日本の長期金利が毎日のように「史上最低」を更新していっています。
現時点の長期金利は、▲0.182%。ちなみに、日本以外ではドイツ(▲0.01%)、スイス(▲0.5%)と、三カ国の長期金利がマイナス化しています。
これは、人類の歴史上「初めて」の現象です。
そもそも、2002年に日本の長期金利が1%を割り込んだのが「世界初」でした。
その後、低金利競争(?)で日本を抜きさったスイスが、長期金利でマイナス化し、日本、ドイツと続いたわけです。
長期金利がマイナス化している理由は、デフレで資金需要が乏しいことに加え、中央銀行の量的緩和政策があります。
日本銀行、スイス国立銀行、そしてECBは、量的緩和政策を継続するために「高い価格」であっても国債を買わざるを得ません。
というわけで、日独スの銀行は、国債の「キャピタルゲイン(値上がり益)」目的で長期債を買い込んでいるのです。
マイナス金利で国債を買うと、長期で保有すると損をしますが、その前に中央銀行に売却してしまえば「値上がり益」を得ることができます。
すなわち、国債の投機商品化です。
投機とは、所得や金利、配当金ではなく、「値上がり益」目的で、借入金により資産を買う行為です。
日独スの銀行が国債を購入している資金は、三カ国の国民の預金です。
すなわち、我々が銀行に「貸し付けた」預金が、値上がり益目的で国債購入に投じられているわけで、紛れもなく「投機」でございます。
十年国債が投機商品化してしまったということは、長期金利の指針が消滅したという話になります。
現在の十年国債が長期金利の指標だというならば、我々も銀行からマイナス金利でおカネを借りることが可能という話になってしまいますが、もちろんそんなことはありません。
ところで、自民党が参議院選挙の公約で「ゼロ金利を活用した「超低金利活用型財政投融資」の制度構築」を謳うとの報道が流れています。
これは考えてみると奇妙な話で、自民党は今の「ゼロ金利」「マイナス金利」を「前提」としてしまっていることになります。
現在の日本の「超低金利」状況は、資本主義国として異常事態なのです。
別に、超低金利活用型財政投融資に反対するわけではありませんが、超低金利という異常事態を「解決」する方が、
まずは先なのではないかと思うのです。
すなわち、普通の国債発行と、財政出動です。
政府が国債を発行し、国内で需要創出を推進すれば、民間の設備投資を呼び込みます。
結果的に、国債金利はプラス化する、つまりは正常化するでしょう。
もっとも、国債を発行すると、財務省が頑なに固執する「プライマリーバランス目標」を、少なくとも短期では無視せざるを得ません。
だからこその「財政投融資」という話であれば、相変わらず我が国の政治家は「財務省の呪縛」から逃れることができていないという話になります。
いずれにせよ、現在の長期金利のマイナス化を「異様な世界」であると、日本国民は正しく認識する必要があると思うのです。
「マイナス金利の世界」は「異常な世界」なのです。
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