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2025年12月24日18:12

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2025年末 横浜ライド一筋の光を通過させて ― 孤独な番人と過ごす聖夜(イヴ)の前奏曲 ―>テーマ曲 ZARDの33thシングル「promised you」第5回11月30日(日)第6回12月23日(火)ノルウェーのクリスマス 

<2025年末 横浜ライド一筋の光を通過させて ― 孤独な番人と過ごす聖夜(イヴ)の前奏曲 ― 2025年11月30日(日)2025年12月23日(火)>



喧騒の陰に潜む、静謐な横浜を求めて。紅葉から聖夜へと移ろう季節のなか、愛用する700cの自転車と共に辿ったのは、過去の約束と、まだ見ぬ未来の境界線。西洋館に宿る異国の記憶や、伝統工芸が紡ぐ光の断片に触れるとき、孤独は気高い『自分への贈り物』へと姿を変える――。

11月30日(日)2025年末第5回横浜みなとみらいライドのもみじの季節から 第6回12月23日(火)のクリスマスシーズンまでの旅物語である。テーマ曲はZARDの冬を彩るバラードナンバー、西暦2000年11月15日に33枚目のシングルとして発売された「promised you」である。同曲は、ゆったりとしたシンセサイザーのリズムに合わせて、坂井泉水の切ない声が物悲しく響く。紅葉が彩る秋から殺風景な冬場に、恋人との約束を守れず、葛藤を抱えながら一人の若者へ置き換えて旅を勧めていく。


写真左=ZARDの33thシングル「promised you」のジャケット 掲載元 wezard
https://wezard.net/discography/promised-you/
写真右=promised youのMV撮影時の坂井泉水 出展:printerset https://jp.pinterest.com/pin/771030398706214000/
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 目次
・第1章 落葉のパヴェを辿って ― 二度と戻らない足跡と自転車との対話 ―
 
 スポット1 都筑区湖北ニュータウンをサイクリング
 スポット2 西区野毛山公園
 スポット3 中区横浜公園
 スポット4 中区三渓園
 スポット5 中区大桟橋 中区日本大通&横浜公園

・第2章 12月23日(火) シルエット・クリスマスの前奏曲 ― 届かなかった約束と、長老ニッセの無言の啓示 ― 

 スポット1 中区みなとの見える丘公園イギリス館
 スポット2 中区イタリア山庭園外交官の家

・第3章 切なる願い ― 絹の糸が紡ぐ未来の座標と、夜空に放つ約束 ―

 (続)
 スポット3 中区イタリア山庭園内ブラフ18番館
 スポット4 中区横浜人形の家
 スポット5 中区シルクセンター
 スポット6 都筑区川和富士公園
 スポット7 東京都町田市鶴川商店会イルミネーション

第1章 落葉のパヴェを辿って ― 二度と戻らない足跡と自転車との対話 ―横浜市都筑区、西区と中区に跨るみなとみらいと本牧町三渓園の紅葉−

      スポット1 湖北ニュータウン

 横浜市の都築区荏田から仲町台へかけて、集合住宅地の間の細い遊歩道は、11月下旬にモミジが赤色に、クヌギやコナラがオレンジに色づいた。谷間に沿うように宅地と宅地を結ぶ歩道沿いは、雨水が溜まり、清らかな流れとなって、窪地へと集っていく。黎明の余韻が残るなか、せせらぎの小径をゆっくりと辿る。せせらぎの道とゆうばえの道の分岐点では、真っ赤な落ち葉が筏のように浮かんでいた。湖面をのぞくと、枝についた葉っぱと空を背景に、自分の顔が映り込む。水面に映る自分の顔は、揺らぎの中で輪郭を失い、まるで実体のない影絵のように溶け込んでいた。
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 ささぶねの道から大原みねみち公園を経て、せせらぎ公園へと向う。すでに足元には茶褐色の欅の葉っぱが絨毯と化している。当時モミジは日の光を受けて、鮮やかな輝きを帯びていた。田畑が残る茅ヶ崎公園から45号線を挟むと、新たにせきれいの道と名づけられ、仲町台方面のせせらぎ公園へとつながる。市営地下鉄の仲町台駅に程近い「FRESCO」のカフェテラスは、白色や緑色のパラソルの傘に、テーブル椅子が並ぶ。地中海のサントリーニ島を彷彿とさせる白い壁画は、黒枠に覆われている。モミジ越しに外から観察すると、かつて好きだった人と分かち合ったテラスでのランチを想像した。

