世の中の経済関連の「常識」には、日本を成長「させない」ために編み出されたロジックが少なくありません。
典型が、「人口減少衰退論」です。
人口が減ると、経済成長できない。と、現在でも多くの日本国民は信じているでしょう。
とはいえ、人口には「総人口」と「生産年齢人口」の二種類があるのです。
不思議なことに、「人口」と経済成長を絡めて語る人は、なぜか全員が総人口と生産年齢人口を区別しません。
総人口と生産年齢人口は、経済的に全く異なる意味を持つにも関わらず。
総人口とは、要するに「総需要」です。
そして、生産年齢人口(15歳−64歳の人口)は「供給能力」に当たります。
総需要と供給能力をごっちゃにしてしまうと、国民経済は何も分からなくなってしまいます。
今後の日本は生産年齢人口対総人口比率が60%を切る「超人手不足」の時代に突入します。
すなわち、総需要(総人口)に対し、供給能力(生産年齢人口)の割合が下がっていくのです。
総需要に対し、供給能力が不足する。
近い将来、日本はインフレギャップの局面を迎えることになります。
そして、インフレギャップ下における生産性の向上こそが、経済成長を実現します。
と言いますか、経済成長とは「インフレギャップ+生産性向上」以外の理由では、ほとんど起きません。
今後の日本は、高度成長期(当時もインフレギャップ)と同様に、生産性向上で経済成長する絶好の機会を迎えるわけです。
このタイミングで、生産年齢人口対総人口比率が下がっていくなど、まさに「日本の神様からのプレゼント」としか思えません。
ところが、普通にマスコミに接していると、「日本は人口が減少して衰退する〜」という論調で頭の中が染められてしまいます。
なぜ、マスコミでは「生産年齢人口対総人口比率の低下が経済成長の大チャンス」という事実が語られないのでしょうか。
一つの理由は、上記の「成長モデル」では、国民が豊かにならざるを得ないことです。
その何が問題なのかと思われたかも知れませんが、「人件費を抑制し、利益を最大化することが必要」と考える方々にとっては「問題」ですよね。
さらに、そもそも日本国民の多くは自虐主義の色が濃く、「人口減少衰退論」といったネガティブなロジックが受け入れられやすい土壌があることも問題です。
というわけで、データと論理に基づいて「生産年齢人口比率が低下することは、逆に経済成長の絶好の機会である」とお話しすると、「反発」を覚える日本国民が少なくないわけです。
反発を覚えた人たちは、日本が経済的に衰退する理由を懸命に考えようとします。
いわゆる「認知的不協和」の一種ですが、この手のやり取りを何百回もしていると、今後の日本が経済成長するか否かは、結局は「心理学」の問題であるように思えてくるわけです。
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