日頃新聞やTVで示されるデータについて自分で解釈できていますか?
もしも、「・・・となる見込みである」という記事を見て、鵜呑みにしているとしたら危険かもしれません。
つい最近も統計指標の見方について分析のプロであるシンクタンクが誤った例があるのです。
その一つが「法人企業統計調査」というものです。
この指標は財務省が四半期ごとに発表するもので、前期に比べてどれだけ設備投資の増減があったかを
示したものです。
法人企業統計調査によると消費税増税後の2014年7~9月期の設備投資がどっと増加しました。
これを見たシンクタンク等が一斉に「消費税増税で一度は落ち込んだもののGDPはV字回復する!」と予測を出しました。
ところが、後になって確かめてみると、GDP成長率はマイナスだったというだけでなく、設備投資もマイナスでした。
なぜこのようなことが起きてしまったのか?
これには2つの要因があります。
1つは統計調査の方法です。
法人企業統計調査では標本調査を行います。
資本金10億円以上の大企業は8割以上が回答しているのに対し、資本金 1千万以上から1億円未満の中小企業は1%しか回答しません。
例えば2015年10~12月期では大企業が5365社回答した一方で中小企業は9011社(98万6944社中)しか回答していないのです。
するとどうなるか?
必然的に統計結果が大企業に偏ってしまうのです。
そこを深く考慮しないまま法人企業統計調査だけを見てプロたちは誤った判断を下してしまったのです。
2つ目は円安の進行です。
当時は円安が非常に進んでおり、1ドル = 80円が、1ドル = 120円にまで変化していました。
すると外貨を稼ぐ大企業は、何の努力をしなくても売り上げが1.5倍になるという現象が起きていたのです。
例えば売り上げが100億ドルだった場合、8000億円から1兆2000億円に増加する、という具合です。
さすがにそれだけ売り上げが増えればデフレとはいえ設備投資を増やすでしょう。
一方の中小企業にとって円安は輸入物価上昇の原因となり、コスト要因となってしまいます。
しかも消費税増税で国内需要は縮小し、2重にダメージを受けていました。
そんな状況で設備投資をする余裕なんか当然ありません。
したがって大企業だけを見れば設備投資は増えているが、中小企業は設備投資を減らしていたのです。
統計にはそれぞれの特性があります。
それをしっかりと認識して使い分けることができれば、数字に強く、他人に騙されることは
なくなるということです。
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