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あのとき、世間話から始まり、将来の希望を語り合った。どこかリラックスして、温かい日差しを受けながら食事しているうちに、彼女はいつの間にか眠ってしまった。今一人そこで休んでいる時間はない。せせらぎ公園からセキレイの道の先へと進み、すれ違う散歩客を気にしながら、色づいた木々を眺めた。公園を挟み、住宅地を結ぶ鮮やかなトンネルは、よどみがなく、澄み切った空気が流れていた。早淵やまどり公園を目の前にして、ブレーキを握り、スタンドを立てた。住宅街脇人工林の中で役目を終えたケヤキの葉っぱが積み重なっていた。薄茶色のケヤキはひときわ早く落葉する。モミジやイチョウの葉が最後の輝きを放つ頃、すでにケヤキの木の根元は絨毯と化す。木漏れ日が差し込む中、堆肥枠を覗き込もうと歩みだした。木の幹が落ち葉に陰のように映り込む。ふと足を止めた。二度と戻らない季節の断片を、記憶の底から拾い上げる瞬間でもあった。

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かつて二人で歩いた足跡がもうどこにもないことを知りながらも、自分を待っている『新しい明日』の輪郭を見ようとしていた。

         スポット2 西区野毛山公園

自転車に跨り、みなとみらい地区へと移動する。険しい坂の上に位置する野毛山公園で一息ついた。午後の柔らかな日差しを受けて、モミジが光を反射する様は、天然のステンドグラスのようである。

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写真に収めると、まぶしすぎて、光沢を帯びる。スポットライトを浴びた舞台俳優のように、華やかでありながらも、一抹の寂しささえ抱く。まもなく訪れる冬に備え、北風と共に、枝から離れ落ちていく。ベンチに座りお弁当を食べている最中、時の運命の儚さを知るからこそ、一段と身が引き締まる思いだった。冬の午後は短く、あっという間に陽が落ちていく。

           スポット3 中区横浜公園

 坂道を下り、知る人ぞ知る紅葉の名所、横浜公園内の日本庭園の門を潜った。横浜スタジアムが聳えたつ中、水場を中心にこんもりと緑が生い茂った空間は、都会のオアシスである。茂みの中から小さな生き物が遠慮がちに姿を見せた。柔らかな毛玉のような塊が、わき道で震えていたのである。若い母親から離れた小さい子供が近づくと、薮の中に引っ込んでしまう。「ウサギさんおいで!」と声をかけて近づこうとする。すると体の向きを変えて、茂みに飛び込み、少し先で姿を再び現した。

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まったく引っ込む様子もなく、我々ヒトにはなれているようだった。ただ恥ずかしくて、素直に慣れないのかもしれない。騒がしい世界から隠れるようにして生きていた幼い頃の自分の記憶を呼び覚ましてくれた。
庭園から離れ、都市の動線(フロー)に身を任せ、左端のラインを疾走する。


      スポット4 三渓園

目的地は本牧町の三渓園である。古い日本母屋とススキが織り成す、風雅な光景に、時がとまったような古都の趣を感じた。

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午後3時30分過ぎ、季節限定で公開された緑道は、日が翳った影響により、モミジは深い眠りからおちたかのように、色味を失っていた。混み合った緑道では、石畳の階段を一歩ずつ互いに譲りながら昇り降りする。カップルらの会話が聞こえてくると、孤独感がよぎってしまう。恋が愛に変わった瞬間とは、今の自分を見つめることにつながる。幸せそうな家族には確かにあこがれる。別れた彼女も、こうして冬を前に散りゆく葉っぱを眺め、季節の変わり目を堪能しているかもしれない。それぞれ別々の場所で、同じ目的を抱いて進んでいくことが、互いの「幸せ」だといえる。どんな人でも、歩むべき道筋がクリアに写ることはない。白く煙った宇宙から、輝く星を求めて、夕暮れ時大桟橋へと足を伸ばした。

