人生設計を立て、その計画通り実行できる人はほとんど皆無といっていい。
日本人は言霊を信じているため
口に出したり紙に書いたりした言葉は現実のものとなると信じているから
計画するのがとても好きな民族である。
7月7日の夜、願い事を書いた短冊を
笹の葉に吊るして星にお祈りする習慣は
おそらく仏教が伝わる前から行われていたのだろう。
古代、日本人や中国人は「死んだら星になる」と考えていた。
つまり星とは先祖のことである。
日本人の言霊信仰の歴史は仏教の歴史よりも古いのだ。
この言霊信仰が日本人の心の根底にある限り
日本人の考え方は変わらないだろう。
計画を立て、それを口にしたり紙に書いたりすれば実現するだろう、という
超ポジティブな考え方は日本人の最大の特徴であるといえる。
外国人は40年も先のことを考えたりしない。
漠然と10年くらい先のことは考えているのかも知れないが
40年間の計画を作成して、その通り物事が進むなどと絶対に考えないはずだ。
そもそも40年先のことを考える、という発想はないだろう。
向こう40年間の人生を考えるというのは
いかにも日本人的発想だと思う。
これは言霊の影響であるとしか考えられない。
有言実行という言葉がある。
日本人には「一旦口に出したことは必ずやり遂げねばならない」という考えがある。
それも言霊の影響だろう。
しかし人間一人が実行できることは有限である。
何故なら人間は無力だからだ。
運を味方につけた時、人間は力を発揮する。
しかし、言霊に支配された日本人は言葉の力に頼ろうとするのである。
日本の会社では納期を厳守しない会社は信用を失くす。
一旦口にした約束を反故にすれば社会的信用を失う。
約束自体が大事なのではなく
約束の言葉が大事なのである。
口にした言葉に魂が宿っていると考えるからである。
だから約束を反故にしたところで大きな問題にはならないのにも関わらず
信用を失くしてしまうのである。
「考えたことを紙に書くと思い通りに事が運びます」と指南する人がいるが
実は紙に書くことで神にお願いしているに過ぎない。
自己暗示にかけ結果的に思い通りにいくかも知れないが
あくまでも紙(神)頼みでしかない。
神様がいつもいつも味方してくれるとは限らないのだ。
おそらく日本人の識字率が高い理由は言霊信仰にあるはずだ。
「字を覚えて紙に書けば願いが叶う」と教えられれば
誰もが読み書きを習いたがるだろう。
日本人にとって言葉は伝達のための道具ではない。
願いを叶える道具なのである。
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