mixiのコミュニティを長年見ていると、一人で演じる複数アカウントがたくさんあることに気づく人も多いだろう。
その使い方にもいくつかの型があるように思う。
単純に「趣味用」「仕事用」「愚痴用」と使い分けるだけなら、特に不思議ではない。
でも中には、別人が複数存在するように見せるためにアカウントを使う人たちがいる。
こうした行為は、研究では「sockpuppetry(ソックパペット)」と呼ばれている。
一人で複数人格を演じるタイプもあれば、複数人で役割を分担しているように見えるケースもある。
たとえば、私がこれまで見てきた中では、こんな型がある。
男女で組んで、お互いをサポートするタイプ。
一方が何か言うと、もう一方がすぐに同意したり擁護したりする。
男女という設定にすることで、単なる自演よりも「別々の人が同じ評価をしている」ように見せやすい。
リーダーと周辺人物を演じるタイプ。
中心人物がいて、その周囲に昔からの友人、理解者、応援者、時には批判役まで配置する。
そして「昔から知っている」「私生活でもつながっている」と匂わせる。
そうすると、外から見た人には、
「この人には昔からの仲間がいる」
「この人は多くの人から信用されている」
「ネットだけの薄い関係ではない」
ように見える。
でも、もしその周辺人物まで同じ人、あるいは同じ仲間内で演じられていたら、見えている人間関係そのものが演出ということになる。
ここが普通の複垢との大きな違いだと思う。
複数アカウントを持つだけなら、それは単なる使い分けである。
しかし、
「複数の人間が存在しているように見せる」
「複数人が自分を支持しているように見せる」
「昔からの交友関係まで演出する」
となると、話は別になる。
これは単なるアカウント管理ではなく、人間関係そのものの演出になる。
しかも面白いのは、こうした人たちが必ずしも同じ役しか演じないことだ。
ふざけた人物。
真面目な人物。
管理者タイプ。
若い人。
年配者。
味方。
批判者。
キャラクターごとに口調や立場まで変える。
中には、複数のアカウント同士で会話し、昔話まで共有し、私生活でつながっていることを匂わせるケースもある。
すると見ている側は、自然にこう考える。
「この人たちは本当に昔からの友人なんだろう」
「この人にはちゃんと仲間がいるんだろう」
「これだけ何人も同じことを言うなら、本当なのかもしれない」
でも、そこがソックパペットの面白くて怖いところでもある。
画面上に5人いるからといって、本当に5人いるとは限らない。
もしかすると一人かもしれない。
あるいは二、三人の小さなグループが、もっと大きな集団に見せているだけかもしれない。
さらに、こうした人たちは人間関係が深まりそうになると、急にアカウントを消したり、トピックを消したり、コミュニティから抜けたりすることもある。
お友達ができたと思ったらある日突然相手が文句を言い始めたり、マイミク解消されて新たな副管理人が現れて処分はされたり、地に落とされる人もいる。
まるで、膨らませた風船を最後に割ることまで含めて遊びになっているように見えることがある。
人を集める。
関係性を作る。
キャラクターを増やす。
そして突然壊す。
壊した瞬間、周囲は驚く。
もしかすると、その反応を見るところまでが目的なのかもしれない。
もちろん、外から見ただけで「誰と誰が同一人物か」を断定することはできない。
むしろ複垢を使う人が何人も同時に存在すると、組み合わせはさらに複雑になる。
だから私は、誰が誰かを決めつけるより、
ID、出現時間、退会のタイミング、投稿の癖、共有している内部情報、人間関係の設定
を眺める方が面白いと思っている。
SNSには、現実では難しいことが簡単にできる。
一人で仲間を作ることもできる。
一人で敵を作ることもできる。
一人で「昔からの交友関係」まで作ることができる。
そう考えると、ネット上の人間関係というものは、案外「人数」ほど確かなものではないのかもしれない。
そして私は今日も、
誰が誰なのか分からないまま観察中である(笑)
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