     スポット5 中区大桟橋 中区日本大通&横浜公園

 みなとみらいのビル群を一望できる大桟橋のデッキから、茜色に染まる町にカメラのレンズを向けた。シンボルとなるコスモクロックは、午後5時を境に、黄色、緑、オレンジ、青を含め、多彩な色によって揺らめく。やがて、すべての色が一つに溶け合う「極彩色」の瞬間は、西洋物語の「黄金色の都市」にふさわしい光景だった。空が暗くなっていくにつれて、色彩豊かなグラデーションによって、夜の町に活気をもたらしていた。

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 帰り道、日本大通沿いは、昼間真黄色のイチョウの葉が、ライトに照らされて、オブジェのように連なっていた。背景のレンガ造りのモダンな建物と合わさって、荘重で気品のある趣を成していた。

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日本大通に面した横浜公園で開催されたクリスマスマーケットでは、沢山のブースが並ぶ。サンタの姿をした店員が、子供たちを誘い込んでいた。賑やかな広場の片隅で、静かに日本庭園のモミジがライトに照らされていた。ウサギに出会った水辺の生垣は暗闇に覆われるなか、赤味を帯びたモミジの枝ぶりが浮き彫りになる。一葉一葉が「輪換(りんかん)の美」を競うように咲き誇っていた。冬を前に解き放たれる落葉広葉樹の躍動感を目に焼きつけた。

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 第2章 12月23日(火) シルエット・クリスマスの前奏曲 ― 届かなかった約束と、長老ニッセの無言の啓示 ―            

詳細 画像掲載元 ノルウェーのクリスマス 山手西洋館 外交官の家より
https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/yamate-seiyoukan/details/post-835.php


 大桟橋で見たあの極彩色の輝きから、季節はさらに進んだ。12月23日(火)平日に、再びみなとみらい地区へ向って自転車を走らせた。海沿いからこんもりとした高台へとつなぐ急峻な谷戸坂を息せき切って登っていく。サドルに座ったまま、膝に力を入れてペダルをこぐ。冷たい空気の中でも、吹き出す汗が、蒸発していくように、熱気がこもっていた。

      スポット1 みなとの見える丘公園内イギリス館

みなとの見える丘公園に位置する2つの西洋館の一つ、「イギリス館」都市郊外コツォルスの町のクリスマスの食卓が再現されていた。シルエットカーテンによって、幾分日差しが遮られる中、長い影が伸びていた。ツリーの根元に置かれた小さなバスケットには、3匹の子グマが身を寄せ合っていた。食事する一家を足元から見上げた。人もクマも感受性が豊かで、共に自然の恵みを享受していた。伝統的なかつての貴族が所有した屋敷林が残るイギリスでは、世界に先駆けて動物保護が進む。今我々人と種を超えた共存に向けて動き出している。

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隣の主寝室では、サンタクロースを迎える準備が整えられていた。その一角サンルームでは、クリスマス・グロットと呼ばれる「サンタクロース」用の、木の柱で立てられた三角屋根が置かれていた。その脇で、橇を引くトナカイが待機している。イギリスでは19世紀に始まり、子供たちがサンタさんに会えると期待に胸を膨らませていた。

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イギリス館を訪問した旅の成年は、遠い将来の自分を見つめる。確かに人は先のことは見通せない。未確定な運命のレールの上に立たされている。子供の頃に立ち返ると、常に理想の自分を追い求めて邁進していた。サンタさんがくる、とかつての自分はそう信じ、クリスマスが近づくにつれて、良い行いをしようと誓った。勉強をしたり、掃除をしたり、親の手伝いをしたりした。不透明な宇宙の中に、一筋の光が確かに宿っていた。

