愛人たちが故郷に出戻り、バブル崩壊の「ミニ中国」ベトナムで起きていること
日本の自民党もベトナムの共産党も大変なバブル処理
2023.11.22(水)
川島 博之
ベトナムはミニ中国と言ってよい。社会主義国であり共産党独裁が続いている。歴史の中で何度も中国の侵略を受けたから、中国は大嫌いだが国家機構は中国にそっくりである。共産党が政府を指導する。国会は存在するが権限は弱い。司法も共産党の指導下にある。
そんなベトナムで昨年(2023年)秋から不動産バブルの崩壊が始まった。ハノイに滞在していると、バブルが崩壊し始めたことが手に取るように分かる。そこから同じく社会主義国である中国で起きていることを類推することができる。
マンションに住めなくなった愛人たち
不動産バブルが崩壊して約1年が経過した。笑い話のようなものだが、愛人が失業し始めた。政治家や高級官僚の愛人はハノイの高級マンションで暮らしていたが、パトロンである政治家や高級官僚が愛人の手当や部屋代を払うことができなくなったため、愛人は地方の実家に帰った。そんな噂を耳にする。
ベトナムでバブル経済の恩恵を直接受けたのは、最大でも国民の1割程度と考えられる。経済成長が続いていると言ってもベトナムはまだ貧しい。この10年ほどの間にハノイやホーチミン市に多くのマンションが建てられたが、それを買うことができる人はほんの一握りだけだ。庶民の年収は日本円で数十万円であり、安くても1500万円はするマンションは高嶺の花でしかない。
マンションを買い占めたり転売したりしていたのは、政治家や高級官僚に連なる一部の人々だけである。リゾートマンションの建設も盛んであったが、そこを転売目的で買い占めていたのは不動産会社や富裕層に限られる。
ベトナムでは不動産バブルに関する情報はほとんど開示されていない。銀行は不良債権を抱えていると思われるが、その全貌は不明である。不良債権が増えているとの情報は出ているが、そこに開示されているものは全体のほんの一部であろう。
ベトナムの大学で今も教えられるマルクス経済学
筆者は共産党政権ではバブル処理はできないと思う。第一に人材が不足している。ベトナムの大学では今でもマルクス経済学が教えられている。そのために経済学部は不人気で、本気で学ぶ人などいないと言われている。
ベトナム政府や国営企業で出世するには、所属している組織とは別に共産党の中で出世しなければならない。それには月に一度程度開かれる党の学習会に出席してマルクス・レーニン・ホーチミン思想を学習する必要がある。うまく出世コースに乗れた人は、学習会に加えて職場を休職して党の学校で学ぶ。現在、ベトナム政府や中央銀行で不動産バブル処理を担当しているのは、そのような教育を受けてきた人々である。それは中国でも同じである。
ベトナム共産党は民営である不動産会社は潰れてもよいと考えている。ただ、不良債権によって銀行が破綻する事態は避けたい。主要銀行は国有であり共産党の牙城であるので、そこが傷つくのは困る。
そしてより重要なことは多くの共産党員、特に幹部が不動産バブルに乗って蓄財してきたことだ。ベトナム共産党員は約500万人とされるが、その中で高い地位に登ったものが政府や国営企業で幹部になっている。彼らの資産の多くは不動産である。
付言すれば政府や国営企業の職員の給料はそれほど高くない。中国では政府や国営企業の職員は格安の社宅に住めるなど給与外の特典があるが、ベトナムでは給与外の特典はそれほど多くない。その結果として汚職が蔓延してしまったが、昨今の汚職撲滅運動によって露骨な汚職は難しくなっている。そのために政治家や高級官僚は職務権限を用いて、陰で不動産転売ビジネスを行ってきたのだが、そこをバブル崩壊が直撃してしまった。それが愛人の失業につながっている。
バブル処理の方法がわからない中堅官僚
このような状況の中で経済政策を担当する中堅官僚は、どのような施策を行えば良いのか分からなくなっている。彼らは元々市場経済に関する知識をあまり持っていない。財務省や中央銀行でも国際金融を理解している者は少ないと言われる。それは、出世するために多くの時間をマルクス・レーニン・ホーチミン思想の勉強に割いてきたためだ。
最近、ベトナムでは「政治家や官僚は外国人との接触をなるべく避けるように」との通達があったとされる。共産党、特に党中央は、バブルが崩壊する中で政治家や官僚が西欧かぶれになることを恐れている。日本が行った不良債権処理を政治家や官僚が知ることを恐れているとも考えられる。
共産党は日本が行ったような不良債権処理、つまり不良債権を明確化し、その後に税金を投入し銀行システムを守ることは行いたくないようだ。そんなことをすれば、共産党幹部の財産がなくなってしまうからだろう。そして銀行に公的資金を投入することになれば、共産党の無誤謬性に傷がつく。税金投入は巨額になる可能性が高い。そうなれば共産党政権はもたない。
バブル処理を担当している中堅官僚たちは、どうして良いのか分からなくなっている。それがベトナムの現状であり、中国の状況はこれよりも遥かに深刻と思われる。
習近平が新たな文化大革命を推進したい理由
そんな中国で習近平は新たな文化大革命を推進しようとしている。その理由はハノイにいるとよく理解できる。その昔、中国もベトナムも経済発展のために社会主義政策を緩和する改革開放(ベトナムでは「ドイモイ政策」)に打って出た。そして豊かになったのだから再びかつての強固な社会主義体制に戻れば良い。共産党の中の一部人々、特に党官僚は今でもマルクス・レーニン主義が正しいと考えている。
日本にいると、習近平が文化大革命を行いたいと思っていることは正気の沙汰とは思えないが、ハノイにいると習近平がそのように考えることも理解できる。
だが不良債権を処理することなく、全てを覆い隠して社会主義路線に戻れば、それは社会全体で巨額の借金を踏み倒すことに他ならない。社会秩序が維持できなくなる。習近平も心の中では新たな文革が成功するとは思っていないはずである。
ベトナムも中国も、先を見通すことができない時代に突入してしまった。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/78050
今日本に在留する不法残留者は、中共人に続きベトナム人が4位です。
1位と2位は、韓国、タイですが。
日本に来るのは、自国の経済が破綻しているのも原因です。
その内情は中共以上に悲惨です。
共産主義だから仕方ないですけどね^^;
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