mixiユーザー(id:3058293)

2024年08月03日18:38

60 view

温泉シャーク

https://m.youtube.com/watch?v=i1ki-pGdAs8

※今回の感想は本人の精神状態の不安定さが多分に影響している可能性があります。
予めご了承下さい。

月100時間超の残業を半年近くに渡って繰り返し、ようやく有給を使えるようになってとりあえず映画を見に行こうとなった時に一番魅力的に感じたのがこのタイトル「温泉シャーク」でした。
対抗馬は「ルックバック」でしたが、割引きが効かないし原作読んでるし、後回しにしても良いかなということでのサメです。

別に熱心なサメ映画ファンではありません。
何ならジョーズもまともに見たことないです。
でも大学時代に「ジュラシックジョーズ」というクソ映画は見たことあります。
頭がいっぱいあるサメが出てくる「ダブルヘッドジョーズ」や「シックスヘッドジョーズ」、サメを巻き込んだ竜巻に襲われる「シャークネイド」、下半身がタコの「シャークトパス」なんかも存在は知ってはいますが、まともに見る気はありませんでした。

そんなサメ密度の低い自分なので、今作もタイトルくらいは知っていたものの特段惹かれるものはなかったのです。
ただ、他に見たい映画も大して無い中で、割と評判がいいらしいという噂を耳にしました。

「クソ映画を期待して見に行ったら普通に面白いじゃねーか、詐欺だ」

みたいな感想が妙に引っかかり、気付けば仕事帰りに普段行かない映画館まで足を伸ばしていました。


とりあえず公式のあらすじを以下に転載致します。



〜あらすじ〜
市⻑の万巻が主導する複合型巨⼤観光施設の建設が進む S 県暑海(あつみ)市では、温泉客が忽然と姿を消す連続失踪事件が発⽣していた。
しかも被害者はその後、海でサメに襲われた遺体として発⾒されるのであった。
捜査に乗り出した警察署⻑、束(つか)と海洋⽣物学博⼠の巨勢(こせ)は、太古の昔から蘇った獰猛なサメが暑海各地の温泉を⾃由に⾏き来し、⼈々を襲っているという驚愕の事実を突き⽌めるのだが・・・



あらすじの時点でまともに向き合う必要性が皆無なのですが、加えて予告を見れば分かるとおり特撮もCGも目を疑うレベルの低クオリティ。
正直鑑賞中「1週間待ってデッドプール&ウルヴァリン見るべきだったか…」と後悔しかけたりもしました。



…この後私が書くことを真に受ける必要はありません。

ほぼ全ての日本国民がこんなショボくてバカみたいな映画に付き合うほど暇じゃないことでしょう。
しかし映画館を後にする際、私の心は救われていました。
生きる活力さえ湧いていたと思います。
罰ゲームみたいな毎日をこのまま送るくらいならさっさと終幕にしてしまいたいとすら考えていたのに。

それは純粋に面白い・楽しいものに触れる喜びを感じられたからであり、その背景にある熱意や工夫、何より真剣に取り組む姿勢に心打たれたからなのではないかと。
少なくとも、劇中の人物は皆一様に大真面目だったし、それが故に笑いが生み出されていたのだと思います。
戯け演技のような「面白げ」ではないのです。

確かにロケーションは地味だし演出もショボい。
しかし、思い返してみれば省略や記号化を当然のように駆使していた16ビット時代のRPGに対してかつての少年少女は「壮大なファンタジー」を感じていたのです。
今だって、竹馬のような足で舞台を闊歩する珍妙な人物を、劇団四季ならば「サバンナを渡るキリン」として成立させてしまうのです。

つまり、温泉シャークはゲームや舞台と同様、見る者に対して「見立てスキル」を要求しているという意味で非常に挑戦的な作品なのです。
実写映画は本来絵として世界観をしっかり構築しないと成立しないものですが、そうとでも思わないと上手く褒めに集約できないのでそういうことにします。

ともかく、気の毒になるくらいのクオリティ的ビハインドに対し、この映画は構成の巧さで巻き返しを図ります。
わずか70分程度の上映時間(ルックバックと大差ないのにこっちは割引き効くよ!)に笑いと驚き、ときに失笑を詰め込み、最後まで飽きさせません。

特に終盤の畳み掛けには素直に驚かされましたし、真の主人公が覚醒する展開は王道でありながらも「お前が主人公なの?」という意外性があって楽しめました。
それ以上に異彩を放つ劇中人物名「マッチョ」のお前は結局何なんだ?感も良かったです。
よく分からない理屈で「深海でも3分間は生身で戦える」というそのタイムリミット、そして超常的な強さ&妙に落ち着いた吹き替えボイスからは、どうしてもウルトラマンとしてのイメージがチラつきましたが、その正体は各々考察して下さい。
私はしません。
マッチョは強かった、で十分です。



温泉シャークの感動は本編だけに留まらず、スタッフロールでさらにトドメを刺されました。

この馬鹿げた企画に賛同し、クラウドファンディングに名乗りを上げた豪の者達(サンシャイン池崎の名前あり)があまりに多かった
のも驚きだったのですが、最も困惑させられたのが主題歌です。

そもそも、芯を食った国産B級サメ映画の主題歌として相応しい歌・相応しい条件とは何なのでしょう。

バカ要素を抽出するならパリピ感のある洋楽パンクとかダンスチューンあたりでしょうか。
しかし、邦画との食い合わせはイマイチな気がします。

逆張りとして荘厳なバラードやゴリゴリのヘヴィメタルを当てたり、もしくは安易に「おさかな天国」(もしくは裏を行ってゴールデンボンバーの「おさかな地獄」)を選択しても過剰さがウケ狙いとして透けて見えてしまいます。

可能性は色々あると思いますが、バランス取りが難しいと思われる中、この映画が出した結論はこれでした。

Storytellings「灼熱の戦歌」
https://m.youtube.com/watch?v=ihcw68O1Rb4



大真面目に寄り添った結果、歌も過剰さの無い本気な内容になっていました。
いや、本編をそれとなくイメージさせる良い歌だとは思うのですが、あまりに真正面から正論を突きつけられた時のような納得を上回る困惑が生じ、それがまた無性に笑えるのです。
何でこのテンションの歌にした?
これ「鬼滅の刃 鮫温泉の里編」じゃないんだよ?

気付いたら劇場の暗闇の中、一人キモい笑みを浮かべており、その足で心地よい満足感とともに映画館を後にしました。
2,200円もするパンフレットに手を出せなかったことだけが心残りです。

繰り返しますが、この感想を真に受ける必要はありません。
基本は「何だこりゃ案件」なのは間違いありません。

しかし見た目に反した真摯な作り、不足を押し返して心を穿つ強靭な意志を、私は勝手に感じることが出来ました。
それはとても幸運なことだと、サブスクで本作のサントラを聴きながら「何でこんな無駄に曲がいいんだよ!」とかイラつきながらも思うのです。

以上、「温泉シャーク」の感想でした。
皆さん、くれぐれも温泉地ではサメに気をつけましょう。
1 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2024年08月>
日 月 火 水 木 金 土
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

最近の日記

もっと見る