        スポット2 イタリア山庭園内外交官の家

 西洋7館のうち、イタリア山庭園内の外交官の家で飾り付けられたノルウェーのクリスマスの装飾にひきつけられた。森と湖の国北欧のノルウェーは、妖精ニッセが森の中から人里へと姿を表した。我々人々の営みを、屋根裏からこっそりと見つめる。
一階の食堂では重厚なオーク材のテーブルを、一本の赤いテーブルランナーで覆う。国伝統のモミの枝をそのまま横たえたセンターピースが設(しつら)えられている。 本来、空を目指して伸びるはずの枝葉が、横倒しになって卓上を彩っていた。華やかな喧騒とは一線を画す、寒い北国の静寂な佇まいを残していた。
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 内気な青年は、社交界の場で、上手く自分の意見を言えなかった。彼女といたときもそうだった。なぜか、街中を歩いていると、途中会話がとまってしまう。視線を落としながら雑踏をかきわけると、彼女を見失ってしまう。気がせいていると、歩幅を意識できなくなる。彼女はこう思っただろう。「なぜそんなに早く歩くの?もっとスピードを落としたら疲れないのに」
 
いまさら答えを出しても仕方なかった。

 階段には、毛糸で作った温かみのある「ニットポンポン」や、雪玉に見立てた「スノーボール・ポンポン」が、硬質な木材に静かに息を吹き込んでいた。その柔らかな質感は、凍てつく冬の夜に灯る、小さな希望の輪郭のようにも見える。2階には、妖精ニッセ達の世界が広がっていた。寝室の片隅、柔らかな布製のシェードランプが、冬の午後の陰影を優しく溶かしている。ピンクのシーツがかけられたベッドにはワイヤーが結ばれ、8匹のニット達が対話しているようだった。枕元には、一匹のニッセが子熊を抱えながらうつぶせに寝ていた。真ん中辺りで、ひげを蓄えた老人が腕を広げ、その脇で赤い頭巾を被ったおばあさんが、目の前のもう一組の家族に視線を注いでいる。ひげを蓄えたおじいさんと、金色の巻き毛のおばあさんが先頭に立つ。もう二人の女性も顔の彫りから年配者と見受けられる。ただ一人赤いニット帽を被った肌が透明な子供が混ざっていた。北国では、親戚一堂集り、豪華なディナーを並べる習慣が根付く。ニッセの世界でも、聖夜には、仲間と共に語り明かす習慣があるのか、ベッドの上のニッセ達は、一所で体を温めあっている様な明るくて朗らかな家族像がある。

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 純粋なニッセ家族とは対照的に、自分は正直ではなかった。どこを向いているのか自分でも分からず、行き先に迷ってしまったのである。別れたその時から、彼女もまた孤独だった。離れてしまって初めて気付くことがある。人の生活圏の片隅に生きるニットの躍動感溢れる世界に、いつの間にか入り込んでいた。彼女との「幸せになろう」との約束は果たせないまま、時が過ぎていった。将来不透明な自分は、プライドを守りたかった。連絡をそびれて、いつのまにか距離が開いてしまった。
寝室横八角部屋では、青いタオルがかけられた座椅子に、右手に赤い毛糸を携える、長老らしき貫禄のある一人のニッセが鎮座していた。寝室で会話をしていた2匹の老人と比べても、彫が深くて、鼻が長くて尖っていた。蓄えられた髭は、首元を覆い、髪の毛と一体化している。威風堂々とした佇まいは、群れることを拒み、自らの秩序を守り抜く「孤独な番人」そのものであった。

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「一人で生きるためには、たくましく、気高くあれ」。 彼の無言の教えが、冷えた私の背筋を真っ直ぐに伸ばしてくれた。

