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2015年09月20日01:12

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懐中電灯と設計思想(1)

また趣味の話なので、例によって読む価値が薄いと思われます。

まるちゃんと、設計思想の話、マニアックな懐中電灯の話を少しして、
どこまで踏み込むべきかわからず半歩引いていたのですが、
ちょっと消化不良を起こしたので気がすむまで書こうと思います。
書きたいだけなので、まるちゃんも読まなくて大丈夫です(笑。

(1)とか付けるといつも第2話の前に連載終了するのが玉に瑕ですが、
まあいいでしょう(いいのか)。


懐中電灯の設計思想の話をする前に、前提として明るさの名称を定義しておきます。
また、昨今はタクティカルという、防犯ないし特殊部隊向けのものが流行っていて無視できないため、
便宜上タクティカル(T)とデイリーユース(D)の二つの目的に分けて話を進めます。
最小のモード数は1、徐々に増えていきますので、系統樹を意識してみていただけると良いかと思います。

【暗いモード】
2モードの場合は暗いほう。3モード以上の場合は明るいモードと特殊モードを除いたもの。
●MOONモード
 ここ数年導入されている、点いているかいないかわかりづらいほど暗いモード。
 タクティカルでは隠密行動の補助、デイリーユースでは常夜灯としての用途が強い。
 特殊な用途では、星座観察のようなシーンでも活躍するらしい。
 暗順応を妨げないようにするため、点灯時の優先度は比較的高い。

●LOWモード 略称:L
 MOONモードを除き、そのライトで一番暗いモードを指す。
 T/Dどちらの用途でも、手元〜足元の確認など補助的に使われる。
 点灯の優先度は高くないが、使用頻度が高いため結果的にライトの使い勝手を左右する。

●MEDモード 略称:M
 MOONとLOWを除いたモード。
 複雑なインターフェースにより複数のMEDモードを備えるものもあるが、
 ここではすべてMEDでまとめる。
 個人的見解になるが、MEDは専門性が高く、優先度が低い。


【明るいモード】1モードの場合は全て。全ての基本。
●HIGHモード またはHI 略称:H
 そのライトで持続可能な、もっとも明るいモード。
 無理をした機種になると、HIGHで光量を維持できず、結果的にターボのようになるものも。
 Dユースでは優先順位は高くなく、Tユースでは高い。

●TURBOモード 
 時間制限ありで短時間だけ使用できるモード。
 スペック上の最大光量を意味するので、無理をして搭載しがち。
 時間制限の主な理由は放熱。
 Dユースでは存在意義そのものが(マニア受けの良さを除いて)薄い。
 Tユースではもっとも優先順位の高いモードの一つ。

※ほとんどのモデルで、ターボで放置すると10秒〜3分程度でHIGHに自動的に移行します。
 そのため、ターボといったときにHIGHモードへの移行も想定に入っていたり、
 HIGHといったときにはじめにターボが入ることを想定していたり、
 逆にターボとHIGHを区別した上で、まとめてMAXと呼んだりします。

【特殊モード】
●タクティカルストロボ 防犯ストロボ 
 通常、懐中電灯の話題でストロボというと、自転車用ではなくこちらを指す。
 激しい点滅で相手の感覚を損なわせる目的。
 より眩しく感じさせる、平衡・方向感覚を失わせる、
 銃撃戦の場合はライトの照射方向がわかりにくくなる、という特性がある、らしい。
 ただし、同じ効果を自分も食らう(笑。
 Tユースでは優先順位が極めて高い。
 Dユースでは最悪の邪魔(個人的見解)

●SOS モールス発光信号でSOSを送る。
●ビーコン 2〜3秒に1度、ピカッと光る。基本的には位置を示す。搭載機種少ない。
●自転車ストロボ 自転車用のスローなストロボ。搭載機種少ない。


おおまかに、こんな感じでしょうか。点灯の優先順位をもう一度抜き出すと、

タクティカル(T)・・・ストロボ > HIGH > (MOON)> LOW > そのほか
デイリー(D) ・・・ (MOON)> LOW > (MED) > HIGH > そのほか

点灯の優先順位とは、より少ない操作で点灯する必要があるものほど優先順位が高いということです。
例えば、LOWはクリック1回、ストロボは連続クリック5回で点灯するライトで犯人と銃撃戦をする場合、
「逆にしてくれ!」と誰もが思うでしょう。
これは、銃撃戦を意識したタクティカルライトの場合、
ストロボやターボと言った強烈な光の優先順位が高いことを意味します。

優先順位にはもう一つ意味があり、インターフェイスの都合で、
あるモードを経由しなければ次のモードに移れない機種が多くあります。
例えば、ある懐中電灯は常に点灯時にHIGHで点灯、
調節ボタンを押すたびにHIGH→MED→LOW→MOONと点灯するとします。
(これはタクティカルを意識した配列と言っていい)
この場合、夜目を保護する役割を持つMOONが最後に来ていますので、
激しく明るいHIGHやMEDを経由するのは非合理的です。
犯人と格闘するような場面とは違う意味で、MOONは優先順位が高いのです。
(ただし、MOONは必要としていないユーザーが多く、
実際には比較的優先順位の低い位置にあるケースも多くある)

LOWの重要性はそれらとはまた別の話です。
もちろん、LOWも暗いモードであるためHIGHを経由すると眩しくはあるのですが、
MOONほど繊細ではないので許容範囲は広めです。
ただ、このLOWモード、やたらめったら使う回数が多いため、
不便な位置にあると手間がかかってしょうがないのです。

例えば、現場のおまわりさんが良い懐中電灯を買うとき、
必ずタクティカルなものを選ぶでしょう。
場合によっては犯人と格闘になるかもしれませんし、
万一の銃撃戦では優位に立ちたいと思います。
けれども、実際には圧倒的に多く使うのは、相手のIDを確認するときでしょう。
このような用途では眩しすぎては誰もが迷惑ですので、
とりあえず手元が見える程度のLOWが活躍することになります。

それらと比較すると、MEDはあきらかに一段低い位置にあります。
人によっては○○にはこれくらいの明るさがベストという動機を持ちますが、
この場合の○○は緊急性を伴わないことが多いのです。
一刻を争う配電盤の修理!などはあまり多くなく、
そんなに緊急性が高いなら不愉快とか見づらいのは我慢して、
LOWかHIGHでも済んでしまうのではないでしょうか。

SOSに至っては遭難したときに出し方をかろうじて覚えていればよく、
ビーコンや自転車ストロボもせいぜいMEDレベルでしょうか。

結果的に、各モードに下記のような要求が発生します。

ストロボ ・・・ 最速で出せなければ存在意義そのものがない
HIGH/ターボ ・・・ タクティカルな用途では優先順位高い
LOW ・・・ どの用途でも使用率が高いという意味で優先順位が高い。
MOON ・・・ 速度は遅くても良いが消灯からダイレクトに出せるか、目で見ずに出すことができる。


モードの数というのはスペック競争の一環でもあるため、
上記の欲求を満たしつつ、多モードを盛り込むのが昨今の懐中電灯の設計の見せ所ということになります。

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