貴乃花親方バッシングに見る相撲協会とマスコミの「狂気」
2017.12.28
窪田順生:ノンフィクションライター
マスコミが連日垂れ流す貴乃花親方バッシング。まるで集団リンチのような暴行事件そのものよりも、貴乃花親方の言動の方がはるかに問題だ、とでもいうような風潮が出来上がってしまっている。ここには、日本社会が蝕まれている重大な「病」が潜んでいる。(ノンフィクションライター 窪田順生)
何も語らぬ貴乃花親方に向けた
バッシングが止まらない
日本型組織の「制度疲労」から来る不正や不祥事が連発した2017年もようやく終わりを迎えようかという年末、最後の最後に日本型組織のクレイジーさを象徴するような「騒動」が起きてしまった。
今日、日本相撲協会から重い処分が言い渡される貴乃花親方に対し、連日のように行われている「バッシング」である。
貴乃花親方が何も語らぬのをいいことに、「協会関係者」なる人物たちが好き勝手に貴乃花親方をディスり、それをマスコミがノンフィルターで右から左へ垂れ流すという、見ていてあまり気持ちよくない「印象操作」が続いているのだ。
わかりやすいのは、貴乃花親方の聴取が行われた翌日、マスコミが報じた「協会関係者」なる人物の主張だろう。「警察から協会に事情を伝えた方が正確だ」という趣旨のことを親方が主張していることに対して、こんな調子で一蹴した。
《「そんな話は世の中に通じないだろう」と述べ、巡業部長としての責任を果たしていないとの認識を示した。》(日テレNEWS24 12月26日)
翌日になると、この聴取で貴乃花親方が、「自分は間違っていない」とダダッ子のように主張したという情報が相撲協会からリークされ、再び「協会関係者」が登場。誰も頼んでいないのに、ワイドショーのコメンテーターばりに「論点整理」を行っている。
「協会の執行部が事態を把握したあと理事会にすぐに報告しなかった方が問題だ」(日テレNEWS24 12月27日)
貴ノ岩の主張が正しいならば
事件は「集団リンチ」である
こういう報道ばかりが世に溢れると、素直でピュアな日本人は、なにやらこの騒動の元凶は、非常識で、組織人失格の貴乃花親方にあるような気がしてしまう。事実、ワイドショーに出ている相撲記者歴ウン十年みたいなロマンスグレーのおじさま方や、評論家のおじさんたちは、「こんなワガママは組織人として許されませんよ!」とか声を張り上げている。
だが、筆者に言わせると、これは完全に相撲協会側の「印象操作」がもたらしたミスリードだ。
今回の騒動で本当に「問題」なのは、貴乃花親方による報告がなかった云々ではない。
白鵬という、この世界の絶対的権力者が、日馬富士が貴ノ岩をボコボコに殴っていた間も、ずっとそれを見ていたということ。さらに、現場にいた力士たちと、被害者である貴ノ岩の主張が完全に食い違っているということだ。
もし貴ノ岩の主張が正しければ、これは日馬富士による単なる暴行事件ではなく、大横綱・白鵬の「この生意気な奴に体で分からせてやれ」という思いを「忖度」した、横綱や力士たちによる「密室の集団リンチ」である。
このような組織内の絶対権力者が関与した犯罪を、組織内で断罪することが困難を極めるというのは、さまざまな事例が証明している。たとえば、シリコンバレー発の最先端企業Uberでも、「ハイパフォーマー」と呼ばれる超エリート社員にセクハラされた女性が人事部に訴えたところ、「キミのことを切ろうと思えばいつでも簡単に切れる」と逆に脅され、この女性はクビに追いやられた。
もし貴ノ岩と貴乃花親方が暴行発覚後に協会にすべてを打ち明けても、彼らの主張はネグられ、日馬富士と白鵬という「ハイパフォーマー」を擁護するような対応が行われた可能性が高いのだ。
マスコミはなぜ
相撲協会の思惑に乗るのか?
