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2025年03月24日14:18

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米軍がアジア諸国から撤退する恐れあり

米軍、アジアでも削減の影 欧州苦境は明日の日本
本社コメンテーター 秋田浩之
2025年3月24日 10:00

米欧同盟の亀裂が深まっている。ウクライナ侵略を続けるロシアへの対応のズレがきっかけだが、同盟関係に不信感を抱いているトランプ米大統領の姿勢が根っこにある。

米国には従来のような防衛を頼れないとの認識が広がり、欧州の主要国は自主防衛力の強化に動く。日本や韓国、オーストラリアといったアジアの米同盟国は、どう受け止めればよいのか。

くすぶるトランプ氏の不満
アジア各国の外交・安保当局者らの間では、2つの反する見方が交錯している。第一は、トランプ政権は中国への警戒感が強いため、アジアの駐留米軍は減らさないという予測だ。欧州への関与が減れば、アジアへの戦略シフトが速まるとみる向きもある。

もう一つの見方は、全く逆だ。米国は国内の課題を最優先し、海外への軍事関与を減らしたがっている。欧州より重要度が高いとはいえ、アジアも無傷ではすまないという分析だ。

米政権内から漏れてくる情報を総合すれば、アジアは後者の前提に立つのが賢明だ。トランプ氏は経済問題で中国に厳しいが、軍事では必ずしもそうではない。同国の習近平(シー・ジンピン)国家主席を、親しい友人ともみなす。

過去の米政権は民主主義や米国の地政学上の利益を守るため、巨額の軍事費を注いでアジアに部隊を張り付けてきた。だが、トランプ氏にはそうした決意は乏しい。むしろ欧州と同様に、日韓も米国の防衛にただ乗りしていると憤っている。

「米国は日本を守らなければならないが、日本はどんなことがあっても米国を守る必要がない」。トランプ氏は3月6日、ホワイトハウスでこうこぼした。

台湾への不満も根深い。米国に防衛を頼りながら先端半導体で世界シェアを広げ、米産業界に大きな被害をもたらしてきた――。これが彼の台湾への認識だ。トランプ氏やバンス副大統領は台湾をお荷物と考えるだけでなく、反感を胸に秘めている。

在アジア米軍をめぐり議論
すでに米政権の深部で不穏な兆しがある。アジアにこれほどの米軍を展開しておくことが、果たして必要なのか……。内部の議論を知る元米政府高官らによると、ホワイトハウス内では一部側近からこんな意見が出ている。

こうした議論を主導しているのは、米軍の対外関与に冷ややかなバンス氏ら国内優先派の勢力だという。元高官は「アジアに米兵力を前方展開し、米国の国益を守るという戦後の基本路線が崩れかけている」と話す。

もっとも、米国防総省や国務省では、在アジア米軍の削減に反対の声が強い。対中強硬のルビオ国務長官も、同じ立場に違いない。米議会にはアジア関与を増やすよう求める動きもある。

しかし、来年秋の中間選挙に向けて、トランプ氏が耳を傾けるとすれば、ルビオ氏よりもバンス氏の方だろう。選挙に勝つには、米国ファーストを求める支持者の期待に応えていかなければならないからだ。

「いけにえにされる恐れ」
南シナ海で中国とぶつかる米同盟国のフィリピンも、米側に見捨てられる不安を募らせる。3月7日、日本の国際交流基金などが現地開催し、米国や日本との安保協力を話し合う会議があった。そこではフィリピンのロメル・ジュード・オン元海軍副司令官の発言に、室内の空気が張り詰めた。

「中国軍の海洋進出がこのまま勢いづけば、インド太平洋の兵力を米軍が縮小する可能性も視野に入れなければならない。最悪の場合、トランプ氏と習氏が共存共栄の道を選び、フィリピンが生け贄(いけにえ)の羊にされる恐れがある。そんなシナリオに備えたプランBが必要だ」

フィリピン軍幹部によれば、米中接近によってフィリピンが孤立する危険について、軍内でもひそかに議論が交わされている。

むろん、アジアで米軍が削減されるとしても、欧州よりは小幅になるだろう。それでも影響は甚大だ。アジアの米同盟国は対策を急がなければならない。第一に、在アジア米軍を減らした場合、米国の国益にもたらす悪影響をトランプ政権に説明することだ。

説教するような態度が逆効果なのは言うまでもない。米軍の駐留が細くなれば、偉大になるのは中国であって、米国ではない。具体的なデータを示し、こうした分析を伝えることが大事だ。

欧州では「核の傘」議論も
次に、米軍の関与を息切れさせないため、各国が格段に防衛力を高めることも必要になる。2027年までに防衛予算を2倍にする日本の方針は、在アジア米軍の水準が保たれる前提に立つ。この想定が揺らぐかもしれないなら、計画も再考せざるを得ない。

第3に、米国以外の友好国との安保協力をより深めることだ。日豪比やインド、欧州を交えた共同演習はすでに実績がある。このペースを速め、域内に有志国による安保網を広げることが肝心だ。

それでも米軍が本格的にアジア駐留を削った時、日韓豪やフィリピンで空白を埋めるのは極めて難しい。中国は日本の約4倍の国防費で、兵力も圧倒する。

万が一、米軍の支援を当てにできない日が訪れたら、中朝ロの核ミサイルにさらされる日韓は核抑止力をどうするかも課題になる。

すでに欧州では独自の「核の傘」の議論が始まっている。今日の欧州は明日のアジアかもしれない。残念ながら、そんな時代になってきた。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD203TI0Q5A320C2000000/
自主防衛しないと、中露に占領されそう^^;
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