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2016年03月16日11:28

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大本営は機能していた。

盤上で探す「神の一手」 人間と人工知能が紡ぐ思考 
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=38&from=diary&id=3900067

ミッドウェー海戦をご存知でしょうか。
空母4隻を擁する日本海軍が、空母3隻しか動かせなかったアメリカ軍に敗れ、
それまでの破竹の進撃を止められた最初の大海戦です。

この時、暗号を解読される、敵戦力の誤計算、日本は偵察の不備、敵を発見してからの兵器交換、
アメリカの多段攻撃への対処不備など、幾つかの失敗を繰り返し、
表面上は有利な戦力からの大逆転負けを喫します。
それはもう、アメリカ視点での映画になってもいいくらいの負けっぷりです。

ところが実際には、当時ようやく「主力」だと判明しつつあった航空機の数では、
日本側は最初から不利な状況にありました。
空母の数は違っていてもミッドウェイ島の地上基地にも航空機があったからです。
また、幾つかのミスも、集中してしまった感はあるものの、
一つ一つはアメリカもよくやらかすような凡ミスで、致命的なものではありませんでした。

さらに、この海戦が分が悪いことは、机上演習で事前に分かっていました。
机上演習というと、机上の空論のような、自分の都合のよいやり方という印象を持つ人が多いでしょうが、
さすがにそれは一国の軍のエリートを舐めすぎです。
机上演習の結果、順当にいっても同点ドローぐらいじゃない?という試算はできていました。
ところが、「今の爆弾は当たらなかったことにしよう」的なズルを行い、
「まあ何とかなるでしょ」という感じで踏み切ってしまいます。

ほれみろ我田引水じゃんちゃんとやってないじゃん、と思うかもしれませんが、
これにも事情があり、当時の日本は当初予定の近場を全部制覇して手詰まりに近く、
また一方で、アメリカに大打撃を与えて早く休戦協定を結びたいという政治的な理由がありました。
ゆえに、不利だろうが結果が見えていようが、とりあえずはやらないわけにいかなかったわけです。

ブラック企業のエリート営業が、不眠不休で働いて成績を上げた挙句、
それでもノルマ未達で無理をして事故を起こしたような、長い前振りがあった上での敗北だったと言えます。


さて。
話は、「机上演習でドロー」というところを切り出します。
当時の机上演習がどのようなものだったのかはわからないのですが、
日本側は空母2隻を喪失、アメリカ側は1.5隻程度、一局の戦闘としてはドローだよね、
という感じの試算でした。
怠慢や不運を加味した結果、日本側のダメージはより大きくなるのですが、
不意に出現した米空母からの攻撃で2隻を失うなど(実際には3隻+後で通常戦闘で1隻)、
史実を予見していたのも示唆的です。

今回、AIが棋士に安定的に勝利したことは、人間の頭脳集団をAIが上回る可能性を示しています。
特に軍艦の戦闘、飛行機の戦闘は、統計的にまとまりやすいことが知られ、
またそれぞれが将棋の駒に近い性質を持ちますから、
AIによる予測というものが比較的容易に実現します。

実際、現場レベルでは、敵の攻撃の迎撃をコンピュータに任せることができます。
護衛艦で有名なイージスシステムがそれです。
イージスシステムは1980年代当時のコンピュータによるものですが、
当時のレベルでさえ、128目標を同時に把握して優先順位をつけ、10以上を同時に迎撃します。
当然、人間には真似のできない芸当。
これが、戦略レベルになっていくわけです。

そうなると、人間の判断というものよりも、
コンピュータの方が全体的に優れているということになっていきます。
囲碁の記事のような、神の一手で敗れることはあっても、5戦やれば4戦は勝つわけです。

まあ、そうなると、要するに、いいコンピューターを開発した国が勝つと。
戦争というのは、利益や信念を通す一手段でしかないわけで、
経済戦争も通貨戦争も権力争いも、コンピューターが全部予測してやると。
70年代の凡庸なSFのような未来が、より薄気味悪く実現しつつあるわけです。
ターミネーターで描かれるような、無慈悲なAIが生まれるとは思いませんが、
しかしやはり味気なく不気味な世界で、
我々は楽しく生きていくんだろうなぁという気がしました。

軍事モノに興味がない人でも読みやすいように書いたつもりですが、
知識の羅列→文章の構成にもロジックがあり、
また音楽におけるゴールデンコードのような文章展開もロジックにできる以上、
そのうちこういう文章もAIが書いてしまうんでしょうねえ。
特別に味のある作風や、芸術的に優れた文章構成を除いて、ね。

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