私は友達から「マスク美人」と呼ばれている。
マスク美人とは、マスクで隠れていない部分、つまり、顔の上半分が美人の女性をさす言葉である。
私は、その言葉に不満を持っていた。
なぜなら、自分のことを、「マスク美人」ではなく、「美人」だと思っているからだ。
私は、こう考えた。
「マスク美人」と呼ぶのは私の友達だけ、きっと、私をちゃかしているだけなんだ。
だから、私の知り合いではない、ウソをつかない純粋な子供に本当のことを言ってもらおう。
その夜、女はバッチリと化粧をして完璧な美人になり、マスクをして、たまたま通りがかった男の子に声をかけた。
「私、きれい?」
男の子は、私の顔を見ると、「うん、美人だよ」と素直な感想を述べた。
よし! 第一段階はクリア、「マスク美人」であることは証明された。
問題は、マスクを外しても「美人」と呼ばれるかどうかだ。
私は、ゆっくりとマスクを外し、男の子に再びたずねた。
「これでも?」
・・・!
「口裂け女だー!!!」
男の子は青ざめた顔をして、走って逃げて行った。
私は絶句した。
なぜ? どうして?
私は、しょんぼりしながら、トボトボと歩きその場をあとにした。
自宅に着くと私はすぐに鏡台の扉を開けた。
「私って、そんなにひどい顔かしら?」
「あ、、、」
鏡の中の私は、たしかに、口裂け女の姿だった。
外したマスクと、私のほっぺには、お気に入りの赤い口紅がついていた。
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