丹波哲郎が盧俊義を演じる香港映画。原作での「晁蓋死亡→盧俊義の梁山泊入り→曹頭市の戦い」のあたり。黒沢年男も晁蓋として出ていたらしいけれど、私が見たのは途中からだったので、すでに出番は終わっていた。
終盤までは 史文恭と盧俊義が武芸の兄弟弟子であること以外、ほぼ原作通りなのだけれども、盧俊義を解放して梁山泊に戻るタイミングで 史文恭と「曹家の五虎」が襲来。史文恭と盧俊義、曹家の五虎と林冲・李逵・武松・石秀・扈三娘がそれぞれ一騎打ちを始める…と、唐突にジャンプ漫画みたいな展開になる。作中で史文恭との決着を付けないと区切りがつかないので、巻きを入れたのだろうと。
梁山泊側から一騎打ちを申し込んでおいて、平気な顔して 助太刀を入れて勝ってしまうあたり、畜生といえば畜生なのだけれども、原作での梁山泊の畜生行為はこんなものではないわけで、あまり気にしてはいけないのだろうと。
盧俊義の優柔不断さも原作通り。いろんな人間に世話になって死罪から免れた手前、黒幕だった妻に「オトシマエ」をつけないわけにはいかないはずなのだけれども、いつまでたっても手をかけられず、結局 燕青が代わりに殺害。史文恭に関しても、今後梁山泊の世話になる以上は、梁山泊の前頭領・晁蓋の仇である史文恭は殺さないわけには行かないのだけれども、いつまで経ってもトドメをさせず、結局李逵がバッサリ。なんだかなぁと。
それにくらべると史文恭は、敵役ではあるけれど「犯罪者は許さない」という、ごく当たり前の社会規範を持った武人扱い。当初は梁山泊を倒した褒美として、盧俊義の再審を願おうとしていたし、とどめをさせない盧俊義に代わった李逵にバッサリやられると、立派に自決してみせたりと、一角の人物として描かれている。いっそのこと盧俊義ではなく史文恭を仲間にしたほうがいいのではないか…とか思わないでもない。実際、コーエーのゲームだと史文恭の方がずっと有能。
そして、盧俊義が必死に戦っていた史文恭を、体術であっという間にひっくり返して「さあ盧俊義様トドメを」と言い出す燕青。いろいろと台無しだった。まぁ超絶美形・体術無双・弓の達人と、原作からして燕青はチートみたいなキャラではあったのだけれども。
刑場の周りに 異様に体格のいい僧侶(魯智深と武松)がいても、まるで怪しもうとしない役人たちのザル警備っぷりや、待ち伏せを食らったのに まるで悪びれない呉用のクソ軍師っぷりにもツッコミを入れたくなるけれど、よく考えたら原作と対して変わらないというオチ。
なんというか、水滸伝は面白いなと。
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