五色に染め抜かれた禁軍が、トンデモ戦法で整然と戦う姿は圧巻。まさにスペクタクル映画の醍醐味。
代わりと言っては何だけれども、ストーリーや設定はツッコミどころ満載。予告なんかでは「世界を守るための戦い」みたいな触れ込みだったのだけれども、長城の外がトウテツで満ち満ちているかというと、そんなことはなくて、野盗の人たちが普通にヒャッハー生活しているわけで、中国の危機ではあっても 世界の危機ではないよなと。
というか、トウテツが中国以外に向かおうとしない理由が分からない。トンネルを掘るくらいの知能があるのなら、そもそも長城のない他国に向かいそうなものだよなと。
槍を持って城壁からバンジーとかいうトンデモ戦法。ダイブしたところをパックンチョされて、続々と犠牲者が増えていく展開には、そりゃそうだろうという感慨しか湧かない。エサを付けて釣り糸を垂らしているようにしか見えない。
そしてトンデモ戦法には平気で命をかけさせるのに、長城の外への偵察活動という重要な任務には命をかけさせないという謎采配。ちゃんと偵察していれば、トンネル掘られたりはしなかったよなと。兵士の命の使いみちを間違えている感がある。
ずっとカネのために戦ってきたという主人公が、仲間の反対を押し切ってまでトウテツとの戦いに肩入れする動機づけが弱すぎて釈然としない。仲間が「お前の考えていることが分からない」と愚痴っていたけれど、まさにそんな感じ。過去に亡くした人と禁軍の人たちを重ね合わせるような描写を何度か入れるだけで、全然説得力が変わると思うのだけれども。
そんなこんなで、映像はスペクタクルだけれども ストーリーが雑で奥行きがないという、B級とかA級半にありがちな作品。興行収入が盛大に爆死した理由として、「アメリカでは 中国万歳すぎるストーリーが嫌われた」「中国では 安易に白人を主人公にしたことが嫌われた」みたいな分析がされるけれど、国も人種も関係なくて、単にB級映画だっただけだと思うよ。
私はB映画が見たかったので、すごく満足だった。
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