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2022年03月17日21:57

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JUDGE EYES:死神の遺言

キムタクが如く、ことジャッジアイズを先日クリアしたので感想を。

まず前提として自分は「龍が如く」シリーズを一度もプレイしたことがありません。
評判の良さは常々聞いてはいたものの、何となく「ヤクザが主人公のゲーム」であることに抵抗を感じていたのがその理由かも知れません。

別にゲームの主人公が清廉潔白であるべきだなんて思いませんし、実生活で本職の方から被害にあったわけでもないのですが、どうにもフィクションとして没入するには生々しいテーマに思えるのです。
これが海外のマフィアものであれば少なくとも自分にとってはファンタジーとして処理出来るのですが、よりによって舞台が神室町こと歌舞伎町なのでより生々しさを補完してしまっています。
ちなみに自分は最初に就職した会社の定期圏内に新宿があり、休みの日に歌舞伎町に足を伸ばすこともちょくちょくありました。
ただ、やっていたことと言えば映画見に行くかゲーセンに行くかラーメン二郎に行くか、くらいでした(そういえばカラオケのオフ会に参加したのも歌舞伎町でした)。
いわゆるいかがわしい系の店に一度として足を向けなかったのは、バックに怖い存在がいるのを感じ取っていたからなのかも知れません。

そんなわけで、自分が忌避していた要素を前面に打ち出してくる「龍が如く」シリーズには苦手意識を抱いており、何ならこれをローンチタイトルとしてプッシュするPS4もどうなんだ?と疑問を抱いていたりもしました。

そんなモヤモヤとしたものを根底から覆す超現実の存在、それがキムタクでした。
何でしょう、キムタクという実在の人物が投入されるだけで何故かリアリティが増すどころか、むしろリアリティラインがグッと下がったような気がするのです。
別にキムタクは故人でもなければ空想上の生き物でもないのに、存在そのものがファンタジーというか、浮世離れしているというか。
あと、如何ともし難い視線集中力というか、何か引き込まれるものがやっぱりあるなぁ…と(すごいファンみたいなこと言ってますがそんなことないですからね)。

そしてキムタクを中心に周囲の全てがドラマ仕立てに見えてくるのです。
これ微妙なところなのですが、本来現実味・緊張感・臨場感が増す方が基本的には良いこととされるのに、キムタクの存在によって『安心できる作り物感』が増幅される効果があったのかなと。
もちろんゲームなんだからそもそもが作り物なのですが、例えるなら「龍が如く」に感じていたハードルの高さというのは任侠もののドキュメンタリーを見るくらいの感じで(絶対そんなハードな内容じゃないのは分かるんですけどね)、一方の今作は『超豪華なキャストが配されたテレ朝の深夜ドラマ』くらいの印象でした。
ドラマとしてのジャンルが違うのももちろんですが、同じ舞台でこうも印象が変わるものかと振り返ってみても不思議なものです。



ゲームについて全然言及してませんでした。

主人公・八神隆之(キムタク)は弁護士として成功を収めた矢先、とある事件によって弁護士人生に幕を下ろす。
その後、神室町で元・松金組のヤクザ・海藤とともに探偵事務所を開き、街の厄介ごとを請け負う何でも屋として活躍していた。
そんなある日、『両眼を抉られたヤクザの死体』が立て続けに発見される。
八神達は次第に猟奇殺人事件の真相に迫ることとなり…。


というのが導入部分のお話。
まず注目すべきは今作のキムタクのスペック。
ヤクザの組長に育ててもらい、その筋のツテもあり、弁護士になれるくらい頭が良く、元カノは検事で今も別にまんざらでもなく、その上腕っぷしに関しては「喧嘩が強い」なんて表現では納得がいかない程の拳法の達人。
そしてルックスと声はキムタク。

色んなタイプの主人公を見てきましたが、超絶金持ちとかスタンド使いとか巨大ロボットのパイロット適性持ちとか、そんなものが霞む程に自分はこのスペックこそが最強な気がします。
現実を生きる日本人としてこれ以上望むものがあるでしょうか?
いや、もちろん良いことばかりではなく、今作のキムタクは過去に相当凄惨な事件に巻き込まれて不幸な身の上ではあるのですが、神室町を闊歩するのに必要な要素は何から何まで揃っていると言えます。

