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2024年12月10日08:27

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日本同様エネルギー政策に失敗したドイツ経済は破綻寸前

「脱原発」したけれど ドイツ、エネ高騰で経済大減速
エネルギーの新秩序・国富を考える(1)
2024年12月10日 5:00

激変するエネルギーの未来図をいかに先取りし、生存戦略を描けるかが国家の命運を左右する。エネルギー改革を怠り国富の流出を止められない日本は、世界の奔流から取り残されかねない。

ドイツの南部バイエルンで8月、高さ100メートルを超える巨大な塔が崩れた。2015年まで稼働していたグラーフェンラインフェルト原子力発電所の冷却塔だ。運転期間は33年。まだ余力を残しての解体だった。

ドイツは23年4月、全原発の運転を停止した。脱原発をめぐり世論は二分していたが、環境政党「緑の党」と連立を組むショルツ政権が異論を押し切った。冷却塔の爆破は脱原発を後戻りさせない覚悟の現れだった。

だがドイツの電気代は高い。自動車産業向けの平均電力料金は1メガワット時あたり190ユーロ(約3万円)。ウクライナ侵略でロシアの液化天然ガス(LNG)供給が途絶えた直後に比べれば下がったが、まだ米国の2.7倍、中国の2.1倍だ。

「立地コストが高すぎてドイツ経済は行き詰まっている」。ドイツ商工会議所のマルティン・バンスレーベン最高経営責任者(CEO)は電気代高騰を危ぶむ。独企業の3分の1が国内拠点への投資削減を計画しているという。

独フォルクスワーゲンも「最大のタブー」(ダニエラ・カバリョ従業員代表)に直面する。創業以来初の独工場閉鎖の瀬戸際だ。同社は10月末、3カ所の国内工場閉鎖と10%の給与減を示した。

「この1年で工場の生産量ががくんと落ちた。24年間働いてきて初めての経験だ」。独北部ハノーファー工場の従業員(46)はこぼす。夜勤がなくなり、臨時社員は会社を去った。

野村浩二慶応大教授によると、ドイツの化学・鉄鋼などエネルギー使用が大きい産業の生産量は過去2年で2割減った。穴埋めするのは中国だ。

環境規制・コストが低い国に生産が移転する「カーボンリーケージ」が起こっていると野村教授は指摘する。ドイツが脱炭素を進めても他国が代わりに炭素を出すため、地球全体では排出削減につながらない。

「脱炭素の野心に比べて産業政策が不足している」。欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ前総裁は9月、戦略なき脱炭素に危機感を示した。気候変動対策を優先し電気自動車(EV)を推奨した結果、中国勢にシェアを奪われた。

必要なのは現実的な解を探るアプローチだ。

米首都ワシントン近郊の空港のそばに白く巨大な建物がずらりと並ぶ。世界のデータの7割を扱う数百施設による「データセンター通り」だ。

生成AI(人工知能)は大量の電気を食う。「Chat(チャット)GPT」の応答1回に使う電力量はグーグル検索の約10倍とされる。電力の安定確保が不可欠だ。

米マイクロソフト(MS)が目を付けたのは廃炉原発だ。東部ペンシルベニア州の川の中州にあるスリーマイル島原発。2号機が79年、商用原発で初の炉心溶融(メルトダウン)事故を起こし、無事だった1号機も2019年に廃炉になった。

MSは1号機を再稼働させて電力を20年間買い取る契約を結んだ。原発を運営する米コンステレーション・エナジーは4年間で約16億ドル(約2400億円)を投じ、大型変圧器などの老朽設備を更新する。同社発電部門トップ、ブライアン・ハンソン氏は「AIのために基幹電源が必要だ」と話す。

脱原発の潮流にテック大手が待ったをかけた。MSは米非営利団体と組み、数年かかる原発の許認可申請書づくりをAIで数日に短縮できる技術を開発した。米グーグルやアマゾン・ドット・コムも米原発開発企業に投資する。

日本は戦略を欠く。

「本格的な量産開始には、質・量ともに安定的な脱炭素電源の確保が欠かせない」。北海道千歳市の新工場で27年の次世代半導体量産を目指すラピダスの小池淳義社長は10月、武藤容治経済産業相に訴えた。

同工場はロジック半導体として世界最大規模で、消費電力は道内の1〜2割ほどを占める見通し。ラピダスが想定するのは福島原発事故を受けて12年間運転停止する北海道電力泊原発だ。「ラピダスの競争力は泊原発の再稼働にかかっている」(経産省幹部)

電気代が安い米国や韓国、台湾と比べ、日本の半導体工場との電気代の差は「10年間で2000億円近い」(電子情報技術産業協会)という。

量産開始に再稼働は間に合うのか。北電の斎藤晋社長は「かなり意識している」と話す。

玄海、川内両原発が再稼働した九州には台湾積体電路製造(TSMC)など半導体関連産業が進出する。電気代は日本で最も安く、23年度は北海道より3割安価だった。

日本は震災前に原発54基が稼働していたが、再稼働したのは14基。輸入した化石燃料費は23年だけで26兆円にのぼり、自動車や機械の輸出で稼いだ貿易黒字の大半を打ち消した。エネルギー自給率は先進国で最低水準の15%にとどまる。

トランプ次期米大統領は選挙戦で「掘りまくれ!」と化石燃料の採掘強化を訴えた。世界はエネルギー戦略と国内産業の両立にしのぎを削る。どっちつかずで国富を垂れ流す日本の悪癖には、どうすれば終止符を打てるのか。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0535R0V01C24A1000000/
>電気代が安い米国や韓国、台湾と比べ、日本の半導体工場との電気代の差は「10年間で2000億円近い」(電子情報技術産業協会)という

中共から出て行った外国企業が本国に戻るのに対して、日本企業が中々戻らないのは、電気代が高いからです。
日本はドイツの後追いになりそう^^;
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