■待機児童ゼロへ、14万人分の受け皿必要 政府が集計
(朝日新聞デジタル - 10月03日 17:40)
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待機児童問題とは
待機児童とは『保育園に入りたいのに入れずそのまま待機している子ども』のことです。実際に日本ではどのような状況が起きているのでしょうか?
わかりやすい例で見てみましょう。
しかしこれはあくまで一例です。
一般企業で働いていたAさんは妊娠を機に産休を取って子どもを産みました。
その後、予定していた復職の時期に合わせて保育園に子どもを預けようとしますが、ほとんどの保育園から「今は満員なので入れません、他を探してください」と断られてしまいました。
しかしAさんの家庭は出産前、配偶者のBさんと共働きで生計を立てていました。
そのため
仕事にも復帰できず
稼ぐ予定だった給料も見込めず
育児費用はかさむばかり
Aさんは育児疲労と生活苦で困り果ててしまいます。
これが日本の待機児童の現状で、Aさんへの負担が重なり、
虐待
育児放棄
の問題にも繋がっています。
厚生労働省が定めている待機児童の定義を見てみましょう。
【保育所の利用を待機している待機児童の定義】
保育が必要な認定(2号又は3号)を受けていて、特定の教育・保育施設 (認定こども園の幼稚園機能部分及び幼稚園は除く) 又は特定地域型保育事業に利用申請をしているものの、利用できていない子どものこと。
この1号〜3号とは子ども年齢とそれぞれの家庭事情を指し、地域の保育園を利用したい場合には「認定」を受ける必要があります。
以下の画像をご覧下さい。
待機児童定義
引用:内閣府 よくわかる「子ども・子育て支援新制度」
厚生労働省の待機児童の定義では幼稚園は含まれていません。幼稚園と保育園の違いは預けられる年齢と時間にあります。
幼稚園には3歳〜5歳をお昼過ぎまで預けることができるのに対して、保育園は0歳〜5歳を夕方まで預けることができます。最近では、上記の厚生労働省の定義に当てはまらない「隠れ待機児童」の存在も問題になってきています。
2019年の「保育園を考える親の会」の調査によると、厚生労働省が発表した数よりも8.4倍の隠れ待機児童が存在していることがわかっています。
隠れ待機児童には
保育園に入れずやむを得ず育休を延長した親の子ども
特定の保育所を希望している子ども
特定教育・保育施設又は特定地域型保育事業を現在利用している子ども
などが含まれ、
「送迎の時間に限界があるため兄弟そろって同じ園に入れたい」、「家から通える保育園にしたい」など特定の保育所を希望する理由にはそれぞれの家庭事情があります。
また、1つ1つの園ごとに受けられるサービスも異なるためこれは非常に難しい問題です。
日本の現状
特に待機児童が多い都道府県はどこなのでしょうか?
内閣府が発表したデータを見てみましょう。
全国待機児童マップ
引用:内閣府 保育所等整備量・待機児童数の公表について
2019年4月付 全国待機児童ランキング
1位 東京都 3,690人 待機児童率 1.19倍
2位 沖縄県 1,702人 待機児童率 2.80倍
3位 兵庫県 1,569人 待機児童率 1.40倍
待機児童が多い都道府県は、やはり東京が1位。
これは都内には保育施設が少ないこと、核家族化により祖父母などに子供を預けられないことなどが要因として考えられます。
一方で待機児童率を見てみると、沖縄が1位となっています。
沖縄の待機児童率が高い原因には米軍統治など歴史的背景によって保育所の体制に遅れがあることなどが理由に挙げられています。
待機児童問題解決策
国だけではなく企業・自治体も協力して待機児童の問題に取り組んでいます。
実際の取り組みを企業、国、自治体の順番で紹介したいと思います。
(1)朝日新聞社の待機児童問題「見える化」プロジェクト
朝日新聞社の待機児童問題「見える化」プロジェクトでは、すべての市区町村が毎年4月に公表し厚生労働省が9月にまとめた待機児童データをグラフで視覚化し、148市区町村の待機状況を一目で分かるようにしています。
また、このグラフでは隠れ待機児童数や待機児童になってしまった理由の内訳も見ることができます。
「なぜ、自分の自治体で待機児童が多いのか」その理由を事前に知ることで、保護者も対策が立てやすく、待機児童の少ない自治体への引っ越しや移動を促すことにより、都市部における待機児童の集中も防ぐことができます。
参考:朝日新聞社 待機児童問題「見える化」プロジェクト
(2)政府の「子育て安心プラン」
国が行う「子育て安心プラン」は、2018年から2019年までに待機児童問題の解決に必要な予算を確保する計画で、遅くても2020年までの3年間で全国の待機児童を解消すること、並行して2018年から2022年までの5年間で女性就業率を80%にすることを目指しています。
この「子育て安心プラン」には、
保育の受け皿の拡大(保育所の増設など)
保育人材の確保
保護者への寄り添う支援
保育の質の確保、
持続可能な保育制度の確立
保育と連携した働き方改革
などの6つの支援が盛り込まれています。
子育てプラン
(3)港区の待機児童をゼロにした取り組み
2019年4月、港区はなんと待機児童ゼロを達成しました。
『待機児童ゼロなんて東京の都心でありえるの?』と思う人も多いかもしれませんが、実際に港区は複数の取り組みによって待機児童ゼロを実現しました。
港区が実施した取り組みは以下の通りです。
�ゞ�きクラスを活用した1歳児定員拡大事業
開設3年以内の3〜5歳児クラスの定員を設けていない保育施設(9 施設)の空きクラスを有効活用して1 歳児の定員を60名分確保しました。
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2つ目は保育コンシェルジュの設置です。
保育コンシェルジュとは保護者と保育施設の入園マッチングを行う担当者のことで、保育所で勤務実績が2年以上ある保育士が担当します。
居宅訪問型保育事業をはじめ、利用可能な保育施設の案内、保育施設の空き情報をホームページや郵送で知らせてくれるほか、妊娠期から子育て期までの保育に関する相談も可能です。
これにより子育てと保育所探しで手一杯なお母さんの負担を軽減します。
※居宅訪問型保育事業:自宅で保育士やベビーシッターが保育を行ってくれるサービスのこと。
まとめ
待機児童の解消には保育所の増設・保育士の増員が不可欠ですが、港区のようにすでにある保育所の空きスペースを活用したり、保育所と保護者のマッチングを推進することで待機児童を減らすこともできます。
少子高齢化が進む中、未来の日本を担う子どもたちの支援はとても大切ですよね。
すぐには増設・増員できない保育所や保育士の問題は徐々に解決しながら、居宅訪問型保育事業や保育コンシェルジュなど保育の多様化を実現すれば、日本全国待機児童ゼロの未来はきっと近づくはずです。
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