なぜ「殴られる理由がない」と主張する貴ノ岩がボコボコにされる間、白鵬はカラオケのリモコンという凶器が登場するまで止めなかったのか。「問題」の根っこはここにあるのではないか。
今年1月、貴ノ岩は白鵬から初金星を挙げた。そのおかげで、白鵬は優勝を逃している。そのようにメキメキと頭角をあらわしてきた後輩を、説教の末、密室で「かわいがり」を行えば、かねてから囁かれる「モンゴル勢の星の回し合い」が疑われても仕方がない。
このあたりを追及するために、マスコミが白鵬を連日追いかけ回すのなら分かるが、現実には、マスコミは貴ノ花親方を追いかけ回して、やれ「非常識だ」「態度が悪い」「ここまでくると異常だ」と大騒ぎをしている。
要するに、大横綱がからむ「集団リンチ」の真相究明ではなく、「組織への報告がない」ことの方が「問題」だというのだ。
完全に狂っている。では、なぜ狂ってしまうのか。
相撲協会は興行のドル箱である白鵬や鶴竜という横綱にこれ以上、ネガティブイメージを付けたくないという思惑があるが、マスコミまでが、なぜかその思惑に丸乗りし、貴ノ花親方バッシングに加担をしている。
バカなのか。いや、バカではない。実は相撲協会とマスコミはある一点で非常によく似ている。それは「極度に閉鎖的なムラ社会」だということだ。「ムラ社会」というのは基本的に、貴ノ花親方のようなタイプの人間は大っ嫌いである。「ムラ」の秩序を乱す者は、組織の総力を挙げて潰さなくてはいけない。
その逆に、少しくらいの不正、少しくらいの暴行などを行っても、それが「組織のため」という大義名分があれば、「ムラの功労者」として表彰される。後輩をボコボコに殴った日馬富士が「礼儀を教えるため」だと述べたことに対して、「男らしくて立派だ!」「引退なんてしなくていい!」ということをおっしゃる方がいるのが、その証左だ。
ムラの論理という「病」に
蝕まれている日本人
この「ムラの正義」は日本の伝統みたいなもので、たとえば、古くはロッキード事件の時の大企業が分かりやすい。事件が摘発され、某大手商社の総務課長と、秘書課長が逮捕された。2人は事件への関与が疑われた同社の会長や専務の自動車行動表などを破り捨て、「証拠隠滅」を図ったという容疑だった。2週間近く拘置されて釈放された2人は、会社のあちこちから「ごくろうさま」と声をかけられ、「英雄」として祝福された。若い社員が当時、「朝日新聞」の取材にこう述べている。
「企業防衛のために、トップの指示に従った社員が逮捕されるなんて……。僕がその立場だったら、同じことをしていた」(朝日新聞1981年1月5日)
「ムラ社会」では、「ムラ」を守る人は常に清く正しい。その逆に「ムラ」を裏切る人間は、私利私欲にまみれて汚れているとされる。業界の不正や悪習を「内部告発」した人間が総じて激しいバッシングに遭うのは、この「ムラの論理」があるためである。
こういう考えは閉鎖的な業界であればあるほど強い。相撲協会はその典型だが、実はマスコミも負けていない。記者クラブ制度に代表されるように、この世界では、「ムラ」に入らないと情報にアクセスすらできない。
つまり、貴ノ花親方へのバッシングというのは、相撲協会とマスコミという2つの「ムラ社会」が、「ムラの秩序を乱す者への憎悪」をこじらせた結果なのだ。
なんてことを言うと、マスコミや相撲協会を特殊な社会だと言っているように思うかもしれないが、そんなことはない。「ムラの論理」というのは、何もこれらの業界だけではなく、日本社会全体が長い歴史の中で侵されてしまっている「病」のようなものだからだ。
1921年、「タイムマシン」「宇宙戦争」などで知られる作家H.G.ウェルズが、「増子」と「野口」という2人の日本人と会って、教育について議論をした。その際にこの2人の日本人は自国の教育について、このように述べたという。
「日本人が子供を育てる方法は欧米の夫れと全く正反対である。日本人はその子供を本来の性質とまったく異なった方向に向けて了ふ。日本人の中心思想は従順と奉公である。我々のあらゆる感情や詩歌、数世紀に亙る伝統は忠誠――盲目的な没批判な忠誠、妻は夫に、下僕は主人に、そしてすべての臣民は君主に対して忠誠でなければならぬと教えるのである。此の忠誠は全く宗教的である」(朝日新聞1921年11月30日)
大正時代から今に至るまで
日本人の根本は変化していない
マスコミや相撲協会が、目の前で放置されている白鵬が関わる「問題」よりも、貴ノ花親方の立ち居振る舞いを「問題」だと大騒ぎするのは、すべてはこの100年以上前から続く「宗教」のせいなのだ。
働き方改革を謳っても過労死やパワハラがなくならいのも、多様性が大事だと謳ってもセクハラや差別がなくならないのも、「組織に対する盲目的な忠誠」というものが、宗教のように我々の心に刷り込まれているからではないか。
「従順と奉公」が正義とされる社会では、「上」に逆らうものにはどんな手を使ってでもこの正義を分からせなくてはいけない。では、どう分からせるかというと、罵詈雑言を浴びせたり、白鵬のような説教をしたりして精神的に追いつめて従わせるか、力づくで従わせるしかない。これが日本社会に蔓延するパワハラや「いじめ」の正体だ。
そんなのはお前の妄想だという声が聞こえてきそうだが、先ほどご紹介した、H.G.ウェルズと議論した2人の日本人も、「従順と奉公」が我々日本人にとって、自分の力だけではなかなか克服できない「病」のようなものだと認めている。彼らは欧米では、自由思想を養い、おかしなことは目上の者であっても批判するという文化があるとして、以下のように述べている。
「恐らく此の方法は結局に於て優れたものであり、力強いものであらう。然し乍ら日本人にはそれが正常なものではない危険なものだと言う風に思われるのである」(同上)
おかしなことを「おかしい」と指摘して行動を起こした者は「異常」であり、「危険」な存在とされる。大正時代の人々が気づいた日本人の「病」を、平成の世に生きる我々は、まだ克服できていない。
http://diamond.jp/articles/-/154602
モンゴル互助会が白鵬や日馬富士を優勝させるために協力し合ったら、ガチンコ試合は日本人力士に限定されるので優勝しやすくなります。
しかし、貴ノ岩がガチンコ勝負で白鵬に勝ったので横綱は優勝を逃しました^^;
その仕返しが「集団リンチ」なのです。
相撲協会やマスゴミは完全なムラ社会で、組織を維持する為に隠蔽工作を相撲協会が働きかければマスゴミはツーカーで答えるわけです。
相撲のテレビ放送権や広告代はマスゴミにとって美味しいご馳走です^^;
マスゴミはサラリーマンに過ぎませんが、独特な業界用語を創作して使うことで自らを業界人と呼んでる「ムラ人」なわけですw
同じムラ社会の相撲協会を助ける為なら「印象操作」報道なんてお茶の子再々です。
まさにマスゴミ^^;
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