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2012年01月25日14:44

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1・24日本武道館 序章

タイトルだけでピンとくる人は、60歳に近く、
昔グループサウンズなる音楽に夢中だった人だ。

41年前の1月24日、日本武道館でのコンサートで
ザ・タイガースというバンドが解散した。
その時のメンバー5人、
沢田研二・瞳みのる・森本太郎・岸部おさみ(一徳)・岸部シロー。
誰もが100%ありえないと思っていたこの5人が41年の時を経て、
皆の前に揃って姿をみせた。

ありえないと思われていた理由は二つ。

一つは瞳みのるさん。

解散後、業界に一切背を向けて、慶応高校の中国語教師をし、
著作も多くその道では高名な教育者となり、
頑ななまでに、それまでの人間関係すべてを切り捨てた人生を送っていた。

もう一つは岸部シロー。

脳梗塞の後遺症で歩行困難、
心身共にとてもステージに上がれる状態ではなかった。

この二つがどうなってクリアできたかは、ちょっと調べれば解かる事なので、
僕は今回のコンサートでの自分自身の感動的な出会いを綴りたい。
まず事の発端となったメールを下記に全文載せる。



(10/2発信)

瞳みのる様

突然のメール失礼します。

私、中野豊と申します。57歳です。
この度はドラマーとしての再スタートおめでとうございます。

本来ならば、大喜びで妻(55歳)と共にコンサートに行くところですが、
残念ながら妻は8年前の夏に脳幹梗塞で倒れ、
運動機能を失なってしまいました。
自分では一ミリも動けず、舌がよく動かないので、会話もできません。
ただ意識障害はないので、すべて状況は自分で解ります。

7年前から在宅介護で世話をしています。
車椅子に乗ったままの移動はできるようになったので、
一回だけコンサートに行った事があります。
しかし、今は皆さん開演と同時にスタンディングされるので、
やっとの思いで車椅子に座っている妻は、
残念な事に大勢の人のお尻を見るだけになってしまいました。
本当に切なかったです。
以来、コンサートは諦めています。
今回もDVDが発売されたら、それを自宅で鑑賞しようと思ってました。

ところが追加公演の1/24日本武道館が決まった時に心が騒ぎました。
この日この場所は、余りにも特別なものです。
それに妻の誕生日は1/29です。
もしコンサートに行けたら、
47歳の夏からすべてを人に委ねて生きるしかなくなった妻に
最高のプレゼントになると思いました。

ただどんなに頑張っても、
前に人が立つ事がない最前列の席を確保する事は不可能なので、
勝手ながら、思い切ってメールをしてしまいました。

今回だけは何もせずに諦める事ができませんでした。
何もせずに後で後悔するより、ダメでも行動して、
その行動を自分の中で妻へのプレゼントとしたいと思います。

メールが長くなり申し訳ありません。
もとより何とかなるなどとは、全く思っていません。
ただ大げさに言えば、「死ぬ時に後悔したくない」ので、
メールさせていただきました。

失礼なメールをした事、お詫び申し上げます。
本当に申し訳ありませんでした。

これからも更なるご活躍をお祈りしております。




翌日、あろう事か返信があったのだ。
これも原文のまま載せる。


(10/3着信)

中野様:
本当にお気の毒です。何とか来てご覧いただければと思います。
私の力だけではどうにもなりませんので、一応沢田の事務所の方と
相談して見ました。彼らは彼らなりに方策を考えてくれるようです。
ただそれでも駄目な場合は悪しからずご了承ください。戴いたメール
事務所の方に印刷して渡しました。
ひとみみのる



メールを読みながら、涙が溢れてくるのを止める事はできなかった。
ここから事態が動き始めた。

以降、次回。
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