 迷いの中にある自分を律し、再び歩き出すための力を、その小さな長老から授かった気がした。

 
素朴ながら極寒の冬を乗り越える小さな命に突き動かされた。二度と戻らない過去の約束をしみじみと思い出して、胸が苦しくなる瞬間もあった。天然木の室内で、ニッセの世界に意識を潜ませるうちに凍えた心を溶かす一服の清涼剤に変わっていた。かつて愛した人がどこかで同じような温かさに包まれていることを願いながら、彼は静かに目を瞑った。不透明だった宇宙(そら)に、自分だけの確かな座標を見つけたような気がした。もう、立ち止まる理由はない。まだやらなければならかいことがある。そう自分自身に言い聞かせた。不透明な暗闇の中であっても、青年の中には、自分だけの座標が確かに灯り始めていた。


    第3章 切なる願い ― 絹の糸が紡ぐ未来の座標と、夜空に放つ約束 ―

外部リンク 横浜人形の家 特別展「開運!だるま大集合」
https://www.doll-museum.jp/16413

外部リンク 一般財団法人シルクセンター 国際貿易観光会館
https://www.silkcenter-kbkk.jp/

     (続)スポット3 イタリア山庭園内ブラフ18番館

長老ニッセの峻烈な眼差しを背中に感じながら、外交官の家を後にした。後を振り返ることなく、同じ庭園内のブラフ18番館へとつながる石畳の道を下った。室内の「オーストラリアのクリスマス」展では、南半球ならでの趣向が凝らされていた。サーフボートに乗って海から上陸するサンタの姿は、北国の人々を印象付ける。一階のダイニングでは、青を基調としたデザインで統一する。木材を一切使わず、いたってシンプルな飾りつけ、磨かれたグラスが織り成す透明感のある世界だった。
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 いつの間にか体の緊張が解れ、今ある幸せを噛み締めながら、もう一度みなとの見える丘公園を経由し、谷戸坂を下っていく。ブレーキを握りながら風を受けても、冷たくもなく、刺激的だった。登った道を下っていく時の開放感がライドの特徴である。苦労した後に味わえる達成感でもあった。

       スポット4 横浜人形の家

マリンタワーの麓のビルの一室の横浜人形の家では、特別展示「開運!だるま大集合」が開催中である。底の部分のみを平らかに設(しつら)え、全体は豊かな丸みを帯びたフォルム。 転んでも立ち上がるその不屈の造形は、古くから縁起物として日本人の精神に寄り添ってきた。その一作品「ダルマ武蔵」、鉢植えの代わりをダルマが成していた。その姿は番人さながら、睨みを利かしているように厳つい。目の淵を黒筆でなぞることにより、険しい表情になる。対照的に、作品「パンダだるま」は、子供たちが感情移入できるように愛らしい姿だった。全体的にふっくらと丸みを帯びて、瞳を中心に、筆で斜め上に向ってなぞる。黒と白のコントラストから、野生のパンダのぬくもりが伝わってきた。年の瀬になると、伝統的な神社やお寺で開催されるダルマ市は、今芸術の一分野としても定着している。

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常設展のスペース内で、期間限定で開催される杉田明十志(すぎためいじゅうし)の世界は、日常のぬくもりを与えてくれた。ダルマの世界とは対極に、動物やヒトの日常の愛おしさを、そっと掬(すく)い上げていた。その一作品「うさぎのお雛様」灰色の耳と黒い瞳の男女のウサギは、小さい子供の感情をいざなう。大人から見れば、擬人化された王朝物語の一幕にも映る。ささやかな幸せを描く男女の姿は、いつの時代にも色あせることはなかった。

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 午後2時30分から午後3時40分まで1時間10分程人形の家に滞在して、外に出た。山下公園を結ぶ「ポーリン橋」で、通行人が足を止めていた。建物の2階建てよりも背丈が高いイチョウの木が、いまだに黄色の葉を付けていた。角度を変えると、スリムな十角形のトラス構造をしたマリンタワーとほぼ並列に写る。寒空の下、強い意思を貫くかのように実直でたくましい姿は、人々の道標なる存在だった。


