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2016年11月09日23:57

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アメリカ大統領選挙はトランプ候補が勝利

アメリカ大統領選挙はトランプ候補が民主党のクリントン候補に勝利。
過激な発言を繰り返すトランプ氏が支持を集める背景には、庶民の生活を改善できない既存の政治家への失望があったのだと思われます。

アメリカでは、所得上位1%が全体の所得の22.5%を得ています。
所得上位10%になると、約50%です。

現在のアメリカの所得格差は、
前回のグローバリズムの終着点であった1929年と同じ水準です。

資産の方は、所得以上に格差が拡大しています。

2014年、アメリカの資産上位1%の超富裕層が所有する資産合計が、
資産下位90%の国民が所有する資産合計よりも多いことが公表され、
世界に衝撃を与えました。

世界最大の小売サービスであるウォールマートの創業者、
故サム=ウォルトンの一族が所有する資産額は、何と1486億ドル(約15兆円)。
「一族」とはサムの子供たち六名になりますので、
平均すると一人当たり3兆円弱でございますね。

なぜ、資産の方が所得よりも格差が拡大しがちかといえば、
当然ながら資産は「相続」されるためです。

サム=ウォルトンの子供たちは、
別にウォルマートを創業したわけではありません。
偶々、サム=ウォルトンの子供として生まれた結果、
兆円単位の資産を相続したのです。

わたくしが「グローバリズム」「自由競争」「自己責任」といった論調に
疑問を感じるのは、そもそもスタートラインが同じではないためです。

自由な市場で各人が努力し、フェアに競争し、
勝ち組と負け組に分かれ、結果は自己責任。

何しろ「フェア」に競走した結果なのだから、仕方がないではないか。
と言われても、例えばサム=ウォルトンの子供たちと一般庶民では、
「そもそも、スタートラインが違うだろ!」
と、反論したくなってしまうのです。

当たり前ですが、同じ「資本利益」を稼ぐというゴールがあったとして、
兆円単位の資産家と、特に資産を持っていない人では、端から勝負になりません。
さらに、トマ・ピケティが指摘した通り、資産利益は所得を上回りがちです。

 r > g なのです。

すなわち、資産家の子供たちと、一般庶民の子供たちとでは、
所得(※資産利益含む)についても差が生じざるを得ないのです。
この「差」は、ほとんど覆すことが不可能です。

さらに、アメリカは(最近では日本でも)教育費が高騰しています。

所得下位層の子供たちであっても、高等教育を受け、
中間層、所得上位層に上るという道までもが、塞がれてしまっています。
両親の所得という、本人にはどうにもならない事情で教育に「差」が付き、
スタートラインが変わってしまうわけでございます。

無論、奨学金という手段がないことはないのですが、
アメリカでは奨学金も「ビジネス」です。
巨額な有利子奨学金という「負債」を背負わなければ、
大学を卒業できないのでは、やはりスタートラインが違います。
(最近では日本でも有利奨学金が問題になりつつありますが)

民主党の予備選で、
バーニー・サンダースがあれ程までに若者の支持を得たのは、

「公立大学の学費無料化」
「奨学金ローン対策」

といった政策を訴えたためなのです。

さて、結論ですが、現実にはスタートラインが異なるにも関わらず、
あたかも「フェアな競争」が繰り広げられているかの如く装う
グローバリズムは、大きな欺瞞を抱えているという話です。

人間は、平等ではありません。本人の能力や努力はともかく、
「両親の所得と資産」はどうにもならないのです。

この手の「どうにもならない格差」を解消することに成功したのが、
戦後からサッチャー登場までの西側諸国だったわけです。
サッチャリズム、レーガノミクス以降、世界を欺瞞に満ちた
グローバリズムが席巻し、

「スタートラインが同じなのだから、結果は自己責任」

という嘘が、まことしやかに語られていたわけですが、
この「嘘」が暴かれつつあるのが、現在のイギリスであり、アメリカなのです。
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