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2017年04月17日19:36

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無限の世界、孤立した世界という幻想。

工場がもくもくと黒煙を吐き出し続けても、地球の偉大なる母性による浄化パウワーがあるので問題はねえ、と思われていたような時代があった。
日本は小さな国だったのと、贔屓目も込めてまともな方の国民性だったので、割と早い時期に気づいて今は割と綺麗な国として通っている。今となっては、電気をこまめに消すことの集大成が地球の二酸化炭素濃度上昇防止につながることまでは認知されている。


が、どうもね。
資本主義経済とか企業利益とか、政府の権力とかの話になると、途端に無限のパウワーを無意識のうちに信じる人たちが増える。
例えば企業は無限に金持ちなので、いくら賃金を増大させても問題ないと考えている。
「企業は無限に金持ちなので、いくら賃金を増大させても問題ないと考えているでしょ?」
と聞けば否定するだろうが、その主張は、企業の負担をさらにさらに増大させても永久に労働者に賃金を出し続けることができるようなイメージに陥っている。
少なくとも、そう判断せざるをえないような珍回答が多い。

最低賃金を唐突に1500円あげた場合、よしこれで1時間あたり500円余分に儲かるわ!と思うのは、この「無限に安定な世界」がベースにある。断言するが、今3食満足に食べられていないのであれば、1500円になったとしても変わらない。今カツ丼が500円なのは、時給1000円の世界において500円なのであって、時給1500円の世界でも500円のままということはありえない。
だって、お前たちの給料をあげた分、商品の値段が上がり、それを買わねばお前たちは生きていけないのだ。今食べねばならない米も、いつかは買いたいクラウンも、皆一斉に値上がりする。


話は「最低ライン」の労働者だけには止まらない。上司の給料というのは、テキトーに高額に決まっているわけではない。大きな企業になればなるほど、ある程度明確に段階が示される。その段階が最低時給1500円になった途端、比率を下げてキューーーーと縮まるか?といえばそんなはずがない。逆に考えて、あなたが牛丼屋を開くとする。そこにスタッフが必要で、その仕事は平均1600円ぐらいの時給のコンビニと同じレベルの仕事だろうとあなたは考える。
「よし、労働者諸君は頑張ってくれているから時給2000円あげよう!僕は1500円でいい!」
と、思うだろうか。まあ、これも無限の世界幻想の一種かもしれない。それをするような無限の阿呆が経営すべき、と思う人は本当に多い。
もしそんなことをするぐらいなら、その経営者は牛丼屋を開かず隣のコンビニでバイトするに決まっている。
一般の人の2倍、3倍、あるいはその辺の企業では到達できないような収入を期待するからこそ、独立をするわけだし、その延長の先に今存在する大企業があるのであって、その役員報酬がいくら高くても、テキトーに決まっているわけではないのだ。



また、逆に、孤立した世界というものもある。
日本企業が、日本の労働者のために、とんでもない労働報酬を出すとして、もしそれが国内において成立したとしても、その結果国際競争力を失うのであれば、労働者にとって無意味である。いくら最低時給が1500円でも、働ける人口自体が少なくなるのでは意味がない。
ところが、こういった活動家にはそういう視点はない。面接に行って履歴書を出した時に、受かるか落ちるか、落ちれば失業者、ぐらいの感覚はあるかもしれないが、その求人自体が減る、という感覚を理解できない。それもまた無限の雇用、あるいは孤立して雇用のみが存在する社会という感覚が背景にあるように見える。


無限の世界あるいは孤立した世界という無意識の感覚は、はっきりと言えば計算能力の欠如に原因がある。あるいは、推測力・洞察力の欠如と言ってもいい。波及効果を考慮する、あるいは一定の因果律の中に代入してみる、というのが難しいか、あるいはそういう習慣がない。
仮にそういう習慣や能力があったとしても経済を予言するのは難しいが、こういった固定された世界観というものは明白に間違っているか、現実的ではない。時給をあげても物価が上がらないウハウハな世界というものは存在しない。存在しないが、イメージしてしまう。彼らの持つ世界のピースは正しく見えるが、常にそれをつなげることができない。


1500円の時給があれば、ウハウハな生活ができる、というのは、断片としては正しい。ところが、それを数千万人の労働者に当てはめた場合、正しくない。歴史的に言えば、大衆の大半は常に貧乏である。どうやったところで、「平均」は大衆の上にある(あるいは逆に、大衆の下に「最下層」が必要)。これは最低賃金をあげても変わらないし、もし最低賃金を上げることで、逆に労働者の賃金が最低賃金付近に集約されるとすれば、それは相対的に「現時点で大多数の労働者の時給が現時点での最低時給に集約されること」と意味は同じだ。




■エキタスが新宿で「最低賃金1500円デモ」敢行 雨宮処凛氏も「路上生活への直結を防ぐには、最賃向上が最短」と激励
(キャリコネ - 04月15日 19:42)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=210&from=diary&id=4529544



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