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2025年08月31日09:47

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国会の怠慢ではないか

■妊婦の死亡事故「胎児も被害者と認めて」赤ちゃんに重い障害が…父親の訴えを阻む“刑法の壁”【報道特集】
(TBS NEWS DIG - 08月30日 20:49)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=266&from=diary&id=8455422


 判例によると胎児は人かという問題に関しては、胎児が母胎から一部露出した時点で人として扱われると解釈されている。一部露出した時点で胎児に対する攻撃が可能だからだ。
 胎児に対する傷害罪は成立するかという問題に対しては、胎児は「人」ではないから胎児に対する傷害罪は成立しないと解釈されている(例外的に胎児に対する傷害罪を認めた下級審判例はある)が、この場合、(業務上過失致死傷罪の事案であるが)母親に対する傷害罪が成立するというのが最高裁判例だ。
 最高裁の母親に対する傷害罪が成立するという理屈は、胎児は、母体の一部だから、胎児に傷害が生じた場合は、母親に対する傷害罪となるというものだ。この理屈には批判があり、胎児が母体の一部という扱いは、胎児と母体を別々の客体と扱う堕胎罪と整合性が取れないとか、この考えだと母親が胎児に傷害を与えても自己傷害であり違法阻却され傷害罪にはならないのではという批判がある。
 また、判例に反対し、母親に薬物を与え、胎児に奇形などの傷害を負わせた場合、胎児に対する傷害罪は成立しないが、生まれてきた人に対する傷害罪が成立するという学説もある。これは、傷害罪というのは時間的離隔犯であり、実行行為の時点で人が存在しなくても生まれた時点で人がいてその人に傷害結果が生じていれば傷害罪は成立するとする。しかしこれに対しては、確かに傷害罪は時間的離隔犯だが、胎児傷害の場合、生まれる前から傷害は発生しているから、この理屈は成り立たないと批判されている。

 以上見たように、刑法上胎児は、「人」とは扱われないことになっている。しかし、胎児の保護が必要ではないというわけではないから、これは、立法の不備だと言いたい。胎児性水俣病の問題が起きた時代から議論されていたのだから、これこそ立法の不作為として違憲であり、国会の怠慢と言えるのではないだろうか。
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