そんなキムタクを操作し、時に行方不明になった猫を探し、時にラブホで張り込みをして不倫現場を抑えたり、チンピラをシメてみたり、借金を取り立てたり、ヤクザをシメてみたり、死体遺棄現場を調査したり、ドローンでヤクザの事務所を偵察したり、依頼人のカツラが風で飛ばされたのを追いかけながら「ちょっ、待てよ!」と聞き覚えのあるセリフを吐いてみたり…と、出来ることはとてもじゃないけど書き切れません。
大小様々なミッションをこなしつつ、お金を貯めたりスキルを増やしたりしながらメインミッションである連続殺人犯・モグラの正体を探って行く…というのが本筋。

また神室町には様々な人物(フレンド)がそこで生活しており、その人達と信頼関係を築くことで仲間を増やしていくというのが本シリーズとの違い(らしい)です。
キムタクは街をうろついているだけでも次々と悩みを持ちかけられます。
客足が伸びない、画期的なキャンペーンが思いつかない、料理の味見をしてほしい、板前用語を教えてほしい…などなど。

こういった細かいオーダーをこなしていくことで信頼関係が築かれ、街の評判が上がり、新たな依頼に挑戦出来るようになります。
また、各店員さん達がバトル中に助けてくれるようにもなります(熱々のおでんを投げ渡してくれる等。もちろん敵の口にぶち込みます)。

今作を面白く感じた要因の大部分は圧倒的なキムタク感なのですが、このフレンド周りと、オープンワールドゲームとしては決して広くないマップの構成が効いていたんじゃないかなと思います。
というのは、オープンワールドゲームって広大なフィールドを楽しむ良さもある一方、行き先が分からなくなったりゲーム的に意味のないオブジェクトもそれなりにあったりで、フィールドを完全には楽しめないこともままある気がするのです。
具体的に言うと、自分にとってはマーベルズ・スパイダーマンがそんな感じでした。

その点ジャッジアイズは歌舞伎町限定なので、徒歩で行き来するのも苦にならない程度の規模感。
ファストトラベル(タクシー)もイベント発生時以外使うことはなかった気がします。
チンピラを蹴散らして現金巻き上げるのも大事な仕事だし、目的地までの道中もそれなりに楽しかったです。
そしてイベントで何かアイテムが必要になった時も「あぁ、それならあの店に行けば手に入るな」とかが自然と分かるようになってくるのは、そこそこの規模の街に慣れ親しむことが出来たからだと思います。
ゲーム的には超面倒くさい京浜同盟の幹部連中とのバトル(定期的に発生するイベント)も「焼肉屋のキムさんが困ってるって言ってるし、放っておけないか」と、いつの間にか世界観に浸かって対応している自分がいました。

キムタクとして歌舞伎町のHERO(検事ではありませんが)になれる、このゲームの醍醐味はここだと思います。

法廷パートやそこに至るまでの証拠集めも逆転裁判みたいで面白かったですね。
そしてストーリーも次が気になる作りでグイグイ引き込まれました。
冷静になって考えるとかなり力技な脚本だとは思いますが、ピンチとカタルシスがちゃんと交互に訪れて飽きさせない内容になっています。
また主に戦う相手はヤクザ・チンピラの類いなのですが、ネタバレしない程度に真の敵を言い表すと「血も涙も無い殺しのプロ」&「自分が悪だと気付いていない最もドス黒い悪」なので、ぶん殴りに行くのに躊躇する必要がありません。

序盤こそお金やスキルが足りないため、本気でアクションゲームが苦手な人には難しく感じる局面もあるかも知れませんが(難易度設定できるけど)、最終的にはひたすらトンカツ弁当や寿司を買い込み、バトル中にヤバくなったら食いまくって対処すればガチャプレイでも大体の敵は倒せます(そんなキムタク想像したくありませんが)。



というわけで、「龍が如くシリーズ未経験者も取り込む」という狙いにまんまとハマり、存分に楽しむことができました。
続編の「LOST JUDGEMENT」も機会があればやってみたいです。
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