■娘殺害容疑の父親「泣きやまず、いらいら」 殺意は否認
(朝日新聞デジタル - 10月06日 11:22)
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虐待を行った者は、実父母が多く、中でも実母が最も多いことが知られています。多くの親は虐待を 行っても、それを認めようとはしませんが、親を罰するのではなく、虐待する親も支援を必要としている という視点が大切です。
虐待をする特別な親がいるわけではありません。だれでも虐待者になり得ます。後で振り返ると何ら かのSOSサインを発していたことが分かることがあります。児童福祉法改正で、地域に要保護児童対 策協議会の設置が望まれ、医療機関にもその早期発見の役割が期待されています。親だけをみて虐 待を疑うことは困難であると思いますが、親子の関係など「ちょっと気になること」をそのままにせず、保 健所、保健センターなどに連絡し、地域全体で見守るように努めるべきです。
虐待者も幼少時の被虐待経験を持つことが多いと言われていますが、把握しがたいのが現状です。 しかし、一方で虐待をしやすい親、受けやすい子どもの特徴が明らかにされてきています。
また虐待を受けるのは子どもに限りません。パートナー間のドメスティックバイオレンス(DV)も増えて います。子どもの虐待からDVが明らかになることがあります。逆にDVから子ども虐待が明らかになる こともあります。DVの現場にいること自体が子どもにとって虐待にあたると考えるべきです。
虐待が推察される親の行動
1. 子どもの軽微な症状で、しばしば外来や救急外来を受診している。
どうして連れてくるのか、受診するのかなと考える。SOS のサインであることがあります。 2. 症状が前から出ているのに、受診が遅れがちである。
3. 育児についての誤った知識(確信)を持っているようにみえる。
外来の健診、診療中に備え付けのおもちゃをなめる。母親が「人様のものを、なめるんじゃありま
せん」とたしなめ、児が「気をつけ」の姿勢をとる。
4. 子どもを怒鳴りつけ、あたりまえと感じているように見える。
病院の外来でどなりちらす、片手で引きずっていく。診察室の中では気づきづらく、看護師と医師
との意思の疎通、医療機関の中での連携が必要です。
5. 医療スタッフに対して攻撃的であり、通常の信頼関係を築きづらい。
6. 状況の説明に一貫性がなく矛盾していたりする。
自分から状況を説明するのを渋ったり、ごまかして言い逃れをしようとしたりする。
医師と看護師に言うことが違う。
7. 医師の診断・治療に対して相応な関心を示さない。
直ちに治療をし、治すことを要求する。 逆に、説明に納得せず、治療を拒否する。 重篤な状態であるとの説明にも無反応である。
8. 親の知的な問題、鬱状態、幻覚妄想状態など精神病が疑われる場合。
その他の虐待や放置をする親にしばしば見られる行動様式や問題点
1. 厳しい体罰を当然であると考えている。
2. 親自身に虐待を受けた既往がある。
なかなか得られにくい情報である。保健所・保健センター保健師や市町村のケースワーカーが把
握していることがある。
3. 親しい隣人や親戚がおらず、孤立した生活を送っている(自分から拒否する、周囲から見放され
るなど)。
4. 親にとって意に添わない子(望まぬ妊娠、育てにくい子など)で、子どもに対する回避感情が強
い。
5. 子どもに心理的に過度に依存しており、子どもに慰めや安心・満足を求めている。 それが満たされないとその不満を子どもにぶつける。(役割逆転) 子どもを学校に行かせず、幼い兄弟の面倒をみさせている。
6. 一貫した子どもへの養育態度がなく、子どもが親の期待通りに行動できない時に、子どもを脅し、 体罰を加える。
7. 子どもの正常な発達に無関心で、たとえ教えられても理解していない。 ことばが遅いことを全く気にしない。保育園で発達の遅れを指摘されても気にしない。
8. 母親が加害者の場合には、母親自身が夫からの暴力の被害者であることがある(DV)。 母親の外傷、夏場でも長袖を着ていることなどに注意が必要である。また、夫からの直接の暴力 がない場合も、夫が育児に無関心、家族を顧みない、経済能力がない、など母親を追い詰めてい る場合がほとんどである。
9. 生活に過大なストレス(経済的困窮、夫婦不和、育児困難など)がかかっている。
虐待を疑ったときの養育者に対する接し方
信頼のおける人が中心となって、看護師・医師・MSW などの連携で戦略をたて、誰もが同じ事を聞
かないようにする。多職種専門チームによる対応が望ましく、誠実な態度で、十分に話を聞くという態 度がたいせつである。
司法面接(forensicinterview)制度の確立が望まれ、弁護士など法曹界の関与を求めていくことも 重要である。
1. 保護者から虐待についての告白・動機・故意かどうかなどを無理に引き出そうとしない 無理にすると、保護者は責められている、非難されている、罰せられるなどと感じ、信頼関係を築 きづらい。
2. 保護者のあいまい、不自然な説明をひとまず受け入れ、保護者の苦労をねぎらい、子どもの治療 や必要な検査を、一緒に進めて行く。
3. この時点では、「虐待」という表現は刺激的過ぎる。家族の状況、保護者のパーソナリティなどの 情報を収集し、戦略をたてる。
4. 一緒に考えて、協力していまの虐待が起こる環境を変えてゆく努力をする。親子分離も、親への 罰ではなく、状況を変える手段である。親から信頼されるように、支持的に対応する。
虐待をする親を「親のせいだ」と責めたり、「親が悪いから」と罰したり、批判しないように 虐待する養育者にも、虐待をしてしまう何らかの理由がある。 虐待をしてしまう親にも、援助が必要である。
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