エヌはドカポンズに所属する、プロ野球選手だ。
ただ、プロと言っても、ベンチ入りすらさせてもらえず、地道な練習とボール磨きが毎日の日課だった。
今日も練習場の片隅でボール磨きをしていると、監督が話しかけてきた。
(クビにされるのだろうか・・・)
そう思ったのだが、監督が言ったのは思いがけない言葉だった。
監督「エヌ、明日の先発投手はお前だ」
エヌ「え、ぼ、僕が投げていいんですか?」
監督「明日から三連戦が始まるが、初戦はお前にまかせる。期待しているよ」
エヌ「はい、がんばります」
次の日。
実況「今日の先発は初登板のエヌ選手ですが、調子がよくないようです」
解説「ええ、7回を終えたところで50点も取られていますからね」
実況「球速も遅いし、変化球も持っていない」
解説「調子の問題ではないような気がしますね」
エヌ「ハァハァ、、、監督、交代を・・・」
監督「ダメだ。俺はお前に期待している。最後まで投げてみろ」
実況「バッターアウト! 試合終了、100対0。エヌ投手完投です」
エヌ「か、肩がぁ、肩がぁぁぁ」
監督「エヌ、今日はよく頑張ってくれた。ゆっくり休んでくれ」
次の日。
実況「ドカポンズ、今日は絶好調です」
解説「相手チームに疲れが見えますね」
監督「一人の肩を犠牲に、2勝1敗で勝ち越す。完璧な作戦だ」
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