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2020年08月09日23:56

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人の健康に及ぼす影響

■貨物船、重油1000トン流出=モーリシャス沖座礁を陳謝―商船三井
(時事通信社 - 08月09日 19:00)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6188897

経済・産業的な被害だけでなく、流出油が人の健康そのものに与える影響も無視できません。特に流出油の回収・防除作業を行う人々は、流出油と直接接するため、健康被害を受けやすいです。

石油に含まれる成分の中には、人に対する毒性が認められているものも多く、特に揮発性の高い低分子成分の中に毒性の強いものが多いことが分かっています。飽和炭化水素よりも芳香族炭化水素の方が毒性が強い傾向にあり、単環芳香族のベンゼン、トルエン、キシレンといったBTX化合物は特に強い毒性を持っています。BTX化合物やn-ヘキサンをはじめとする低分子アルカンには、中枢神経抑制作用があり、いわゆるシンナー中毒様の症状を呈します。ひどくなると頭痛、めまい、吐き気などを催し、最悪の場合、死に至ります。また、眼に対する刺激性があり、眼に触れると眼が痛くなるなどの症状が出ます。これらの低分子成分は揮発性が高いため、流出油付近の大気に蒸気として高濃度に存在していることがあり、特に流出後間もない時期は、その可能性が高いでしょう。そのため、流出油回収作業を行う人は、蒸気を吸い込んだり、蒸気が眼に触れたりしないように、可能であれば防毒マスクやゴーグルを装着するべきです。
重質な成分は、軽質成分に比べて毒性が低く、短期的にはほとんど無害だとされていますが、多環芳香族の中には発ガン性や催奇形性が強く疑われているものもあります。これらの重質成分は、蒸発や溶解によって失われることがないため、回収・除去作業で取り残された場合には長期間残留してしまう可能性が高いです。
ナホトカ号事故の際には、地元住民のほか全国から大勢のボランティアが駆けつけ回収作業に従事しました。この事故では、重油回収作業中、5人の方が亡くなられるという悲劇的な出来事が起こっていますが、そのうち4人の方は急性心不全などの心臓疾患で亡くなられており、石油成分の毒性が直接の死因ではないと考えられています。心臓病の既往歴を持っていた方もおり、おそらく、寒冷下、慣れない重労働を続けたことが一因となったのでしょう。しかし、重油回収作業に従事された方の中には、重油成分によるものと思われる症状が多数発生しています。いずれにしても、手袋、ゴーグル、マスクなど防具の着用も含め、重油回収作業を行う人々の健康管理には十分注意しなければなりません。
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