“お気に入りの音楽”に認知症予防の可能性、70歳以上の成人1万以上を調査
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=84&from=diary&id=8553920
ホント、こういう「ただの相関を見つけました」の疫学系の論文を「因果関係が発見されました!」のように報道するメディアはなんなんでしょうね?
≻定期的に音楽を聴く人は、ほとんど聴かない人に比べて認知症発症のリスクが39%低い
認知症予備軍の人は音楽聞こうと思っても忘れちゃって聞かなかった、とかの可能性は?とかもあるわよね。しかも、これ、きっとサーベイ(聞き取り)だと思うので「一日何時間聞くか?」とかもないのでは?
いろいろ疑問がわいてきたので検索したら、こんなのが(
https://www.monash.edu/medicine/news/latest/2025-articles/music-can-stave-off-dementia-by-up-to-40-per-cent,-monash-study-finds)。モナシュの広報ページだけど、いろいろ問題があるわよね。
≻The study found that always listening to music was associated with the greatest reduction in dementia risk, with a 39 per cent lower incidence of dementia and 17 per cent lower incidence of cognitive impairment, as well as higher scores in overall cognition and episodic memory (used when recalling everyday events). While regularly engaging in both music listening and playing was associated with a 33 per cent decreased risk of dementia and 22 per cent decreased risk of cognitive impairment
ってことはさ、まずサーベイのデータで「音楽を定期的に聞いているか?」でYesと答えた人が認知症になるリスクが一番低かった。でもこれ、「定期的」ってのがサーベイに応えた人の主観なので一日何時間、とかもわからない。
もっと問題なのがその次、「音楽を定期的に聞いて楽器も演奏する」人の認知症になるリスクが効かない人に比べて33%低い。音楽を定期的に聞いてるけど楽器を演奏しない人は39%よ?ってことは楽器を演奏することが認知症にはネガティブに働いているのか?という風に見えるわよね。これ、リサーチクエスチョンの設定の仕方だと思う。ここんとこは回帰分析でいろいろSpecification試して突っ込んでやるところだったけど、学部生の4年次のプロジェクトみたいなので「卒論だったらこれでいい」ってとこよね。だってさ、音楽を聴くのが脳にいい、というのであれば指を動かして脳と指とをコーディネートしてもっと複雑なことをする楽器演奏が音楽を受動的に聞くだけよりも認知症のリスクを低めない、ってすっごく眉唾だと思うし、説明が難しいと思う。
ま、ミュージックセラピーとかもあってその分野では脳波の動きがどうなるか、とか見てるので本当はこんな観察サーベイデータじゃなくって実験室で頭に電線繋げて音楽聞かせて、どうなるかとか見るべきところなんだけど、これは学部生の卒論プロジェクトなのでそんなことまでできない。
今の科学のフロンティアからは遠く離れたところでやってる卒論プロジェクトなんだから、こんなに大々的に取り上げることないんじゃね?と思うけど、日本のメディアが大学の広報のいうことに引っかかった、って感じなのかしら?
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