「購入者がいないなど土地売却の入札が成立しなかった案件は1割を超える」と指摘し、市況はなお調整局面にあるとの見方を示す。25年通年の土地売却は3兆元ほどになる見込みで、ピークからの「歳入減」は5兆元を超える。
地方債の発行が増えているもう一つの理由が「隠れ債務」問題だ。隠れ債務は、地方政府傘下の投資会社「地方融資平台」が社債発行などで調達した資金を指す。
融資平台の債務残高に厳密な統計はない。中国の情報会社DZHのデータをもとに、融資平台約4000社の有利子負債を合計したところ24年末時点で87兆元だった。地方債(24年末で47兆元)と単純合計した円換算は2900兆円にのぼる。
融資平台の債務は、国際通貨基金(IMF)の24年時点の推定では65兆元だった。数字に開きはあるが、地方政府が60兆〜80兆元のオフバランス債務を抱えているとの見方は一般的だ。
債務が多くとも利益が出ていれば存続は可能だが、全体の1割近くが最終赤字に陥っているなど融資平台の収益性は低い。自己資本利益率(ROE)が4%を上回るのは全体の3%にとどまる。
24年12月期の純利益合計が約5500億元だったのに対し、受け取った補助金は1兆元を超えた。補助金を差し引くと最終赤字の企業は5割近い。低採算のインフラ整備を担うとはいえ、補助金で赤字を埋め合わせていては債務圧縮への道のりは遠い。
巨額の債務を抱えているにもかかわらず、融資平台の資金繰りが続いているのは政府による暗黙の保証と、長引くデフレによる低金利が背景にある。習近平(シー・ジンピン)指導部は24年秋、融資平台の債務を地方政府に付け替えるため10兆元の地方債増発を認めた。融資平台発の金融危機は避けたいとの意向は強い。
北京市傘下の融資平台が発行する社債の平均金利は25年に2.1%と、21年に比べ1.4%低下した。低下幅は中国国債とほぼ同水準だ。景気低迷を支えようとする中国人民銀行(中央銀行)の金融緩和が地方財政を支えている。
ただ、デフレは債務問題の先送りには適していても、解決へのハードルは上げてしまう。
財政の安定性を判断する指標として「ドーマー条件」がある。名目の経済成長率が名目金利を上回っていれば、財政の持続可能性は損なわれにくいとの考え方だ。ニッセイ基礎研究所の三浦祐介主任研究員は「中国の名目成長率は3%台に向け低下しつつあり、2%弱の名目金利との差は縮まっている」と話す。
日本と同様、中国の政府債務も大半が自国通貨建てだ。大規模な経常黒字を抱え、近い将来に地方債の買い手がいなくなるとは考えにくい。だが財政悪化は中国政府も自覚している。大規模な支出は控えるようになっており、需要不足からデフレが長引く可能性は高まっている。
(張勇祥)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB162B90W5A111C2000000/
とうとう日経が出しちゃいました^^;
名目経済成長率が名目金利を上回っていれば、金利分の返済が可能で、何とか命脈を保てますが、今ギリギリのところです。
これから高齢化社会を迎え労働者が足らなくなります。
30年デフレに突入するでしょうw
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