疲れた。
帝国領土拡大のための長期にわたる戦争。
隣国のドラゴン族やゴーレム族の強力な攻撃に、私は疲弊しきっていた。
友が何人も傷つき、そして命を散らしていった。こんな無意味な戦争は、いったいいつまで続くのだろう。
「私は貝になりたい」
・・・・・・
・・・いつの間にか眠ってしまったようだ。
立ち上がろうとするが、身体は動かなかった。
これはいったいどうしたことだ。
しばらくして、朝日が差し込むと私は状況を飲み込んだ。
目の前を見たことのない魚が泳いでいる。
ここは、、、海?
改めて自分の姿を見る。
そうか、私は貝になったのか。
まさかあのつぶやきが現実のものになろうとは。
しかし、ここは一体どこだ?
近くにいた私と同じ身体をした仲間に聞いてみると、ここは「日本」という国の「三重県」という場所らしい。
なにがなんだかさっぱりわからないが、私がいた世界とは異なる世界のようだ。
キレイな魚がのんびり泳いでいたり、海藻が楽しそうにゆらゆらしていたり、戦争などまったくない平和な世界。
あぁ、貝になったよかった。
・・・・・・
それからしばらくは平穏な日々が続いた。
しかし、ある日、海中に白装束の「海女」と呼ばれる女性たちが次々と降りてきて、私の仲間を次々と誘拐していった。
やめろ、やめてくれ!
その悪の手は私にも伸び、離れまいと岩に必死にしがみついたものの、無駄な抵抗だった。
私は海上へ上げられ、仲間とともに身体をむき出しにされた。
すると、何かを見つけた彼女は私の体内から、白くて丸い物体を取り出した。
「真珠」と呼ばれるものである。
彼女はにっそりと笑うと、私を「がんがん焼き」の中に放り込んだ。
私は生きたまま焼かれ、その生涯を終えることとなる。
<伊勢貝転生>
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