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2018年10月11日23:47

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アムステルダム銀行

オランダが覇権国の時代、
欧州中からアムステルダムに
商人や物資が集まりました。

ところが、当時の欧州の
「おカネ」は金貨、銀貨で、
しかも額面や金銀の含有率が
バラバラで、決済が大変猥雑でした。

特に、金属貨幣を選別する
能力を有する出納業者(両替商)が、
持ち込まれた手形について故意に
「軽量金属貨幣」で換金することが
問題視されます。

出納業者は故意に金属量を落として
手形を換金し、退蔵した金属を
造幣所に持ち込み、不当な利益を得ていました。

というわけで、アムステルダム銀行が
1609年に設立され、
欧州中の通貨を法定重量を満たす
法定金属貨幣(単位はグルデン)に
両替することになりました。

同時に、アムステルダム銀行は
預金を引き受け、さらに振替による
決済も行うようになったのです。

振替による決済とは、
A商人がアムステルダム銀行に、
B商人が振り出した「1000グルデン」の
手形を持ち込んだ際に、B商人の預金から
1000グルデンをA商人の口座に
振り替えることを意味します。

現代でいえば、小切手の仕組みそのままですね。

いちいち現金(金貨、銀貨)を使わずとも
、帳簿上のデータを動かすだけで
支払いが可能であるため、
アムステルダム銀行の振替決済は
欧州中の商人に広がりました。

1680年代、アムステルダム銀行は
振替による決済で移動したおカネ
(といっても、単なる数字ですが)について、
現金化を禁止します。

今風に書くと、
口座の預金を引き出す(=現金化)
ことができなくなったのです。

それで何か問題が生じたかといえば、
別に何事もありませんでした。

商人たちにしてみれば、
取引相手もまたアムステルダム銀行に
口座を持っており、交易の支払いは
いずれにしても振替で行われるため、
特に不都合はなかったのです。

まさに、アムステルダム銀行により、
おカネは「金貨銀貨=金属主義」から
「表券主義=債務と債権の記録」へと
「正常化」したのでございます。

現代の日本が、現金決済を
禁止したらどうなるでしょうか。

給与は銀行振り込み、
ほとんどの決済も銀行振り込み、
あるいはクレジットカード。

さらには、銀行口座やクレジットカードを利用した
プリペイドカードになったとして、
何か困るでしょうか。

店側が現金以外の支払い手段に
対応してくれさえすれば、
特段の問題は生じないように思えます。

とはいえ、実は日本には
「現金」が必須になるときがあるのです。
それは、自然災害発生時です。

震災や台風被害、水害、土砂災害、
豪雪などで「停電」になった途端、
あらゆる電子決済は不可能になります。

停電下で使える「おカネ」は、
現金のみとなってしまうのです。

実際、地震とブラックアウトにより、
全ての電子決済が停まった先日の北海道では、
道民の皆様が現金を重宝したそうです
(現金がないと、一切の買い物が不可能)。

しかも、北海道地震の場合、
地震による被害が皆無の地域であっても
ブラックアウトで電気が止まり、
現金以外の決済手段が利用不可能になりました。

おカネとは何なのかについて学ぶと同時に、
「日本の国土的条件」も加味した上で
「貨幣制度」を考えなければならないというお話です。

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