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2026年07月24日00:19

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昔はベテランにも厳しかったのよね(大幅加筆あり)

漫画『負けヒロインを勝たせたい!!』秋田書店で連載中止&出版停止で謝罪 作者、編集者の対応に苦言!信頼関係の構築が困難
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=8878861

「ポーの一族」で一躍天才と言われ始めた萩尾望都先生が、少女コミックで「トーマの心臓」の連載を始めたとき、週刊誌の読者層に比べて高尚過ぎたのか「毎週の人気ランキングでどん尻なので連載をさっさと終わらせてくれないか」と編集長にいわれてしまったそう。
先生激昂するでもなく「今終わらせたらこの物語の存在の意味もなくなります。とにかく最後まで描かせてください」と強気で押し切った萩尾先生。内心ずいぶん落ち込んだろうなあ。
で、人気どん底のまま単行本を出したらいきなりバンバカ売れ始めた。それで、あほ編集者はやっと彼女の真の価値がわかったのです。ポーの一族でもそうだったじゃないか、単行本でまとめて読んで、初めて萩尾世界がいかに精巧に構築されていたかわかるんだよ。
ヒットし続けてるんで風呂敷たたまないでどんどん引き伸ばしてねと言われてるうち話が破綻することの多い、ひと昔前の少年漫画とは違うんですよ。
少女漫画、あるいは萩尾望都先生をなめてかかっていた編集者が一番お勉強になったでしょうね。

ついでに、そういった意味で私は池田理代子先生の「ベルサイユのばら」は他に類を見ない偉業にして名作だと思っています。
彼女が、高校2年生の夏に読んだツヴァイクの『マリー・アントワネット』に刺激を受け、フランス史について勉強を続け、24歳の時に「週刊マーガレット」で連載を始めたのがこの作品ですが、当初は「ベテランでもないのに少女相手に歴史ものなんて書いて面白く読ませられるわけがない」と編集に反対されました。池田先生は「絶対面白いものにして見せます!」と執念で連作を勝ち取り、1972年の21号から始めて1973年の52号で終了させました。
本来はマリーアントワネットが主人公だったのですが、女性にして近衛連隊長のオスカルに人気が集まりすぎて、物語はフランス革命でオスカルが死亡するところで終わるものと思われました。が、彼女は「アントワネットの一生とその時代を描く」という方針を捨てず、事実上の主人公となっていたオスカルがなくなった後も、変わらぬ情熱で彼女と恋人フェルゼンの一生を描ききりました。編集としては、オスカルがなくなってからのアントワネット編は単行本にしなくてもいいのではという態度であったと聞きます。
その内容の破綻のなさ、見事な構成、少女から大人までを満足させる華麗にして流麗な絵。そして短い期間で自分の主義を曲げずに描き切った手腕。
フランスから、レジオン・ドヌール勲章をもらっただけのことはあります。

ところで今は亡きマイケル・ジャクソンが好きな香水は、ジャン・デプレの「バラベルサイユ(Bal à Versailles)」と聞いたときは、ちょっと胸が震えましたね。
漫画とは関係ない香水ですが。
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