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2018年05月11日00:07

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家計貯蓄率

家計貯蓄率とは、
家計の可処分所得に対する貯蓄
(=預金+借金返済)の割合です。

少子高齢化により年金世代(高齢無職世帯)が
増えたことを受け、
家計貯蓄率は下落傾向にあります。
2013年には、マイナスとなりました。

【日本の家計貯蓄率の推移(%)】
http://mtdata.jp/data_59.html#kakei

さて、家計貯蓄率の低下を受け、
「このままでは財政赤字を”
ファイナンス”できなくなり、財政破綻する」
といった論調が流行し、今でも蔓延っています。

例えば、2005年、
参議院の企画調整室は、
「貯蓄率の低下が経済財政に及ぼす影響
〜間近に迫る団塊の世代の退職と
財政再建へのタイムリミット〜」
と題するレポートを出し、
http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/keizai_prism/backnumber/h17pdf/20050201.pdf

「貯蓄率が低下すると、
財政赤字(国債)が国内資金のみで
ファイナンスしにくくなり、
巨額の財政赤字が長期金利の
上昇につながる可能性も否めない。」と、
財政赤字拡大に警鐘を鳴らしました。

現実には、
家計貯蓄率は2005年以降も
低迷が続いたにも関わらず、
長期金利(新規発行十年物国債金利)は
「超低迷」が継続しています。
直近の長期金利は、0.07%です。

また、2013年に家計貯蓄率が
マイナスになったことを受け、
東洋経済が、
「家計貯蓄率がマイナス、
日本経済の影響は?このままでは
財政赤字を国内で賄えなくなる」
という記事を掲載しました。
https://toyokeizai.net/articles/-/57992

かの「オオカミ少年」こと
伊藤元重教授は、Voiceに
【貯蓄率急落の先にある悲劇:
伊藤元重(NIRA理事長、東京大学教授)】
なる記事を寄稿し、家計貯蓄率低下を受け、
「いったい誰が日本政府の債務を
ファイナンスするのかという問題」
と言い、大真面目に書いていました。

日本の長期金利が異様に低迷し、
「財政破綻」の兆候が全くない理由は、
今更くどくどと書きませんが、

「家計貯蓄率が下がり、財政破綻する」

というレトリックには、
説得力があります。

家計が預金を減らす。
結果、政府がおカネを
借り入れられなくなり、破綻する。

というわけですが、
現実の政府は「銀行預金」を
借りているわけではありません。

政府が国債発行で調達するおカネは
「日銀当座預金」なのです。

そして、家計貯蓄率と
日銀当座預金残高との間には、
相関関係はありません。

日銀当座預金は、
日銀がその気になれば
増やせます。と言いますか、
日銀の量的緩和政策により、
現実に増え続けています。

しかも、銀行が日銀当座預金という
「おカネ」を政府に貸し付けたとして、
後に政府小切手の償還の際
(国債の償還ではありません)に、
銀行に戻ってきます。

我々が貯蓄する銀行預金と、
日銀当座預金は異なるおカネなのです。

それにも関わらず、
国民の多くは「貯蓄率が下がり、預金が減ると、
政府が国債発行できなくなり、
財政破綻する」と単純に思ってしまいます。

理由は「おカネには種類がある」
「国債発行のプロセス」等について知識がなく、
「おカネの量は一定」と勘違いしているためです。

そもそも、銀行預金というおカネにしても、
銀行が貸し出しをすることにより
増えていくのですが、

いずれにせよ「細かい話」ではあります。

とはいえ、この種の「細かい話」を
我々が知らないために、
「家計貯蓄率低下で財政破綻」といった
単純かつ徹底的に間違った説が流布し、
財務省の緊縮財政路線を
強化してしまっているのです
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