ここは奉行所。
今でいう裁判所のようなものだ。
今日も何やらやっかいごとが持ち込まれたようだ。
お奉行「何があったか話してみよ」
喜兵衛「へ、へい。じつは、先ほど吾作さんが3両を落とすのを見まして、これを拾って渡そうとしたのですが、吾作さんが受け取ってくれないのです」
お奉行「吾作よ、事実か?」
吾作「お奉行様、この金は私から離れていったお金です。そんな金を受け取ることなどできません。この金は喜兵衛さんが受け取るべきです」
お奉行「なるほど、3両をお互いが受け取らぬというわけか。むむむ」
「そうだ!」
ここで何かを閃いたお奉行様。
懐から1両を取りだすと、2人にこう話した。
お奉行「ここに1両ある。 そこの3両と合わせて4両だ。 これを2人で2両ずつにわけるがよい」
「吾作は元々の3両から1両減った2両を受け取り、喜兵衛はもらえるはずだった3両が2両に減る。 そして私は1両をだす」
「3人が1両ずつ損をする、『三方一両損』というわけじゃ。はっはっは」
お奉行様の機転で丸く収まるかと思われたが、2人はこれに異を唱えた。
吾作「2両だからってこれは私の金じゃないから受け取れないよ」
喜兵衛「私だって、これは自分の金じゃないから受け取れませんよ」
お奉行「ぬぬぬ!」
名案が閃いたと思ったのに、双方に不服とされてしまった。
お奉行「おぅおぅおぅおぅ! てめぇら、いいかげんにしやがれ! この俺様が裁きを申し渡したんだ。そこの4両を持ってとっとと帰りやがれ!」
「いつまでも、うだうだ言ってやがると、、、
「この、桜吹雪が黙っちゃいねぇぞ!!」
お奉行様が服を脱いで見せたその肩には、見事な桜吹雪が咲いていた。
吾作「ひぃぃー」
喜兵衛「し、失礼しましたーーー」
2人は尻尾をまいて逃げ出した。
お奉行「これにて、、、一件落着!」
これがあの有名な、『桜花裁き』である。
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