        スポット5 シルクセンター

 続いて訪問した「シルクセンター」、クリスマスの期間に合わせて、蚕で作ったコラボレート作品を公開する。奥まったホールでは、横浜市内の幼稚園や保育園、小学生達が、作り上げた作品が机の上に並ぶ。絹の貿易で栄えた横浜の伝統を引き継ぐべく、親子用の蚕の糸を材料にする手編み教室も随時開催する。柔らかい糸とはいえ、弾性があり、型崩れの防止には役立つ。雪だるまが見守る中で、それぞれ丸く編み上げた絹に、黒点をつける。目と口があると、命が吹き込まれたかのように、表情が豊かになる。子供達の感性が、作業を通して育まれていた。

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11月30日(日)から12月23日(火)を含め、ここみなとみらいで、青年は未確定な未来の中に、一つの希望を見つけた。今与えられたことを一つずつ積み重ねることである。子供でも大人でも基本的な姿勢は変わらなかった。
午後3時40分、高揚感をプロムナードに残し、陽が傾きつつある中、夕刻の軌跡を刻むように疾走した。―黄昏のパノラマが待つ展望台へ向けってー

     スポット6 都筑区川和富士公園

 日没後の午後4時45分、横浜市郊外の都筑区川和富士公園の標高87mの富士塚の天辺で、夜風に吹かれていた。麓の扇形のように広がった芝生広場には、サッカーをする子供たちやかけっこする親子の姿がある。遠くの空は、分厚い雲が発達していた。視線の先には、人々の活動を示す町の明かりが広がっていた。住宅地の中の見晴らしスポットは、暖かい家族像の姿を蘇らせてくれた。

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      スポット7 東京都町田市鶴川商工会イルミネーション

帰り道の最後に立ち寄ったのは小田急線の鶴川駅前の、地元商店会が展示した簡素なイルミネーションである。華美な都心の装飾とは一線を画す、地元商工会の手による温もり溢れるライティング・インスタレーションだった。恋人との待ち合わせにも使用される駅北口の小さな広場にて、ささやかな幸せを感じられる光景である。師走の喧騒を歩むビジネスマンの硬い表情を、魔法のように和らげてくれた。日本の鶴を代表する2体のタンチョウは、片隅で互いに見詰め合っていた。首を伸ばして上を向く子供を母親があやしているようだった。澄んだ空の下舞い上がる鶴は、浮世絵にも描かれている。

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もう一つ、通りに面したオブジェには、金色に光るツリーの下で、3匹の小熊が両足を広げてポーズをとっていた。長男一番後ろで、次男と三男を抱え込み、道行く人々を見つめている。我々の暮らしを温かく彩る冬の風物詩は、ほっこりと温かい家族の物語が描かれていた。

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失った瞬間、恋から愛に変り、約束の重みも実感した。一人で全て体験した出来事にも関わらず、心の中では彼女が常にそばにいた。またお互い何かを始めよう!見えない彼女に向って、そっとささやいた。世の中に生きる人々は、遠い先が不透明な煙った宇宙の中で、ありのままの自分を受け入れて、前に進んでいる。大桟橋から臨んだみなとみらいの光、川和富士から見下ろした生活の灯火、そして鶴川駅前で紡がれていたささやかなイルミネーション――どんな場所であっても、光は等しく闇を照らしていた。
イヴの夜、一人で持ち上げたワイングラスの揺らぎの中に映っていたのは、かつての迷いを抱えた自分自身だった。周囲では、サンタクロースからの贈り物を待つ子どもたちが胸をときめかせている。遠い日の自分の姿を重ねながらも、彼はもう現実から目をそらさなかった。
かつて果たせなかった約束を、静かに夜空へと放つ。そして誰よりも早く、自分自身の「新しい未来」へ向かって、最初の一歩を踏み出していた。

「promised you――信じている。新しく始まる明日も、この空の向こうで、私たちはそれぞれの光を放ち続けていくのだと。」
                           <終わり>

写真=promised you 歌詞と画像 Xユーザー まゆ 2020年1月15日付
https://x.com/mayu20220607/status/1217102185726541830
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前回横浜日記

第4回 2025年6月8日(日)テーマ曲「ハートに火をつけて」
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990237298&owner_id=32437106

前年同期

2024年12月15日(日)テーマ曲 「take me to youre dream」
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1989045156&owner_id=32437106



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