新興・途上国の債務削減を 世銀総裁「官民協調で」
2020/11/24 17:00 (2020/11/25 5:04更新)
【ワシントン=河浪武史】世界銀行のマルパス総裁は、新型コロナウイルスで新興・発展途上国の債務返済が滞るリスクが高まっていると述べ、「官民協調での債務削減が必要だ」と主張した。20カ国・地域(G20)は22日まで開いた首脳会議でアジアやアフリカなどへの債務支払い猶予策の延長や民間債権者の関与を促すことで一致。多額を融資する中国の動きが焦点になる。
マルパス氏はオンラインで2日間開いたG20首脳会議にあわせ、日本経済新聞の単独取材に答えた。11月中旬にはザンビアがアフリカで初めて新型コロナウイルスの感染拡大によるデフォルト(債務不履行)に陥るなど、新興国や途上国はドミノ倒しのように、財政破綻や通貨危機に追い込まれる可能性がある。マルパス氏は「低所得国の債務は世界経済の大きなリスクだ」と指摘した。
G20首脳会議では「債務支払い猶予イニシアチブ(DSSI)」と呼ばれる債務猶予の仕組みを2021年6月まで延長することで合意した。DSSIでは返済猶予を求める途上国が、世銀や国際通貨基金(IMF)に担保や金利などの債務情報を開示する。そのうえでG20が猶予の条件などを決める。債務負担の軽減と情報開示が同時に進めば「途上国は新しい投資を呼び込む環境をつくることができる」(マルパス氏)とみる。
焦点は新興・途上国に対する主要な債権者である中国の関与だ。73カ国の途上国への2国間融資残高のうち63%は中国が貸し手だ。広域経済圏構想「一帯一路」に沿って、主に国有銀行を通じ、インフラ整備の資金などを融資してきた。世銀は年1%程度の低利で資金を貸し出すが、「中国の融資は金利が7%を超える」(マルパス氏)ケースもあるという。
中国は従来、中国国家開発銀行などの国有銀行による融資を「民間融資」とみなし、途上国救済の枠組みの対象外としてきた。だが、今回のG20首脳会議では、公的債務の返済猶予を認める場合「同等の条件で参加することを民間債権者に強く奨励する」ことで合意した。
マルパス氏は「今回のG20の合意は(中国の国有銀行の)開発銀、輸出入銀、工商銀にも適用される」と指摘。すでにザンビアがデフォルトに陥った際、中国開発銀が利息徴収を停止したことも明らかにした。
もっとも、今回のG20合意に拘束力はない。中国による新興・途上国融資の5割超はG20が把握しない「隠れ融資」との分析もある。中国の合意履行を確認できるかが債務問題のカギになる。
途上国の資金不足は深刻だ。G20は新型コロナウイルスの危機発生後、低所得国73カ国を対象に、債務の返済繰り延べや削減などの救済を協議してきた。金融市場は低金利マネーであふれるが、信用力の低い途上国は低コストでの資金調達が難しく、公衆衛生と国内経済の悪化が止まらない。
マルパス氏は世界経済全体の回復には途上国でのワクチン普及が急務だと指摘。世銀が120億ドル(約1兆2500億円)を資金支援すると表明した。
世銀の試算によると、途上国73カ国にブラジルやインドなど新興国も加えた低中所得国の対外債務は8兆ドルを超えた。途上国の債務救済に失敗すれば、巨額債務を抱える新興国に信用不安が拡大しかねない。
マルパス氏は「債務リスクはさまざまな所得国にある」と述べ、中所得国にも債務救済の枠組みを広げる必要があると指摘。主要債権国の米国も「中所得国への拡大に同意する」(財務省高官)と追加議論に前向きだ。
世銀は6月時点で、2020年の世界の実質成長率をマイナス5.2%と予測したが、マルパス氏は「一部の先進国の悪化幅は予測ほど大きくない」と述べ、成長率見通しも「わずかに上方修正する方向だ」と明かした。
アジア経済は「中国の景気回復が追い風になり、東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)も域内貿易の拡大につながる」と指摘した。ただ、世界経済が新型コロナがまん延する前の水準に戻るには「数年かかる」との見通しを示した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66572680U0A121C2FF8000/
>今回のG20首脳会議では、公的債務の返済猶予を認める場合「同等の条件で参加することを民間債権者に強く奨励する」ことで合意した。
これで中共は、途上国に貸し付けた金の回収をする際、国際金融機関と歩調を合わせる事になります。
状況によっては、利息どころか元本の放棄も有り得るでしょう。
中共金融機関は、完全に国際金融機関に取り込まれましたw
>もっとも、今回のG20合意に拘束力はない。中国による新興・途上国融資の5割超はG20が把握しない「隠れ融資」との分析もある。中国の合意履行を確認できるかが債務問題のカギになる。
国内にも政敵を抱えている習近平が、経済政策の失敗をどこまで認めるか未知数です。
下手すると、話を外らせる為に、周辺国に戦争を仕掛けるかも^^;
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